第6回 TOPIX
TOPIXとは、東証株価指数のことで、「Tokyo Stock Price Index」の略になります。
東京証券取引所に上場している銘柄を広く網羅しており、一定の計算方法によって指数化されたものです。
TOPIXは、1968(昭和43)年1月4日を基準日とし、当時の時価総額を100ポイントとして、現在の時価総額が何ポイントにあたるかを表しています。
一昨日の2024(令和6)年3月29日(金)現在のTOPIXは、2,768.6ポイントになるので、この56年余りで28倍に成長したということになります。
この成長が大きいか、小さいかは評価の仕方によって変わりますが、基本的には経済の拡大に応じて、上下に波を打ちながら右肩上がりに上がるものです。
このTOPIXは、東京証券取引所に上場している銘柄を広く網羅していることから、日本経済の縮図と考えることができます。
日経平均は225社が選抜されている関係で、輸出・製造業に色濃いものになっているのに対して、TOPIXは全体を網羅していることから、国内経済の状況を物語っていると言えます。
つまり、日本経済の先行きを知りたいのであれば、日経平均を見るのではなく、TOPIXを見た方が良いことになります。
このTOPIXと日経平均を用いた指数として、NT倍率というものがあります。
NT倍率とは、日経平均(NIKKEI)とTOPIXの頭文字を取ったもので、日経平均をTOPIXで割って計算した指標になります。
一般的に10倍から12倍の間で推移するとされています。
日経平均は景気敏感株の色彩が強く、TOPIXは日本全体経済の色彩が強いという各指数の特色があります。
現在の株式市場は、夜間の米国市場で売買されている日経平均先物の影響が大きいことから、市場全体の株価が上昇するときは、TOPIXよりも日経平均株価の方が早く上昇しやすいと言われています。
また、NT倍率が大きいときは、市場全体の株価が上昇傾向にあると判断することができます。
一昨日の2024(令和6)年3月29日(金)のTOPIXは2,768.6ポイント、日経平均は40,369.4円なので、NT倍率は14.5倍となります。
つまり、12倍以上であることから、今後も市場全体の株価は上昇傾向にあると言えるわけです。
このNT倍率は、2000年以降の最小は、2005(平成17)年11月8日(火)に付けた9.37倍です。
逆に最大は2021(令和3)年2月25日(木)の15.66倍です。
このことからも、日経平均は4万円になっても、まだまだ先高観が強いと言われるわけです。
さて、ここで日経平均とTOPIXのどちらが優秀かということを考えます。
優秀とは、ローリスク=ハイリターンであることを指します。
その性質は、これまで書いてきた通り、値動きは日経平均が大きくTOPIXは小さいです。
値下がりをリスクと考えるなら、日経平均よりTOPIXがローリスクになります。
また、値上がりをリターンと考えるなら、TOPIXより日経平均がハイリターンになります。
ただ、ここで理解して欲しいのは、投資でいうリスクとリターンの原因は同じものに起因しているということです。
ですから、何もヘッジしなければ、ハイリスク=ハイリターンまたは、ローリスク=ローリターンになります。
実際に投資をするときは、このヘッジするという作業が重要になります。
そして日経平均とTOPIXは指数なのですが、各社がリンク債という形で組成しているので、株式同様売買できるものになっています。
日経平均リンク債には、以下のものがあります。
1321日経225連動型上場投信
1330上場インデックスファンド225
2525日経225
また、日経平均でも値動きが緩慢なので、倍の値動きが欲しいという投資家には、2倍の値動きのリンク債があります。
1365日経平均レバレッジ・インデックス
1570日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
1579日経平均ブル2倍上場投信
更に値下がり局面で買いたい投資家用に、逆に動くリンク債もあります。
1456日経平均インバース・インデックス
1571日経平均インバース・インデックス連動型上場投信
1580日経平均ベア上場投信
更に更に、値下がり局面で買いたい投資家用に、逆に2倍動くリンク債もあります。
1366日経平均ダブルインバース・インデックス
1357日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
1360日経平均ベア2倍上場投信
次にTOPIXリンク債には、以下のものがあります。
1305iFreeETF TOPIX
1306NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
1308上場インデックスファンドTOPIX
1475iシェアーズ・コア TOPIX ETF
更に、2倍の値動きのものもあります。
1568TOPIXブル2倍上場投信
このように個別銘柄の投資に自信が持てない初心者は、まずはリンク債で投資を始めてみるのも良いでしょう。
次回から、リンク債の投資方法について説明していきます。
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