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第149回 ウォーレン・バフェット②

バフェットは、頭が良かったらしく、中学2年生を飛び級し、2年で中学校を卒業しています。
高校は普通に卒業しますが、大学は点々とします。
その中で、バフェットはこれまた大投資家のベンジャミン=グレアムの存在を知ります。
この後、バフェットはグレアムに師事することになりました。

大学卒業後は、グレアムの会社に就職したいと考えましたが、この時は断られています。
その結果、実父の証券会社に就職しましたが、3年後にグレアムに招かれて、夢を実現させています。
その後、グレアム引退を契機に独立し、自身の投資会社を設立します。
この投資会社を通じて、バフェットは「バークシャー・ハサウェイ」という今日ではバフェットと一心同体と考えられている企業を買収します。
ここから、今日の「ウォーレン・バフェット」の躍進が始まる訳です。

このバフェットの投資法は、至極簡単で分かりやすいです。
真似は簡単にできると思いますが、真似し続けることが難しいと思います。
なぜなら、簡単すぎて、ついつい他の難しい投資法の方が、効率が良いと錯覚してしまうからです。
そこで、どれくらい簡単かをここで紹介します。

➀グレアムの投資法を踏襲
先にも書きましたが、バフェットはベンジャミン=グレアムに師事しています。
ですから、このベンジャミン=グレアムの投資法がバフェットの投資法のベースにあります。
そこで次回は、このベンジャミン=グレアムの投資法を紹介したいと思います。

②短期投資ではなく長期投資
基本的には、長期投資になります。
ただ、投資しても、見誤ったと感じたら、直ぐに損切りすることはあります。
「10年以内に売る予定の銘柄は買わない」と言っているように、数十年保有し続けても良いと思える銘柄を投資対象にするということです。

➂分かる業界にだけ投資する
信じられないのは、ITやAI、バイオなど、これから更に伸びそうと考えられている業界ではなく、昔からある今は斜陽と言われている業界の銘柄を投資対象にします。
これは、知らない業界よりも、知っている業界で良い銘柄を探した方が良いとの考え方からです。
実際、この投資法で、年率30%以上のパフォーマンスを30年以上続けているのですから、10年で10倍も夢ではありません。

④PBRを重要視する
今や顧みられなくなった株価純資産倍率(PBR)の低い企業を選びます。
これは、その銘柄が持つ資産の評価が低過ぎるという仮説が成り立つことで、後の修正高を期待するというものです。
この考え方は、村上系投資ファンドも引き継いでいるように見えますが、彼らは蓄えた資産を吐き出させることが目的ですので、根本的に考え方が異なっています。

⑤集中投資
最後にバフェットは、選びに選んだ銘柄への集中投資を推奨しています。
分散投資は、集中させるだけの研究を怠った結果であり、研究していれば資金を集中させた方が安全だと気づく訳です。
保母さんが、一人で多くの子どもの面倒を見ないといけない時、一カ所に集めようとするのと同じことです。

以上のことから、バフェットは次の条件が揃うような銘柄に投資すると書いています。
①  自分自身で、事業の内容を明確に理解することができる。
②  今後長期に渡って、好業績が続くことを期待できる。
③  経営がサラリーマン社長などではなく、経営者としての能力が十二分にある。
④  株価が割安に放置されている。

いくら将来性があると思っても、自分が知らない事業、理解できない事業では、その後の変化を見切ることが出来ません。
つまり、売り時が分からないということに繋がるからです。

また、一時的に好業績が期待できても、続かなければ意味がありません。
ロケットエンジンのように一瞬のみの推力では、その後真っ逆さまに落ちてきてしまいます。

更に、経営者の能力が非常に重要です。
特に、日本のようなサラリーマン経営者では、ゆでガエル、事なかれ主義に陥って会社を傾けることになります。
4005住友化学の業績が大赤字になったのは、明らかに経営陣の大失敗です。

最後に、いくら良い会社であっても、市場から評価されていれば買う余地がありません。
あくまで安値で放置されていることが重要です。

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