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第241回 192AインテG
5858STGのような銘柄は、なかなか見つかりませんね。
新規上場銘柄で上方修正期待のある割安銘柄って、そうは出てこないですよね。
さて、今回の192AインテGは、完全成功報酬制のM&A事業を手掛ける企業です。
中小企業の事業承継ニーズ拡大が追い風になり成約件数が伸長しているものの、悪質買い手の存在で特損計上を余儀なくされたりしています。
上場日は令和6年6月18日(火)で、「96ut.com」の情報ページは、ここになります。
まず公開価格は、3,960円でした。
公開時の1株利益は326.44円でしたから、PERは12倍程度になります。
また、1株純資産は671円でしたから、PBRは5.9倍になります。
更に売上高は倍々に増加予定でしたから、株価的には非常に割安だったということになります。
このため、初値は50.0%増の5,940円の大幅高になりました。
その後3日間は買われ続け高値は8,550円までありました。
新規上場のセカンダリー狙いでは、大成功となる銘柄でした。
当たり前ですが、その後は売られて8月5日(月)の大暴落日には3,030円まで下げてしまいます。
しかしながら、そこで底打ちしたものの、その後は3,000円から4,000円の間を行き来し続けています。
この夏以降の値動きの悪さは、9月30日(月)に発表した「2025年5月期 第1四半期決算短信」の進捗率の悪さにあります。
先ずはその前に、四季報新春号に書かれている業績予想の数字を確認します。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単22.5 649 13 11 0 -0.1 0
単23.5 1,273 238 238 170 85.4 0
単24.5 2,197 983 983 672 336.2 0
単25.5予 2,900 1,180 1,170 850 414.6 0
単26.5予 3,500 1,400 1,400 980 478 0
売上高は今期29億円、来期35億円が予想されています。
1株利益は今期414.6円、来期478.0円予想となっています。
この数字だけを見れば、4,000円以下の株価は割安すぎます。
その原因が、第1四半期の進捗率の悪さです。
売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 対通期
24.06-08 114 -118 -131 -115 -56.5 -103.5
四半期の売上高がたった1億円、営業損失も1億円なら、普通に考えれば下方修正が予定されていると疑うべきです。
ですから、株価は安値で放置される状態が続いたということです。
ところが、12月27日(金)に発表した「2025年5月期 第2四半期(中間期)決算短信」で状況が多少改善されます。
売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 対通期
24.06-11 1,334 530 518 334 161.8 44.2
売上高13億円、営業利益5億円まで、大きく改善されたわけです。
しかしながら、通期予想の売上高29億円、営業利益12億円までの進捗率は44.2%であり、下方修正懸念はまだ拭えません。
実は、この企業の事業形態は、不動産会社の1棟売りを生業とする企業のようです。
それは、「2025年5月期 第2四半期 決算説明資料」を一読すれば分かると思います。
四半期の成約組数が5~20と増減が激しい上、前期の制約組数が55組程度。
今期の予定は70組程度になります。
上半期の成約数は20組なので、下半期では50組程度と大幅な増加が必要になります。
そもそも社員1人当たりの年間目標成約数は、1.8組です。
また、前3期を確認しても、下期偏重型という訳ではありません。
成約件数と売上高を見れば、単価自体は大きく上昇しているのだと思います。
ただ、事業の安定性を求めるなら成約件数が重要であることは間違いないのですから、このタイミングで投資するかどうか決定するのは、ギャンブルに近いものになると考えるので、基本見送りですね。