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第199回 後場のデイトレード

東京証券取引所の終了時間が、15時から15時半まで、つまり30分間延長されました。
これまで、昼休み時間が短くなることはありましたが、取引時間帯そのものが変更されるということはありませんでした。
30分延長されることは、投資家にとって非常に有益な変更だと言われているようですが、実際のところ、殆ど意味は無いと思います。
なぜなら、後場のデイトレードは見送っても良いと考えているデイトレーダーが多いからです。
更に、私のような経験者にとっては、今までのアノマリーが利用できなくなる恐れがあるので、有害なだけです。

デイトレーダーと言えば、相場が開いている9時から15時までの時間帯は、パソコンの前に張り付いていると思い込んでいる人が多いと思います。
ところが実際は、張り付いているのはほぼ午前中だけで、昼からは外出している人が殆どだと思います。
それは、後場から期待できる「return」が、前場に比べて格段に劣るからです。
前場で期待できる「return」が「10」と仮定すれば、後場は「2~3」程度まで下がると思います。
パソコン前に張り付いて薄利を手にするより、気分転換や健康維持のために、外出した方が後々の為には良いと考えるからです。

先日のネットニュースか何かで『ONE PIECE』の作者の尾田栄一郎氏が、今や化石に近くなっている『Pokémon GO』をやっていると書いていました。
尾田氏が『Pokémon GO』をやっているのは、健康維持のために医師に勧められたとのことでした。
漫画家はデスクワーク中心の仕事で、体を動かす時間が極端に少ないのは想像できると思います。
同じように四六時中パソコンとニラメッコしている投資家は、自身の健康寿命を伸ばすために外出した方が良いと考えるのです。

さて、ちょっと話は逸れましたが、このように投資家にとって後場の利用価値は現実的に大きくありません。
閉じている時間が短くなれば、それだけ投資家の自由度が大きくなるのは事実ですが、実際、15時から15時半に取引する人たちは、どうしてその時間帯に取引するのでしょうか!?
結局のところ、これまでの14時半から15時と同じだという結果に落ち着きます。

実は、24時間休みなく開いていなければ、30分休みでも、半日休みでも意味合いに大差はありません
それこそ、騰がる銘柄が100%予測できるのと、99%予測できるのとの間には、乾坤の開きがあります。
1%が外れる確率くらい大したこと無いと素人は思いがちですが、1回の大損で全てを失うこともある世界なので、100%とならないのは大きな問題なのです。
ですから、99%予測できるのと、50%予測できるのとの間には、大差がありません。
見た目では大きな違いがあるように見えますが、予測通りに行かなかった時の対処が出来るのであれば、どちらも同じだと言えるからです。

これと同じように、相場は休みになる時間があれば、ギャップを生み出すことになってしまいます
今の相場が、前夜の米国市場の影響や、引け後に発表される個別銘柄の材料に影響され、始値が前日終値より大きく乖離して始まることがギャップです。
このギャップが生まれない状況にならない限り、同じだからです。

多くの企業は、取引中に情報を公開することをしません。
これは取引中に発表すると、株価への影響が大きくなる可能性があるため、多くの投資家に対して材料の周知時間を作る目的で、取引所が売買停止の措置をとるからです。
ですから、この影響を最小限度に抑えるために、引け後に情報を公開します。

そこで後場に関して、個人的に意味があるとすれば、14時から15時でした。
材料の発表や、相場環境を予測して、翌日の株価の動きを先取りする形で、引け際に売買する方法です。
これはデイトレードではなく、スイングトレードに分類されますけど・・・・。

- さすがに売られ過ぎだ!! -
こう感じられるほど大きく売られた場合、翌日にはギャップアップして始まる可能性が生まれてきます。
当然、そうならない可能性もあるのですが、この判断に対して経験が必要になります。
私が8月5日(月)の暴落時に多少なりとも買おうと考えていたのは、こういう考えがあるからです。

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