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第188回 成功者との戦い方

前回、成功者が強制的に卒業させられることを書きました。
それでも、卒業間近で居残っている投資家は、数多といます。
この投資家たちとどう戦っていけば良いのかを、今回は書きたいと思います。
 
まず大前提として、「孫子」「兵勢篇」の第2段冒頭部分を理解して下さい。
 
凡戰者、以正合、以奇勝
故善出奇者、無窮如天地、不竭如江河

そもそも戦いというものは、不敗の地という正攻法で迎え撃って、臨機応変な対処である奇策を用いて勝利するものである。
だから上手に奇策を用いる者は、天や地にいるように追いつめられることはなく、その奇策は大河のように枯れることはない。

先ずは、損しない投資という正攻法で相場に挑んで、臨機応変な対処で利益を上げるということです。
だから、臨機応変な対処が出来る投資家は、天や地にいるように追いつめられることはなく、その奇策は大河のように枯れることはないという意味になります。

ですから、当然、デイトレードとして損しない投資術を身に付けていることが大前提になります。
損しない投資とは、これまで説明してきた通り、買値で損切り出来るような投資です。
この為、自分が買った売り指値のところに、直ぐに買い指値が生まれて来るような状況でなければなりません。
この為には、分単位のモメンタムが重要であり、他の投資家が後に続いてくれるタイミングで買うということです。

このモメンタムの見方については、絶対というものがありません。
なぜなら、その銘柄に参加している投資家が、銘柄毎に異なっているからです。
ただ、東証225構成銘柄などの主要銘柄は、連動債などの売買が主流になったりしているので、日経平均や為替、ダウ先物の動きなどに引っ張られる傾向が強いです。

そこで、損しない投資が実践できるようになったら、次は儲かる投資ということになります。
そこで儲ける為には、相手を選ばなければなりません。

- 銘柄を選ぶのではないのか!? -

そんな声が聞こえて来そうですが、銘柄ではありません。
相手を選ぶのです。

短期投資は、ゼロサムゲームだと何度も書きました。
そして、この投資の世界には、ゴルフのようなハンデはありません。
あるのは、五分五分の勝負の世界だけです。

ですから最初は、卒業間近で居残っている投資家が参加しない銘柄が良いでしょう。

- どうして参加しているかどうか分かるのか!? -

そんなことを言われそうですが、前回までの説明を読んでいただければ分かるでしょう。
卒業間近ということは、種銭が1億円ほどに増えている訳です。
この資金を、1日の中で売買するわけですから、最低でも売買代金は10億円必要になります。
つまり、1日の売買代金10億円未満の銘柄を選べば、彼らは参加していません。


- いやいや、デイトレードとして参加していなくても、スイングトレードとして参加しているでしょ -

そういう意見もあるでしょう。
はい、当然あります。
ただ、スイングトレードとして買ってくるということは、基本的に今日中に売らないということです。
今日から数日間、上昇すると見込んでいるから買っているのです。
ですから、あなたが売ろうとしている時に、競合することはありません。

更に良いことは、今日売らない予定の投資家が買ってくれるということです。
売り時に競合しないだけでなく、彼らの存在は株価の上昇に寄与してくれます。
ですから、スイングトレードだけでなく、ポジショントレードの買い方が買うような銘柄であれば、非常に「risk」が逓減されます。

ただ、中長期投資家の買いに関しては、余り意味がありません。
中長期投資家が買うときは、基本的に成行買いをしないからです。
中長期投資家は、この日に買うということはなく、この期間中にこの価格以下になったら買うという手法をとることが多いからです。
以前にも書いた通り、株価は安定的で元値に戻ります。
ですから、吹き上がっても、短期投資家のように高値を追うことは無く、反落後の安値を仕込もうと考えているからです。

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