第48回 究極の無価値のもの
株式投資をしていく中で、理解しておいた方が良いことがあります。
それは、多くの投資家が適正価格を見極められないものほど、暴騰するということです。
つまり、ゲーム銘柄のように、生きていくのに必要がないものと同様、「何これ!?」というものほど暴騰するということです。
適正価格を見極められないものは、多くの場合は無価値です。
価値が無いから見極められないのであり、価値があれば、凡その見当は付くからです。
つまり、数字の「0」に、数量を求めようとしても求められないのと同じです。
そして、ここ最近の無価値のものの筆頭と言えば、やはり仮想通貨(暗号資産)でしょう。
- 何言ってんだ、コイツ!! -
そう反感を覚えられる人が多ければ多いほど、仮想通貨が無価値だという証拠になります。
さて、ここで仮想通貨の価値を考えてみましょう。
仮想通貨の第一人者は、ビットコインです。
そこで、ビットコインは、どのような価値があるのか考えてみてください。
「アホか!!1ビットコインは、1,000万円近くで取引されているだろうが、そんなことも知らんのか!!」
そんなことを思う人もいるかもしれませんが、私が言いたいのは取引価格云々のことではなく、ビットコインそのものの価値のことなのです。
そこで価値の意味ですが、価値とはその事物がどのくらい役に立つかの度合いのことを言います。
ですから、ビットコインそのものが、どのくらい役に立つものなのかと言うことを私は聞いているのです。
そこでビットコインの利用方法を、ちょっとネットで調べてみました。
幾つかのサイトを確認しましたが、利用方法の主なものは以下の通りでした。
① 送金
② 決済(実店舗、ネットショッピング)
③ 公共料金の支払い
④ 寄付
⑤ 資金調達
⑥ 投資・資産運用
これを見て、何か感じませんか・・・・・・。
- これって、円でも、ドルでも、通貨なら何でもできることじゃん!! -
そう私は感じました。
つまり、ビットコインでしか実現できないという特性は、現時点では何も無いということです。
これは、ビットコインを所有するメリットが無いと言い換えることが出来るわけです。
- それなら、どうしてビットコインの価格は騰がり続けているんだ!! -
そう考える方が多いでしょう。
それこそが、無価値の証拠と言えるのです。
もし、ビットコインに明確な価値が存在し、それを多くの投資家が理解することが出来るのなら、投資家たちはビットコインの価値の値踏みをするでしょう。
例えば、1ビットコインが100万円程度の価値だと多くの投資家が値踏みをすれば、110万円になれば売りが膨らみ、買いが減るでしょう。
なぜなら、100万円程度が適正価格だと考えれば、「110万円は割高だし、今のうちに売っておこう。」と考えるからです。
また、「110万円は割高だし、このまま120万円に行くのは考えられないから、ちょっと待てば100万円まで下がってくるだろう。」とも考えるからです。
このように投資対象物の適正価格について、多くの投資家が理解していれば、その価格に収束します。
ビットコインが、今のところ延々と買われ続けているのは、この適正価格が分からないからです。
これはあたかも、絵画のようなものです。
絵画は、製作者の腕前はもちろん必要ですが、最も必要なのはその絵画を売り出す画商の力量です。
いくら良い絵を描いても、良い画商に恵まれなければ、絵画に値が付かず、高額にはなりません。
ところが、良い画商に恵まれると、余り才能の無い画家の絵でも、高額で取引されることになります。
これは、絵画という価値が抽象的なものであるが故に、画商の売り方次第で、幾らでも価値が吊り上げられるからです。
それこそ、数名の金持ちが挙って買った絵画と同じ作者のものだと聞けば、良く分からない金持ちは、億単位の金でも平気で出すでしょう。
このように今のビットコインは、絵画そのものです。
どこぞこの投資家が買う、ファンドが買う、ETFに組み入れられる、というのは、ビットコインそのものの価値には何ら関係がありません。
あるのは、画商が高値で売ろうと、色々と良い情報を付けているのと同じなだけです。
つまり、ビットコインは、価値が無いことこそが、その真の価値だと言うことが出来る訳です。
最後になりますが、因みにこの金持ちたちは、インフルエンサーになります。
絵画の価値が分からないから、金持ちが挙って買ったという情報で、お金を出す訳です。
もし、金持ちが挙って買ったという情報が無ければ、買っていないでしょうからね。
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