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第237回 146Aコロンビアワークス

今回から、新規上場後1年以内で、好業績でありながらも割安で、チャートが鍋底型になっている銘柄を探してみようと思います。
そして、この中から4つ目の手法で採用する銘柄にしようと思います。
そこで先ずは、四季報新春号で選んだ銘柄の中から検討します。

そこで最初は、146Aコロンビアワークスです。
こちらは、「第107回 146Aコロンビアワークス」で一度取り上げたことのある銘柄です。
当時は、直近上場銘柄で大きく売られていたので、調べてみることにしました。
その時の結論としては、いつもの私の抱えている新興不動産銘柄の倒産懸念から見送りとなった訳です。

ところが先月、他の不動産銘柄と共に上方修正をしてきました。
それは、市場から146Aコロンビアワークスの商品が受け入れられている結果だと考えられます。
実は、146Aコロンビアワークスは、人間ドック受診センターや学生マンションなど、入居するテナントや顧客のニーズに合わせたオーダーメイド型の開発をするちょっと変わった会社だからです。
通常の不動産企業とは一味違うということで、不動産関連ということで毛嫌いするべきではないと思わせるような銘柄です。

そこで、先ずは旧の業績予想です。

     売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21.12*  10,002  1,191   1,029       682  272.8     36.8
連22.12  11,013  2,190  1,854    1,174  469.8     69.6
連23.12  14,469  2,718  2,382    1,516  606.5     91
連24.12予 20,500  3,200  2,800    1,950  561.9   91〜103
連25.12予 25,000  3,750  3,350    2,350  677.2   91〜120

この数字が上方修正されて、以下のように変わりました。

      売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連24.12予 20,600  3,900    3,400  2,100  605.1   110
連25.12予 24,600  4,600    4,100  2,500  720.4  110〜115

24年度の売上予想が微増に対して、25年度は微減になっています。
ただ、どちらの純利益も大きく伸びており、1株利益も10%程度上昇しています。
このため、予想配当金も当初予想から20%程度上積まれています。

また当時懸念していたのが、第1四半期決算の悪さです。

      売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 進捗率
23.01-03*  2,819  608    531    348   138.4   218.5
24.01-03   1,877   -89   -211  -178    -69.8    -

ただ、この件に関しては、下記のようなアナウンスがありました。

当社の業績は案件の売却時期によって変動し、また利益も案件規模及び利益率が異なるため四半期では変動いたします。
案件の売却は、プロジェクト収益が最大化できるタイミングで実行しており、四半期会計期間においては計画の時期と変化することがあります。
計画において第2,第3四半期に不動産開発の売却が集中しておりますが、各案件の進捗は順調であり、売上、利益ともに通期計画の達成見込に変更ありません。

結果的に今期は上方修正しているのですから、アナウンスの内容は虚偽ではなく、真実だったということです。
そこで、続いて資産状況です。

     1株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 有利子負債倍率
連21.12*  1,886.00   24.5  19,263  4,715    -    -
連22.12*  2,319.28   21.5  26,983  5,798    -    -
連23.12*  2,856.22   22.3  32,001  7,140   7,034     3.26

1株資産は順調に増加していますが、自己資本比率は改善していません。
それだけ借入額を増やしているのだと言えます。
ただ、ここに今第3四半期の数字を重ねてみます。

     1株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 有利子負債倍率
連24.01-09   -    27.7    41,721 11,553 8,501    2.40

自己資本比率が上昇し、有利子負債倍率が下降しています。
財務体質が若干良くなったことを示しています。

このことを踏まえて、更にキャッシュフローを見てみましょう

    営業益 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2021.12* 1,191 -4,117  -2,174  -1,943    4,158   3,153  16.37
2022.12* 2,190 -6,085  -5,740  -345     5,965  3,033  11.24
2023.12* 2,718 -3,365  -1,778  -1,587    3,434   3,101    9.69

フリ-CF、営業CF共にマイナスが続いていますが、不動産会社には良くあることです。
営業CFは、在庫が増えればマイナスになる為、土地等の仕入れが多いということでしょう。
それを補っているのが、財務CFのプラスです。
仕入れ分を、銀行等からの借入金を増すことで賄っていると思われます。
上場と共に成長を加速させようということでしょう。

最後に、第3四半期決算説明資料の中で、「中長期的な成長戦略」を公開しています。

①PLは、2023年~2026年の営業利益ベースでの年平均成長率20%以上の安定的な利益成長を目指します。
②BSは、2026年までに自己資本比率25%程度、ROA10%超を達成することを前提に、運用資産1,000億程度を中長期的な経営方針として掲げております。
③状況に応じて海外不動産展開も視野に入れて取り組んでまいります。

自己資本比率の拡充と成長性を意識した経営をしていることが分かっただけでも収穫は大きいです。
更に国内にこだわらず、海外にも向いている点も評価できます。

最後にチャートですが、8月5日(月)に底値を付けている急落型ですね。
今の業績的にはこれ以上の下値は考えられないので、既に反発が始まっていると考えられるので、今回の投資法では見送りということになります。

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