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第30回 10年10倍を目指す理由

最初に私は、10年10倍を2回目指して、100万円を1億円にする方法を伝えると書きました。
NISAであれば、1,000万円の投資額まで非課税ですから、増えたら、増えた分だけ自分のものになります。
また、売買手数料等も無料の証券会社がありますので、そこを選べばよいと思います。

さて、10年で10倍を目指すためには、年間利回りはどのくらいにすれば良いのでしょう!?
当然、複利で考えます。

    10%  20%   30%   26%
当初    1,000,000  1,000,000    1,000,000    1,000,000
 1年  1,100,000  1,200,000    1,300,000    1,260,000
 2年  1,210,000  1,440,000    1,690,000    1,588,000
 3年  1,331,000  1,728,000    2,197,000    2,001,000
 4年  1,464,000  2,074,000    2,856,000    2,521,000
 5年  1,610,000  2,489,000    3,713,000    3,176,000
 6年  1,771,000  2,987,000    4,827,000    4,002,000
 7年  1,948,000  3,584,000    6,275,000    5,043,000
 8年  2,143,000  4,301,000    8,158,000    6,354,000
 9年  2,357,000  5,161,000  10,605,000    8,006,000
10年 2,593,000  6,193,000  13,787,000  10,088,000

見て頂ければ分かるように、10%では2,593,000円です。
20%で6,193,000円、30%で13,787,000円ですから、20%以上30%未満であることが分かります。
20%以上30%未満を1%単位で計算すれば、結果は26%となります。
前回言ってた25%では、少し足りませんが・・・・。
つまり、年間26%の複利で回せば、10年で10倍が達成できるのです。

「毎年26%をコンスタントに回すのはムリだろう!!」と思う方が大半だと思います。
「はい、無理です」と私も言います。
なぜなら、「コンスタントに」というところに、大きな無理があるからです。
「コンスタントに」出来るなら、前回の中期投資を続けているのと同じことになるからです。

実は、ここが10年と定めたミソになります。
経済には、色々なサイクルがあります。
次回以降で詳しく説明しますが、設備投資のサイクルとしてジュグラーサイクルというものがあります。
利子率のところで説明したように、景気の動向は設備投資に大きく影響を受けます。
ジュグラーサイクルは10年で1回転する、つまり景気も10年周期で「好景気→不景気→好景気」と回転して戻ってくる訳です。

株価は、当然ながらこの景気変動に大きな影響を受けます。
いや、影響を受けるというより、景気変動という土台の上に、各社の業績が乗っかっていると理解した方が良いでしょう。
だから株価は、企業業績の影響を受けますが、それ以上に景気変動の影響を受けるのです。

ここまで書けば勘の良い人は気づいたと思います。
株価が最も高い時というのは、好景気の真っただ中にいるときです。
この時に、株式投資を始めてしまったら、いくら良い銘柄を選んでも、その後にやってくる景気の悪化の影響を受けて、株価が騰がるどころか、反落するということになってしまいます。
因みに、景気減速の中で反騰していくような銘柄は、非常に危険な銘柄だと理解してください。

ところが、景気は10年で持ち直します。
最初の数年は、株価が下落したり、微動だにしなくても、景気回復期と同時に動かなかった株価は嘘のように急騰します。
良い銘柄であれば、1年間で10倍になるなんてことも十二分にあり得ます。
つまり、投資期間が10年間というのは、投資を始めたときの景気動向に左右されないという訳です。
景気が悪いときに始めて良くなれば、10年を待たずに10倍に出来るかもしれません。

もし景気動向に左右されていないのに、10年で10倍にならないのは、どういうことかと言うことになります。
それは、単なる銘柄選択の誤りだったということです。
成長性が乏しい企業へ投資すれば、10年経っても、売上げは大きく育ちません。
売上げが育たなければ、利益を増やすには限度が出てきます。
利益を増やすことに限度があれば、株価の上昇にもブレーキがかかってしまいます。

つまり10年の投資結果を見れば、景気動向等他の要素での失敗かどうかの見分けが付けられるという訳です。

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