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第201回 1日をかけたデイトレード
1日をかけた取引が、本来のデイトレードの定義になります。
ただ、今のデイトレーダーは、1日をかけて決済している人は稀でしょう。
前回の説明で、後場の「return」が少ないことは理解頂いていると思います。
同じ「risk」で「return」が減少するなら、それは「low-risk」から「high-risk」へと変更となるからです。
それでも、仕事をしていて相場の取引を確認することが出来ないという投資家もいます。
気になってトイレに駆け込んで株価を確認するという人もいるようですが、こういう投資家は紛れもなく損をしています、失敗しています。
仕事中に株価が気になって仕方がないということは、正確に「risk management」が出来ていないからです。
「risk management」は、受ける被害を小さくするために実施するものです。
被害が小さくなったら、不安も無くなるはずです。
ですから、トイレに駆け込みたくなった時点で、その取引は「risk management」的には失敗していると言い切れるのです。
さて、トイレに駆け込まない投資家がデイトレードをする場合、株価を確認できるのは、「寄り前」、「昼休み中」、「引け後」の3段階になると思います。
そして、職場の昼休みが12時から13時と仮定した場合、後場寄り後になる12時半から13時までは株価の確認ができるということになります。
これらの条件を細分化すれば、下記の通りになります。
① 前日終値
② 当日前場引値
③ 当日後場寄値
④ 当時後場寄りから30分間の株価
⑤ 当日終値
ここで「④当時後場寄りから30分間の株価」は異質なので除外します。
すると、株価を確認できるタイミングは下記の通りになります。
① 前日終値
② 当日前場引値
③ 当日後場寄値
④ 当日終値
更に「①前日終値」は、「当日前場寄値予測値」に書き換えます。
前日の終値から引け後に発表された材料等を加味し、当日の寄値を予測するということです。
① 当日前場寄値予測値
② 当日前場引値
③ 当日後場寄値
⑤ 当日前場寄値予測値
これを書いているのは11月20日(水)です。
今日、大きく買われたのは、8630SOMPOHDでした。
前日の19日(火)に、業績の上方修正や、増配、自社株買いを発表しました。
「2025年3月期第2四半期決算発表について」
「通期業績予想(連結)の修正および期末配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」
「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」
利益は3,200億円から5,500億円へと倍増に近く、配当金も112円から132円へと大幅増額となりました。
発表前の上昇前の19日(火)の終値は3,564円でした。
配当金が20円増、割合では17.8%増となります。
これを単純に株価に当て嵌めると、4,200円程度になる訳です。
そこで、発表後の株価ですが、下記の通りになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732224574-ZeTcWDYz97tnMhEvJlaAx1B2.jpg?width=1200)
上放れた後に、4,002円で寄りついて瞬間的に4,053円まで買われた後は3,958円まで売られ、最終的には3,971円で引けたということです。
この動きは、下記の通りになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1732224598-9hJcuaojMbn4gPFELeDCVt52.jpg?width=1200)
これらの情報で、明日21日(木)の株価の動きを予想する訳です。
その予想は、大別すれば2種類です。
⑴ 「①当日前場寄値予測値」より「②当日前場引値」の方が高くなる、つまり陽線になる
⑵ 「①当日前場寄値予測値」より「②当日前場引値」の方が低くなる、つまり陰線になる
さて、どちらでしょうか!?
二択ですから、確率は五分五分です。
同値もありますが、この際考えないでおきましょう。
陽線になると考えれば、買いで入れば良いとなりますし、陰線になると考えれば、売りで入れば良い訳です。
ただ、それだけなんですが、あなたにはそれが予想できるでしょうか!?
因みに米国市場は、ダウ平均は139.53ドル高の43,408.47ドル、ナスダックは21.33ポイント安の18,966.14で取引を終了していました。
シカゴ日経225先物は、38,280円の160円安です。
上放れた後、ストップ高に張り付けずに陰線になったことから、保有者からの売りが出易い状況になるため、多少下げて始まることは予想できます。
ただ、問題はここからです。
下げて始まった後、騰がるのか、それとも下がるのに・・・・。
出来高の多い銘柄は、買いが入らない限り、基本的に下げます。
ただ、証券会社の格付けや目標株価の変更、ファンドの買いなどが入ってくれば、騰がります。
ただ今回の場合は、増配分の株価上昇は前日の上げで折り込んでいます。
また、自社株買いは、72百万株と発行済み株式数の7.44%になり、非常に大量であり、株価上昇を期待できそうです。
ところが株式の取得価額の総額は1,550億円であり、1株当たりで考えると2,153円にしかなりません。
と言うことは、株価急落時に買い支える目的の自社株買いであり、現値でも買い進めようとする自社株買いではないと推定できます。
こう考えると、明日21日(木)の株価は騰がるより下がる動きになる可能性の方が高いように思われます。
ですから、参加するとすれば空売りでしょう。
そして結果ですが、3,924円で寄った後上下に動きましたが、前引けは3,905円でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1732224650-jConhq9a7ZltSvPzm5MYwbVe.jpg?width=1200)
このタイミングで、後場寄りで売るのか、後場引けで売るのかを考えるのです。
前場の高値は3,966円、安値は3,857円までありました。
つまり、安値引けでも高値引けでもありません。
更に今回は、前引けの段階の価格差が19円(0.48%)しかありません。
損失は出したくないので、後場寄りで売ることにします。
寄値は3,906円でしたので、1株当たり18円取れたことになります。
この「return」が今回の売買する「risk」に比べて大きいか、小さいかで、売買に参加するか、見送るかが変わって来るわけです。