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第231回 15,000円のクオカード➁
15,000円のクオカードを株主優待として提供している企業の調査結果の第2回目です。
第1回目で感じたのは、想定外に優待利回りが良いということ。
昔なら、クオカードのような現金と同じ程度の価値を持つ株主優待は、利回りが2%台になるまで買われていました。
ところが今は配当金を含めて5%台を超えているのですから、狙うのは十二分にアリだと思います。
まぁ、株主優待の廃止が無ければなんですが・・・・。
ところで、私が20年近く保有している銘柄で、金券類の株主優待を出しているところは、4337ぴあですね。
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100株を1年以上保有することで、5,000円相当の図書カードか、シネマギフトカードが貰えます。
ただ、まだ無配です。
株価は3,000円程度ですから、優待利回りは1.67%となり、今紹介している銘柄と比べたらかなり低いことが分かります。
当時は、かなり利回りが良い印象だったんですけどね。
さて、先ずは3968セグエGです。
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ここは令和6年2月13日(火)に株式分割と共に株主優待の導入を発表しました。
「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更並びに株主優待制度導入に関するお知らせ」に書かれている理由は、下記のとおりです。
株主の皆様の日頃のご支援に感謝するとともに、当社株式への投資魅力を高め、より多くの方々に当社株式を長期的に保有して頂くことを目的としております。
他社と比べたら、うっすい内容ですね。
実は、3月26日(火)に「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」で、「流通株式時価総額」が足りていないことを公表しています。
つまり、株価のつり上げの為の株主優待の導入と言えそうです。
また、4月12日には、「株主還元方針の変更に関するお知らせ」を出しています。
・ 配当は、配当性向 30%を目安とし、年度業績の変動に関わらず安定的・継続的な株主配当を行います。
・ 1 株当たり年間配当金は前年実績を下限とし、毎年、継続的な増配を行います。
あからさまな株価維持策に見えますね。
それでも業績的に問題無ければ良いのですが、売上高は右肩上がりですが、利益率の低さがちょっと気にかかるところです。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21.12* 12,038 638 686 454 13.2 5.33
連22.12* 13,622 906 1,050 743 22.2 6
連23.12* 17,443 1,086 1,015 660 19.6 10
連24.12予 18,800 960 1,330 900 28.1 11〜14
連25.12予 22,500 1,260 1,260 700 21.9 11
PERは26.3倍、PBRは66.18倍とかなり高めです。
情報通信関連企業なので、ソフトなどの開発によって利益率は大きく変化すると言えば、します。
ただ、自己資本比率が24.4%と低いので、ちょっと嫌です。
更に、1,000株で年間30,000円分のクオカードと、11円×1,000株で11,000円分の配当金が手に入ります。
株価は650円程度ですので、「株主優待+配当」利回りは、6.40%ほどになります。
財務が良くないので、株主優待廃止「risk」が高いように思われます。
個人的には、見送りですね。
続いて4445リビン・テクノロジーズです。
![](https://assets.st-note.com/img/1737265975-HOlTb6Iz4fyiueXSjPDGZvwN.jpg?width=1200)
ここは令和6年12月2日(月)に「株主優待制度の新設に関するお知らせ」で株主優待の導入を発表しました。
更に12月11日(水)に出した「株主優待制度新設に関する補足説明資料」に書かれている理由は、下記のとおりです。
「株式の流動性向上と魅力の強化」
株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、当社株式の流動性向上および投資対象としての魅力をより多くの方々に、継続的にご認識いただくことが目的
更に財源が利益剰余金であり、その財源は潤沢にあることを説明しています。
かなり本気で株主優待を導入したことが伺えます。
業績的にはゆっくりとした右肩上がりであり、大きな懸念はないですね。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単20.9 2,444 34 9 5 4 0
単21.9 3,242 139 148 88 66.2 0
単22.9 3,029 379 380 235 175.3 0
単23.9 3,374 461 463 302 224.9 0
連24.9 3,570 207 209 114 84.9 0
連25.9予 3,700 180 180 120 89.3 0
連26.9予 3,800 200 200 130 96.8 0
PERは36.3倍、PBRは2.35倍と高めです。
更に、業態は情報通信なのですが、不動産会社比較バーティカルメディア「リビンマッチ」を運営ということで、不動産関連となります。
また、自己資本比率が45.6%ということで、可もなく、不可もなくというところですね。
そして、200株で年間30,000円分のクオカードが手に入ります。
株価は2,700円程度ですので、「株主優待」利回りは、5.55%ほどになります。
純利益が悪化していることと、無配企業であるということで、有配になったと同時に株主優待が廃止される「risk」が高いように思われます。
個人的には、ここも見送りですね。
更に4476AICROSSです。
![](https://assets.st-note.com/img/1737265988-wYxkZF17c8o4LJ6UNGB9VaWb.jpg?width=1200)
ここは令和6年8月14日(水)に株主優待の導入を発表しました。
その「株主優待制度導入に関するお知らせ」に書かれている理由は、下記のとおりです。
2023 年 12 月期第 2 四半期より顧客ポートフォリオの転換を目的とした国内顧客の獲得及び配信数の拡大に注力してきました。
その結果、売上高に占める国内比率は堅調に推移するとともに収益力の強化も着実に進んでおります。
この度、より多くの株主様に中長期的に当社株式を保有して頂き、当社事業の成長を共有することを目的として株主優待制度を導入することといたしました。
NISAを契機に個人株主を増やそうと言うのが目的だと思われます。
業績的にはゆっくりとした右肩上がりですが、利益がそうなっていないところが懸念材料です。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単20.9 2,444 34 9 5 4 0
単21.9 3,242 139 148 88 66.2 0
単22.9 3,029 379 380 235 175.3 0
単23.9 3,374 461 463 302 224.9 0
連24.9 3,570 207 209 114 84.9 0
連25.9予 3,700 180 180 120 89.3 0
連26.9予 3,800 200 200 130 96.8 0
PERは33.9倍、PBRは3.48倍と非常に高いです。
業態が情報通信だから高過ぎると言えなくもないのですが、最近ではPER20倍以下の情報通信関係の銘柄も増えているので、割高には間違いありません。
ただ、自己資本比率が78.7%ということで、倒産懸念はなさそうです。
そして、300株で年間30,000円分のクオカードが手に入ります。
株価は1,600円程度ですので、「株主優待」利回りは、6.27%ほどになります。
4445リビン・テクノロジーズと同じように無配企業であるということで、有配になったと同時に株主優待が廃止される「risk」が高いように思われます。
個人的には、見送りですね。
今回の3社は、全て見送りという結果になってしまいました。
高利回りで良いのですが、業績の伸びが無ければ、株主優待の改悪や廃止の確率が高まります。
そうでなくても、大口投資家にとっては、株主優待より配当金の方が良いですからね。