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第65回 月足チャート

まずは、おさらいです。
月足チャートとは、株価の値動きを示すローソク足チャートのうち、1本のローソク足が1カ月単位で示されているもののことです。
普段は、日足チャートを使う投資家が多いと思います。
デイトレーダーだったら、5分足くらいですかね。
長期投資家でも、週足チャートくらいしか使わないでしょう。
つまり、月足チャートって、誰も見ていないってことです。

ところが、この四季報の上の欄外に掲載されている月足チャートは結構役に立ちます。
四季報の欄外チャートは、過去4年(今年込み)の値動きが掲載されています。
この過去4年というのがミソなのです。
なぜなら、欄内左下の業績も、過去4年(今年込み)が掲載されている訳です。
つまり、一目で、両方の動きを確認することが出来る訳です。

- チャートと業績が見れるって普通でしょ -

そう言われると思いますが、はい、普通です。
しかし、一目で確認できるところに大きな意味がある訳です。

私は、諸子百家の中では、法家の韓非子の信奉者です。
儒家でも、道家でも、ましてや墨家でもありません。
韓非子は、「背徳の書」と別名が付いているくらい、他人を信用していません。
他人を信用しないという前提で考えてこそ、他人を信じることが出来るという非常にややこしい思想なのです。

ま、韓非子の話はおいおいするとして、ですから私は、私自身も信用していません。
特に、面倒くさいことは、投資に有用だと言われても、延々とやり続ける忍耐力が私にはありません。
そんな人間ですから、一目で見れるところに大きな意味があると考える訳です。

そこで注目すべき月足チャートは、横一文字、右肩下がり、右肩上がりのように、一方的に動いているものです。
ジグザクと波打っているようなチャートは捨てます。
時間のムダです。
この投資法では、活用できないからです。

まず、横一文字のチャートです。
この形の企業の大部分は、業績も過去4年間変化なしということでしょう。
業績に変化が無いから、株価も変化しないんです。
ところがマレに、売上高と利益がジリジリと伸びている企業があります。
このような企業を探しているのです。

売上高や利益が上昇傾向にあるのに、株価が騰がっていない銘柄は、物色の対象外にあるため、放置されているからです。
つまり、地味過ぎて、投資家の目に入っていないということなのです。
ですから、何かの拍子で注目されれば、一気に買われる展開に発展することが十二分にあり得ます。
なんせ、業績は右肩上がりなのですから。

次に、右肩下がりのチャートです。
この形の企業の大部分は、業績も過去4年間右肩下がりだと考えられます。
業績が下降しているから、株価も下降しているのです。
がそんな右肩下がりのチャートで、急に大陽線が出ている企業があります。
このような企業を探しているのです。

底値圏で大陽線が出ているのは、何らかの理由があるはずです。
この理由が、下降トレンドだった業績の下打ちなら、株価も底打ちしたとみなすことが出来る訳です。
通常、売られる銘柄は、行き過ぎるところまで売られます。
だから、業績の底打ちが確認できただけで、株価はそこそこ戻るものなのです。
更に、業態転換などで業績の回復傾向が顕著になれば、大幅高も期待できるようになります。
なんせ、失望や絶望が希望に変わる訳ですから・・・・。

最後に、右肩上がりのチャートです。
この形の企業の大部分は、業績も過去4年間右肩上がりだと考えられます。
業績が上昇しているから、株価も上昇しているのです。
ですから、このような銘柄は、余り旨味がありません。
業績が安定的に上昇していることから、先回り買いが多く入っていて、PER30倍程度になっていることが多いからです。

ただ、こういう時は、この格言が生きてきます。

- まだはもうなりももうはまだなり。 -

買われ過ぎてもう買えないと考えるのではなく、4年間以上右肩上がりに動いているのだから、まだまだ行けると考えるべきです。
その為には、裏付けになる業績を確認し、出来れば事業計画などにも目を通すべきです。

いかがですか!?
ほぼ顧みられなかった欄外の月足チャートの活用術です。

実は、四季報の活用は、一つ一つの項目だけ見ていては、余り意味がありません。
複数の項目を、平面的、立体的に組み合わせ活用してこそ、意味が生まれてくるものなのです。

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