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第175回 短期投資には博愛の精神が必要

「稼ぐ」ことに敏感になれば、「利益を増やす」為には、「必要経費」を減らすことが重要だと理解できるはずです。
7593VTHDの高橋社長は、この「必要経費」を減らすことを主眼として、効率的な経営をされています。
我々投資家にとっての「必要経費」は、情報料、売買手数料、税金などがありますが、最も大きいのは損切りした時の損失です。
ですから、我々投資家の命題は、損切りをする時に、いかに額を小さく処理するかということが課題になります。

そこで先ず、「理想買い」の真っただ中にある銘柄は、「株価の上昇圧力」の強い銘柄だということです。
この点が長期投資とは異なっていて、長期投資は「業績の上昇圧力」が強い銘柄を選ぶからです。
これは、短期間で利益を得ようとするためには、当然の判断基準だと言えるでしょう。

さて、「株価の上昇圧力」が強いということは、買おうと考えている投資家が多いと言い換えられます。
そこでちょっと考えてみて下さい。
この「株価の上昇圧力」が強い銘柄を買おうとする投資家は、どんな投資家でしょうか!?

私が考えるには、先の例で言えば、長期投資家ではありません。
長期投資を考えている銘柄なら、目先の上昇圧力が強い銘柄より、ゆっくりと将来に向かって騰がる銘柄を選ぶからです。
目先騰がっても、結局反落してしまうと、手垢が付いてしまいます。
ここで言う手垢とは、高値掴みをさせられた投資家の売り圧力のことです。
高値での売り圧力は小さいに越したことは無いので、わざわざこのような銘柄を選ぶ長期投資家はいないでしょう。

ですから買うのは、短期投資家と素人投資家ということになります。
短期投資家は、目先の上昇で利確して、直ぐに逃げようと考えている投資家です。
素人投資家は、特に考えもせずに参加し、反落しても持ち続けて、どうしようもなくなる投資家のことです。
つまり、基本的に反落すれば直ぐに逃げようと考えている人ばかりが参加していると言えます。

株価が騰がると言うことは、次から次へと新しい投資家が買い方へ参加して来ているということです。
参加者が増えて行く限り、その銘柄は上昇し続けることになります。
ところが、あるところから上昇の動きが止まります。
これは、新たな買い方の出現が無くなったことを意味します。
つまり、自分が売ろうとしたときに買い取ってくれる投資家が居なくなっているということです。

ですから、見切りの早い投資家は、買い方が減少し始めた時に売り逃げようとします。
実際は、まだ上昇中であっても、その勢いが弱まり始めたところで売りを出し始めます。
そうしないと、買い方がいない中で、売り抜けなければならなくなるからです。

そこで私が教わったのは、他人を思いやる心、「博愛の精神」です。
私が売りに出した銘柄を買ってくれた投資家にも、利食いチャンスが得られるようなタイミングで売りに出すということです。
自分だけ儲けられたら良いという考えではなく、自分の銘柄を買ってくれた投資家も、やり方によっては儲けられるようなタイミングで売るということです。

買ってくれた投資家が儲けるチャンスを持てるようにするには、まだ上昇余地がある間に売らないとだめです。
普通に考えれば、早売りとなります。
しかし、早売りを常日頃から選択していれば、売りそびれるということはありません。
見立てより天井が一段階低かったとしても、それは早売りではなく、絶好の売り場だったということになるだけです。

ただ、この時は、自分の銘柄を買ってくれた投資家には、利食いチャンスが無かったということになってしまいます。
ですから、この点は、反省材料になります。
あくまで、自分の銘柄を買ってくれた投資家にも利食いチャンスを与えるのが、この投資法だからです。

このように、自分の銘柄を買ってくれた投資家に利食いチャンス与えることは、早売りすることになり、利益を圧縮してしまいます。
ところが、絶好の売り場を探して売りそびれるという「risk」は大きく低減することから、投資の成績が安定し始めます。
成績が安定すれば、投資に自信が持てるようになります。
投資に自信が持てれば、投資金額が大きくなっても、焦ったり、固まったりするようなことは無くなります。

つまり、「博愛の精神」は、他人の為ではなく、自分のためにやるものです。
ですから、本来の「博愛の精神」は、他人から強制されたり、他人に強制したりするものではありません。
「risk management」的に必要なものだからです。
ただ、「risk management」の理解が少ない人たちは、平気で強制してきます。
しかし、強制されたものが、長続きすることはありません。
ですから短期投資で成功したいのであれば、自ら「博愛の精神」が必要だということを理解してください。

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