第192回 同じ土俵で戦わない
すみません、ここ数回話が逸れていたので戻します。
卒業間近で居残っている投資家が売買しない銘柄で、デイトレードの経験をそこそこ積みました。
損しない投資についても実践できるようになって、多少の自信も生まれました。
そこで、そろそろ卒業間近なデイトレーダーに対して、勝負を挑もうと思います。
ただ、勝てるほどの自信は全くありません。
暫くデイトレードで経験を積んだら、こんな思いが出てくるとでしょう。
そんな時に、これまでと同じような感覚で売買していたら、途端に身ぐるみ剥がされてしまいます。
「risk management」は完璧と思っていても、それはあくまで素人相手の世界でです。
卒業間近なデイトレーダーは、それこそ災害級の「risk management」が必要になります。
なぜなら、卒業間近なデイトレーダーほど、売買のタイミングが非常にシビアなものになっているからです。
迷ったら負けと思っているような感じで、ガンガンと売買を入れてきます。
その煽りは強烈で、一瞬の判断の遅れが数万円、数十万円の利益を吹き飛ばせる結果が生み出されてしまうからです。
ですから、そんな状況の中では、あなた自身も一瞬の迷いが命取りになります。
- そろそろ売り目標の株価だけど、ちょっと弱い・・・・ -
- でも、目標まではあと少しだし・・・・・ -
そう感じつつ、目標達成を諦めて手前で利確しようかどうか迷っていると、瞬間的に大幅な投げ売りが出て来ます。
卒業間近なデイトレーダーは迷いません。
売るとなったら、ナイアガラの滝の如く、怒涛の成り売りを浴びせてきます。
ですから一瞬の迷いで、利確が損切りへと転落してしまうことになりかねないのです。
これは、売る時だけでなく、買う時にも言えます。
そろそろ買おうかなと迷っていると、卒業間近なデイトレーダーは迷わず成り買いを入れてきます。
一息遅れるだけで、株価は一気に上昇し、元々の売り目標の株価で買わせられるなどということになってしまい、不要な「risk」が生じてしまいます。
ですから、卒業間近なデイトレーダーと同じ土俵で戦ってはなりません。
同じ銘柄を手掛けていても、同じ土俵で戦わないようにする訳です。
- はぁ、コイツ何言ってんだ!!! -
そう思っている人も、いるでしょう。
同じ銘柄を手掛けつつも、同じ土俵で戦わないというのは、同じタイミングを狙った売買はしないということです。
卒業間近なデイトレーダーには、自分で株価を買い上げるという大きな「risk」があります。
ですから、少ない値幅では、その資金量が意味を為さないどころか、逆に足を引っ張りかねないということになるのです。
この結果、彼らは必然的に、より大きな値幅を狙わなければならなくなります。
100万円なら10円の値幅で良かったものが、1,000万円なら20円の値幅を狙わなければならないという感じです。
ですからあなたは、そんな時でもあなたは10円の値幅を狙い続ければ良いのです。
それなら、卒業間近なデイトレーダーより、5円高く買っても問題ありません。
卒業間近なデイトレーダーより、5円安く売っても充分目標達成できるからです。
分かりますか!?
卒業間近なデイトレーダーより、目標とする値幅を小さくする意味が・・・・・。
普通なら、上下30円も動いた銘柄なら、20円は抜きたいと考えるところです。
別に、このことを株価の値動きだけで見ていたら、傲慢どころか、当然の考えだと納得できます。
ところが、自分よりも数段格上のデイトレーダーと戦っていて、彼らと同じ成果を得たいと考えていたら、そのことはどう感じるでしょうか!?
当然、無謀な考え、傲慢だと感じるでしょう。
となると、上下30円動く銘柄で20円を抜くのは、傲慢で無謀な考えとなる訳です。
同じ銘柄を手掛けるようになった時は、目標とする値幅を小さく設定することが、成功者への次の一歩です。
ただ、ここでも理解して欲しいのは、永遠と短い値幅に甘んじる必要は無いということです。
卒業間近なデイトレーダーは、近い将来間違いなく卒業することでしょう。
そうなれば、あなたのランクは上がります。
ランクが上がれば、それに応じて値幅を欲張っても良い訳です。
つまり、慣れれば、値幅は11円、12円、13円と徐々に増やせばよいのです。
そして最終的に、20円の値幅が取れるまでに成長すれば良いのです。
これはあなたがデイトレーダーとして、勝ち組に入った証拠になります。
勝ち組に入ったら、後は縦横無尽に暴れまわれば良いのです。
ただ、暴れているうちに、暴れることが難しくなってきたと気づき始めます。
これが、卒業の合図だと言うことです。