第146回 2136ヒップと2146UTグループ
先日も話題にしましたが、2030年問題の主因は労働力不足が深刻化することです。
そこで注目されているのが、人材関連ビジネスです。
特に、人材派遣の中でも、専門性が高い派遣の方が、今後は更に期待されることが予測されています。
実際のところ、日本国内で労働力不足になるのは一過性です。
その後は再び労働力超過になることから、個々の専門性の高さが必須となってきます。
そこで今回選んだ「四季報秋号」の中で、最も好影響を受けそうな銘柄は・・・・、2136ヒップや2146UTグループです。
2136ヒップは、開発系技術者の派遣に特化した企業です。
四季報によれば、業績は好調で連続増配中であり、今後は熊本県の半導体製造工場への派遣を狙うということです。
元々は、神奈川県から製造業のアウトソーシングで始まった企業です。
その後は全国に展開して、現在に至っています。
先ずは、前回同様、業績です。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益 1株配
単22.3 5,188 453 587 403 101.5 30
単23.3 5,475 577 592 401 101 40
単24.3 5,660 554 550 388 97.9 50
単25.3予 6,200 650 650 440 112 51
単26.3予 6,900 800 800 530 134.9 51〜55
きれいにゆっくりとした右肩上がりになっています。
気になるのは、前期の営業利益率が若干悪化したことくらいでしょうか!?
ただ、第1四半期の進捗率が良かったことで、会社四季報は前号より業績を上方修正して掲載しています。
株価的には余り変わらないのに、秋号から選ばれたのはこの為です。
1株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 有利子負債倍率
単2022.03 843.41 60 5,585 3,352 2,637 0.19
単2023.03 914.42 63 5,768 3,634 2,920 0.17
単2024.03 969.56 62 6,144 3,810 3,149 0.16
こちらも業績に劣らず安定的です。
前回の1301極洋のように、コツコツとした企業経営を行っていそうです。
自己資本比率が高く、有利子負債倍率が低いため、問題点は全く見受けられません。
こちらも、長期投資銘柄として一考に値すると思います。
次に、2146UTグループです。
2146UTグループは、2383日本エイムとエイペックスの合併により生まれた企業です。
こちらは以前(第69回)に、書いたことがあります。
基本的に、前回と四季報の誌面的には変化はありません。
ただ、株価の方は全く元気がないです。
それは、8月13日(火)に発表した第1四半期の業績が悪かったからです。
「第1四半期営業利益は31%減で着地」と書かれています。
売上高こそ前期を上回ったものの、採用強化や新規子会社の連結化等の影響で、利益が大幅に落ち込んでしまったことが原因のようです。
実際のところ、第1四半期の売上高も441億円に留まっており、ここ最近の四半期の売上高の平均値から、余り上昇していません。
この傾向なら、売上高2000億円達成が御の字と言えるレベルであり、予想の2150億円には届かないでしょう。
その辺りのことを不安視して、投資家が手を引いているのだと思います。
ここを投資対象にするかどうかを考えるのは、第2四半期決算が発表された後でも遅くないと思います。
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益
22.07-09 42,717 3,503 3,528 2,335 57.9
22.10-12 43,808 -1,238 -1,251 -2,682 -66.5
23.01-03 42,539 3,308 3,308 2,073 51.4
23.04-06 41,220 2,792 2,753 1,956 48.6
23.07-09 40,983 2,449 2,465 1,580 39.6
23.10-12 42,921 2,999 3,034 2,181 54.9
24.01-03 41,906 1,104 1,145 644 16.2
24.04-06 44,164 1,922 1,868 4,930 124.1