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第207回 購入後にすべきこと

「risk management」は、自分にとって都合の悪い将来を予測し、基本的にはそうならないように「hedge」することです。
前回、日経225採用銘柄に投資することを勧めました。
上場銘柄の中では値動きが緩慢で、初心者にも扱いやすいからです。

そこで前回の8267イオンの値動きによる「risk」「return」を、理解して買ったとします。
つまり、8267イオンの株主になってからの話です。
株主として気を付けるべきことは、買うことを決定づけた原因の変更です。
例えば今回は、8267イオンの株主優待が魅力的で買うことを決めました。
そうなると、最も注意すべき「risk」は、株主優待の改悪です。

企業が株主優待を設置する理由は、株主数を増やすためです。
なぜ株主数を増やさなければならないかと言えば、それは東京証券取引所の上場基準に株主数という項目があるからです。
株主数が少ない中小型銘柄中心に株主優待が設置されているのは、このためです。

そして株主優待は、多種多様です。
自社製品から、自社食事券、クオカード、以前は金貨などというものもありました。
この中で廃止されやすいのが、自社と関係のない金券類です。

例えば株主優待に、500円のクオカードを配布している企業は、購入費用の500円全額が負担(「risk」)になります。
ところが、同じ500円でも自社食事券であれば、500円分の自社商品の提供と言うことに置き換わります。
外食産業の場合、原価は3割と言われているので、500円の自社食事券の自社負担(「risk」)は150円程度まで低減されます。
また、500円を超える部分については現金で支払ってくれるので、その分は「return」と考えることが出来ます。
更に、自社店舗を株主が気に入ってくれれば、自社店舗で食事してくれる回数が増えるので、顧客の増加という大きな「return」にもつながります。
つまり、自社と関係のない金券類は、「risk」が大きい上に、企業側には株主数を増やすという「return」しかないのです。
逆に、自社食事券などは、企業側に「return」も多いため、そう簡単には廃止されないとも言えます。

8267イオンのキャッシュバックやラウンジの利用は、店舗に顧客を呼び込み、自社で買い物をして貰えるという大きな「return」があります。
株数によってキャッシュバックの割合も変わりますが、3%から7%であれば、どれだけ買って貰っても赤字にはならないでしょう。
ですから、普通に考えれば、8267イオンの株主優待廃止の「risk」は低いと思います。

こうなると次に考えるべきことは、業績の悪化による株価の値下がり「risk」です。
これに関しては、8267イオンホームページのIRを定期的に確認しましょう。

先ずは、月次連結営業概況で毎月の業態別の営業実績を100分率で知ることが出来ます。
上段に書かれている「月次売上動向」は、営業実績に対する8267イオン自身の考察になります。
下段はには、業態別の数値です。
100%が前年同月と同じと言うことになりますので、100%を下回ることが多いと、業績の下方修正懸念が大きくなってきます。

また、当然ながら決算資料も知ることが出来ます。
四半期ごとに掲載されるので、投資家としては必ず確認しなければなりません。
月次の数値が、どのように四半期に反映されるのかを学習しましょう。

こうして、比較的安定的な銘柄で、業績等の予測をする訓練をします。
安定的と言っても、業績の良し悪し、また景気状況や為替、政治的要因でも、株価は動きます。
これらのことを学ぶために、日経225採用銘柄に投資してみて腕を磨きましょう。
磨けたら、次はもう少し値動きの激しい銘柄に投資してみるのも一手です。

さて、明日から再び能登へ支援に入ることになりました。
1月の地震だけならもう終わっているはずなのですが、9月の水害で再び被害が広がりました。
北陸地方では、12月中旬以降は降雪「risk」があります。
その前に目処をつけたいということで、ラストスパートとして支援を要請されたので行くことになりました。
ですので10日ほど、更新は止まりますのでご了承ください。

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