第72回　1430ファーストコーポ

私が抽出した銘柄の中で、前期から今期より、今期から来期の方の成長率が高い銘柄は、1430ファーストコーポです。
1430ファーストコーポは、不動産ではなく、建設業を生業とした企業で、中小型マンションを手掛けています。

　　　　　売上高　 営業利益　経常利益　純利益　1株益(円)　1株配(円)
単21.5　　 20,919　　1,666　　  1,608　　 1,125　　　90.2　　　38記
単22.5　　 30,178　　1,919　　  1,891　　 1,269　　  105.8　　　32
連23.5　　 25,543　　1,983　　  1,979　　 1,364　　  114.8　　　35
連24.5予　 28,400　　1,400　　  1,370　　　910　　　76.2　　　31
連25.5予　 39,000　　2,700　　  2,650　　 1,790　　  149.8　　　31〜40

また、中期経営計画として、24年5月期から３年分を開示しています。

　　　　　　　　売上高　　営業利益　　経常利益　　純利益
23/05期実績　　　25,543　　　1,983　　　1,979　　　1,364
24/05期計画　　　32,600　　　1,870　　　1,820　　　1,230
25/05期計画　　　35,100　　　2,318　　　2,250　　　1,530
26/05期計画　　　37,200　　　2,635　　　2,560　　　1,750

既に、計画が１年目からズレでいます。
確認してみると、5月16日（木）に下方修正の開示情報が出ていました。
4,237百万円分の売上げが、期ズレを起こしたと言うことです。
また、その分は、25年5月期に載せると言うことです。

28,400　＋　4,237　＝　32,637　百万円（24/05期計画）
39,000　－　4,237　＝　34,763　百万円（25/05期計画）

会社としては26年5月期の計画をまだ開示していませんから、四季報編集者が若干低めに見積もっているということですね。

しかしながら、期ヅレを起こさず、計画通りに売上げが計上できていたら、

25,543　→　32,637（27.8%増）　→　35,100（7.5％増）

となっていて、成長度が減速するという結果になっています。
ただ、今期が決定しない中での来期の予測が難しいのは現実ですから、それほど気にするものではないと思います。
しかしながら、本来の数字を達成できていれば、私の検索条件には引っかからなかったというのは皮肉なことです。
なんせ、私の検索条件は、今期から来期への成長率は９％以上にしていましたから。

さて、資産状況を確認しましょう。

　　　１株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 有利子負債倍率
単21.5　520.77　　　36.0　　　17,427　6,275　　5,780　　0.73
単22.5　585.00　　　38.9　　　17,811　6,926　　6,580　　0.43
連23.5　664.54　　　36.9　　　21,466　7,919　　7,518　　0.50

自己資本比率は４０％弱を推移しているので、会社としてはその辺りを意識しているのでしょう。
次は、キャッシュフローです。

　　　　営業益 フリーCF 営業CF　投資CF　財務CF　現金等残高　現金比率
単21.5　 1,666　　2,769　2,814　　 -45　　 -2,584　　4,276　　　24.54
単22.5　 1,919　　2,943　3,014　　 -71　　 -2,297　　4,922　　　27.63
単23.5　 1,983　　 -430　  -302　  -128　　　 498　　5,062　　　23.58

前期は下方修正した影響で、フリーＣＦ、営業ＣＦがマイナスになっています。
財務ＣＦがプラスになり、資産状況の有利子負債倍率が増加していることから、借入額を増やしていることが分かります。
ただ、財務ＣＦの４９８百万円に対して投資ＣＦの－１２８百万円を見る限り、借入額が全て投資に回った訳ではないですね。
今期の数字に、その分が上乗っている可能性があります。
つまり、1430ファーストコーポとしては、今後も積極的に投資をするということでしょうか！？

前回も書きましたが、リーマンショックの時に派遣企業や不動産企業は大打撃を受けました。
当然ながら、建設企業も大きな影響を受けました。
1430ファーストコーポの有利子負債倍率が０.５ですから、借り過ぎと言える状況ではないので、まだまだ大丈夫です。
ただ、金利上昇局面では、敬遠される業種であることは確かです。
個人的には、やはり見送りにするでしょうね。