第103回 かんちさん
私の投資仲間の中にかんちさんがいます。
良く雑誌等で紹介されている投資家なので、ご存じの方も多いと思います。
かんちさんは元消防官で、持ち株のインカムゲインだけで生活できるようになったので、異動を機に退官されました。
なかなか気さくで面白い方です。
さて、そのかんちさんの投資法ですが、10年で10倍、20年100倍を目指す投資法としては、絶対にお勧めしません。
なぜなら、それほどキャピタルゲインを期待できない投資法だからです。
ただ、儲からずに心が折れそうになっている投資家には、真似するべき投資法だと思うので紹介させて頂きます。
かんちさんの投資法は、配当利回り、優待利回りを意識した投資法になります。
例えば、配当利回り+優待利回りが7%以上の銘柄のみを投資対象に設定するとしましょう。
この中で、まずは全く使えない株主優待は除くとします。
6181タメニーの優待利回りは230%ですが、婚活サイト関連の登録料割引券などは、実質価値ゼロだと思います。
せめて、4650SDエンターテイメントの株主優待程度が最低ラインでしょう。
4650SDエンターテイメントのポイントも、余りまともな商品と交換ができませんが・・・・。
現在の7%以上の下限で言えば、7127一家HDくらいでしょうか!?
株価700円前後の無配企業ですが、株主優待としては年間5,000円相当の食事券が送付されて来ます。
黒字企業でもあり、売上げも伸びているので、株主優待さえ使用できる地域に住んでいれば、投資対象としても良いでしょう。
このような企業を複数見つけて、自分だけのオリジナルファンドとして運用します。
なぜなら、1つの銘柄に集中させて複数単元株(200株以上)を購入すると、優待利回りが低下してしまうからです。
株主優待は、多くの場合、単元株(100株)で権利が取れます。
ですから、配当金と違って複数単元持っていても、意味を為さないからです。
本来は、資金が少ない間は、少額ずつの分散投資はお勧めしません。
しかしながら、資金を集中させられるのは、儲かる銘柄を見分けるというスキル(能力)を身に着けているからこそです。
ところが、このスキルを得られるレベルは、人によって異なります。
それはドラクエで、魔法使いが直ぐに覚えられる攻撃魔法を、僧侶がなかなか覚えられないようなものです。
ただ、戦士のように全く覚えられないという訳では無いので、大丈夫です。
それでも、やり続けないと、レベルは上がらず、スキルも取得できません。
途中でレベル上げが嫌になって止めるくらいなら、余りお勧めできない分散投資でも、やり続けて貰った方が良いと考える訳です。
そして、このかんちさんの投資法には、固有の「risk」があります。
それりは、株主優待の改悪や減配です。
株主優待や配当金は、その企業の胸先三寸で決まってしまいます。
優待の改善や改悪、更には廃止などという暴挙は、企業が自由に決められるわけです。
例えば、7412アトムは、令和6年5月9日(木)に、株主優待の改悪(半減)を発表しました。
すると翌10日(金)はストップ安。
週明けの5月13日(月)は、一時660円まで売られたものの、692円で引けています。
発表前は880円程度あったのですから、大暴落です。
しかしながら、かんちさんの投資法は、インカムゲイン目当てだけという訳ではありません。
なぜなら、設定した利回りが悪化した場合は、例外なく売ってしまうからです。
利回りの悪化は、優待や配当の改悪だけではありません。
株価が上昇しても、利回りは悪化します。
つまり、株価が上昇して利回りが悪化したら、そこでキャピタルゲインを得てしまうという戦略です。
そのままその銘柄が上昇して行けば「バイバイw」、反落してくれば買い直すと言うものです。
こう設定していれば、利回りの悪くなった銘柄を持ち続けると言う「risk」を「hedge」することができる上、キャピタルゲインも狙える訳です。
また、優待改悪や減配などの見極めも必要となることで、銘柄の研究も怠れなくなるという「return」も出てきます。
まだ自分に自信が持てない間とか、かんちさんのように「超富裕層」入りした後なら、手堅くて良い投資方法だと思います。
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