霊感がまったくないオタクに、今年のお盆に少しだけ不思議な感覚があった話(自分のための覚書)
私は全く霊感が無い。そして特にそういう知識も無い。
ただ、今年のお盆に少しだけ不思議なことがあった。何かを見たとかそういうのではなく、去年の5月末に亡くなった友達が、丁度お盆の初め頃から2週間くらいずっと私の頭の中の隅っこにいた。だから、もしかしたらこっちに帰ってきてたんじゃないかなと思う。彼女と私の家は割と近くて、生前はお互いに近い駅で待ち合わせてお茶したり私の家に遊びに来てくれたこともあったし、会いに来てくれていたんじゃないかな、と思うのだ。
実は事情があって、彼女とはきちんとお別れが出来なかった。おそらく彼女は最期、ちょっと寂しかったかもしれないなと思う。友達として何も知ることが出来なかった私自身も寂しいのだから。
ところで、今年の夏は私の推しが割と頻繁に単発のホラーゲーム実況をしていた。派手に敵を倒したりするものではなく、全て探索系の静かなものを敢えて選んでプレイしていた。ちなみにもちろん全てリアタイした。
私の推しは普段からよく怪談を聴いたりするそうで、オカルト関係の知識も割とある人なので、そういう知識を交えながらゲームを進めてくれていた。
彼がプレイしていたゲームのひとつの中に、とある怪談が出てくる。不登校の女の子の唯一の親友が事故で亡くなってしまい、悲しみに暮れた女の子は自殺を考えるが、その時自分を呼ぶ声がして目の前に親友の顔があり、自殺を思い留まったという話。
「この話『呼んでた』可能性もあるよね」、と推しは言った。なるほどなぁ、と思った。やっぱり亡くなった時に寂しかったり無念が強かったりすると、そういうこともあるんだろうか。
ただ、私の頭の隅にいたあの子は、ぜーんぜんそんな感じはしなかった。お盆から2週間くらい頭の中に居たのに。
じゃあ2週間も何をしに来ていたのか?というと、多分私の推し活を見に来ていたんだと思う。
先程私の家に遊びに来てくれたことがあったと書いたが、その前に会ったときに彼女は私の推しと彼が所属するゲーム実況グループに興味をもってくれたので、家で一緒に動画を観たのだ。彼女に無断で用意していた「30分で絶対に理解らせる私の推し」というタイトルのA4用紙2枚分のレジュメを使用したプレゼンも、「ヤバwwwwwwwww」と爆笑しながら聞いてくれた。
彼女は私にとって非常にありがたいことに、「人が推しに狂っている様で元気が出るタイプのオタク」だった。一方で私は今の推しとは約4年前に出逢い、他の友達からも「強火が過ぎて驚く」「推しの話してる時だけ様子がおかしい」「推しをエネルギーにする変換率がおかしい」などと評判の狂人である。
だから、多分私の相変わらずの様子を見て、で、居心地が良くてちょっと長居して、帰っていったんじゃないかと思う。
ちなみに私のこの夏一番の推し活は、『推しをモチーフにアフタヌーンティーを作って、プロのコンテストに出場した』ことである。
そのコンテストはお盆前には既に終わっていたが、彼女はこれを終えての私の様子を見に来たのかもしれない。そして「かぶらちゃん相変わらずヤバいなwwwwww」と笑ってくれていたはずだ。
例え彼女が寂しいからこっちに来てほしい、と言ったとしても、答えは彼女にもわかっているだろう。
「ごめん、推し活あるからまだそっち行けないわ〜〜!!!!」
と私は全力で断ることを。そして私には、彼女はそれで絶対に納得してくれるという確信がある。
私達はそういう友達だった。
大丈夫、いつかはプレゼン資料も感想レポートもオススメの再生リストもアホほど作ってそっちに持っていくので、もう数十年ほど待っていてほしい。