第107回 146Aコロンビアワークス
下落率上位2社が、直近上場銘柄ということで、下げているのは当然だと思っています。
ただ、直近上場銘柄は、下げ切ったところからが美味しいので、ちょっと調べてみることにしました。
まずは、146Aコロンビアワークスです。
146Aコロンビアワークスは、不動産会社です。
ただ、普通の不動産会社ではなく、ちょっと変わった不動産会社です。
それは、人間ドック受診センターや学生マンションなど、入居するテナントや顧客のニーズに合わせたオーダーメイド型の開発をする会社だからです。
最初に業績です。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21.12* 10,002 1,191 1,029 682 272.8 36.8
連22.12 11,013 2,190 1,854 1,174 469.8 69.6
連23.12 14,469 2,718 2,382 1,516 606.5 91
連24.12予 20,500 3,200 2,800 1,950 561.9 91〜103
連25.12予 25,000 3,750 3,350 2,350 677.2 91〜120
今期、来期と急拡大する予想です。
更に配当金も、100円という3桁の大台に乗る予想です。
12月期決算ということなので、第1四半期の数字を見てみましょう。
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 進捗率
23.01-03* 2,819 608 531 348 138.4 218.5
24.01-03 1,877 -89 -211 -178 -69.8 -
全くダメですね。
ただ、「当社の業績は案件の売却時期によって変動し、また利益も案件規模及び利益率が異なるため四半期では変動いたします。案件の売却は、プロジェクト収益が最大化できるタイミングで実行しており、四半期会計期間においては計画の時期と変化することがあります。」と第1四半期決算説明資料で発表しています。
また、「計画において第2,第3四半期に不動産開発の売却が集中しておりますが、各案件の進捗は順調であり、売上、利益ともに通期計画の達成見込に変更なし。」とも発表しています。
となれば、基本的に様子見でしょうか!?
第2四半期決算は、8月9日(金)に発表予定なので、それを確認してからでも遅く無いと思います。
さて、続いて資産状況です。
1株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 負債倍率
連2021.12* 1,886.00 24.5 19,263 4,715 - -
連2022.12* 2,319.28 21.5 26,983 5,798 - -
連2023.12* 2,856.22 22.3 32,001 7,140 7,034 3.26
1株資産は順調に増加していますが、自己資本比率は改善していません。
それだけ借入額を増やしているのだと言えます。
そこで、次にキャッシュフローを見てみましょう
営業益 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
2021.12* 1,191 -4,117 -2,174 -1,943 4,158 3,153 16.37
2022.12* 2,190 -6,085 -5,740 -345 5,965 3,033 11.24
2023.12* 2,718 -3,365 -1,778 -1,587 3,434 3,101 9.69
フリ-CF、営業CF共にマイナスが続いていますが、不動産会社には良くあることです。
営業CFは、在庫が増えればマイナスになる為、土地等の仕入れが多いということでしょう。
それを補っているのが、財務CFのプラスです。
仕入れ分を、銀行等からの借入金を増すことで賄っていると思われます。
上場と共に成長を加速させようということでしょう。
個人的には、リーマンショック後の新興不動産会社の倒産の嵐が頭を過ります。
146Aコロンビアワークスが悪い訳では無いのですが、当時の流れが再現されれば、老舗と言われるような不動産会社以外は、多く巻き込まれてしまいました。
これから、日銀が金利上昇に向けて動ぎします。
そうなれば、住宅購入意欲は当然ながら減退する為、一時的に不動産会社に逆風が吹くことになるでしょう。
その時に飛ばされなければ良いのですが、飛ばされたら終わりです。
だから、どうしても今の時期に新興不動産企業に投資しようとは思えません。
その逆風が吹き終わった後、残っていれば投資できるんですけどね。