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第235回 出がらし銘柄
直近で、私が仕込んだ新規上場の出がらし銘柄は、令和6年3月21日(木)に公開した5858STGです。
この銘柄は、既にご存じの方も多いと思います。
四季報夏号で発見し、「第108回 5858STG」で記事にしています。
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記事にしたのは8月5日(月)で、その時の最後に「下げ切ったところを狙うのは悪く無いと思います。」と書きました。
つまり、これが「出がらしになったら」ということになります。
実は、8月5日(月)の朝に公開したものですから、書いたのは4日(日)以前になります。
そして、8月5日(月)と言えば、大暴落の日です。
つまり、この日に私が底値近辺で多く指値した銘柄の一つが、この5858STGでもある訳です。
5858STGは、3月21日(木)に公開されました。
その時の「96ut.com」はこれになります。
公開価格が1,920円であったのに対して、初値は3,215円と67%高で始まりました。
当日の高値が3,910円まで行ったものの、その後は買いが続かず、値を下げています。
そして4月17日(水)には公開価格割れの1,825円まで売られたものの、その後は反発して5月31日(金)に2,680円まで戻しました。
しかしながら、その後は再び2,000円前後まで売られていました。
そもそも、公開予想価格の1,870円で、PERは7.98倍でした。
そしてPBRは1.05倍であり、1株利益は231円でした。
つまり、8月2日(金)の終値である1,880円でも十二分にお買い得価格だったのですが、更に下げればバーゲン価格になります。
ですから、「下げ切ったところを狙うのは悪く無いと思います。」と書いたわけです。
そんな銘柄を記事にした早々、相場全体が大きく下落しました。
それに連られてストップ安まで売られます。
- まさか1,500円までは来ないだろう・・・・ -
そう考えつつ、1,500円まで段階的に指していたのですが、まさかその全てが約定するとは予想していませんでした。
全部約定したと言っても、元々出来高が少な過ぎる銘柄なので、金額にすればそれほど多くないのですが・・・。
このように、出がらし銘柄とは、新規上場というプレミアが剥がれて本来の株価に戻った銘柄と言うことになります。
ただ、プレミアが剥がれる中で行き過ぎること、つまり売られ過ぎることが多々あり、それの戻りを狙うということになります。
5858STGも、私にとっては大暴落による下げ過ぎたところの戻りを狙ったということになります。
ところで新規上場銘柄の下値は、上場後半年程度で付けることはありません。
もっと日柄がかかります。
短くて1年程度、長ければ3年程度かかる場合もあります。
5858STGの公開日は、3月21日(木)でした。
下値を付けたのは8月5日(月)です。
公開後4か月半で下値を付けたのは、実際のところイレギュラーです。
これは全体暴落の動きの中で、連られて付けた株価だからです。
ですから、令和6年前半に上場した銘柄については、8月5日(月)に下値を付けた可能性が高いです。
また、それ以降に上場した銘柄については、下値を付けるまでの時間的条件が足りません。
つまり、当面の間は銘柄が出てこない可能性が高いということになります。
ところが、実際はそうでもありません。
なぜなら、8月5日(月)に下値を付けなかった銘柄が、相当数あるからです。
と言うのも、まだ出がらしになっていなかった銘柄については、売られても、売られ過ぎレベルまで下げていなかったからです。
そこで四季報新春号で選んだ銘柄の中から、新規上場後1年以内の銘柄について注目してみようと思います。
四季報で選んだ銘柄は、少なくとも四季報上の業績には問題ありません。
更に割安と指数的に判断されています。
後は、チャート的に底値圏を形成していることを確認するだけです。
チャートの底値圏の形状は、5858STGのような急落型か、鍋底型です。
急落型は、全体相場の連れ安や、自身の悪材料噴出だけです。
自身の悪材料噴出は、当然ながら投資対象から外れます。
ですから急落型は、全体相場の連れ安に限られることになるので、多くは鍋底型になります。
ですから明日以降は、業績とこの鍋底型の出現を探してみようと思います。
なんてことを5858STGをネタに書いてたら、22日(水)の引け後に「業績予想の修正及び配当予想の修正に関するお知らせ」を発表しました。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連25.3旧 6,100 400 370 260 254.1 30
会25.3新 6,400 470 500 370 357.7 35
そして昨日の23日(木)はストップ高まで買われました。
半年前に100万円の試みを始めていたら、間違いなく採用していた銘柄なんですけどね。
新春号では、これくらいの銘柄は、残念ながら今のところ見つかっていないです。