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spinel3
【詩】憶えたまえ
私は信じます
語り継ぐ歴史の終わりが
安らぎであることを
いいえ 願います
あらゆる痛みと 穢れと 滅び行くものにさえ
光と花々を分け与えるあたたかきもの
どうかあの人を安らかに
私はあの扉を開くことができません
裁きの庭へ続く扉
罪人を罪人の仲間が庇ったところで誰が耳を傾ける?
咎めは重くなるばかり
呪い 諍い
どうか 責め立てないで
叫び 忍び泣く声
どうか 憶えたまえ
信じることさえも適わぬ私に安らぎを
問いかける厳かな声
咎め焼き尽くす目
私に何が値するかもう知っています
けれど どうか憶えたまえ
幾億の魂を
語り継がれる悲劇と闇の中の
この儚き光にどうか目を留めてください
私は声をあげてはならないのです
けれど癒し難き苦しみを知るあなたならば
声なき思いにさえ耳をそばだてることができるのでしょう?
どうか どうか 安らかに
あの人を そして どうか…
この安らかな音色
これはあなたへの捧げ物?
それともあなたからの慰めなのですか?