7172 ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)の銘柄分析 2024年6月11日
コード: 7172
銘柄名: ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)
業種・特徴
ジャパンインベストアドバイザー(JIA)は、主に航空機のオペレーティングリース事業を展開している。その他にも、太陽光発電リースや信託、M&A、事業承継支援など、多岐にわたる事業を手掛けている。
総合個人評価
【A-】 ※良い順にSABCDEで評価。
終値
1411円(2024年6月11日)
銘柄サマリー
市場: プライム
時価総額: 約861億円(大中型)
PER: 19.8倍
PBR: 1.34倍
ROE: 6.85%
割安性
PER(過去5年データ)
MAX: 24.1倍
平均: 11.9倍
MIN: 2.3倍
PBR(過去5年データ)
MAX: 1.92倍
平均: 1.01倍
MIN: 0.4倍
平均ROE: 8.48%
割安性評価
過去5年データの比較によると、直近のROEは低下予想のため、やや割高圏にあるように見える。しかし、それは今期予想から割り出されたPERを基にしているからであって、これは直近の業績を考慮していない。1Qで非常に高い業績を出しており、業績を考慮すると割高とは言えない。
財務
時価総額: 約861億円
自己資本比率: 22.6%
キャッシュ: 約374億円
その他流動性資産: 約183億円(投資有価証券)、約28億円(営業投資有価証券)
有利子負債: 約1394億円
営業キャッシュフロー: 約-181億円
財務健全性評価
自己資本比率はやや低いが、業界平均程度である。営業キャッシュフローがマイナスなのは、オペレーションリース業の特性上、商品組成に伴い一時的に大きな支出が発生するため、一概に評価は難しい。
需給
発行株式数: 約6100万株
特定株の割合: 68.6%
特定株以外の株式数(流通株式数): 1915万株
信用貸借区分: 貸借
貸借倍率: 35.2倍
買い残: 181万株(流通株式数の9.45%)
出来高: 32.7万株(流通株式数の1.70%)
■機関投資家の保有
あり
■機関投資家の空売り
直近ではなし。※5月29日 モルガンスタンレー 0.47% 義務消失
需給評価
2024年1月16日を基準日として、ライツ・オファリングによる資金調達を実施した。既存株主に対して新株予約権が1株につき1個無償で割り当てられ、これにより発行株式数は約3020万株増加し、実質的に1対2の株式分割が行われた。
新株予約権1個につき357円の行使代金が発生しており、この資金調達により約103億円を取得している。既存株主にとっては、手数料を払って新株を買う形となり、実質的には既存株主からの資金調達となっている。
新株予約権の発行によって株式数が倍増していることもあり、また個人の買い残も多く、需給は悪化しているように見える。
ただ、200株以上保有していると株主優待が充実しているため、単純に100株しか持っていなかった株主でも、株数を増やして継続保有する人が出てくるだろう。この点から見ても、今回の資金調達の手法は巧妙であると感じる。
業績
決算月: 12月 ※経常利益
2022年12月期 実績: 58.9億円(前期比: 25.4%増)
2023年12月期 実績: 36.6億円(前期比: 37.8%減)
2024年12月期 予想: 63.0億円(前期比: 71.7%増)
※前期 売上対営業利益率: 25.1%
直近四半期の経常利益
1Q: 9.0億円(前期比: 55%減)
2Q: 17.1億円(前期比: 61%減)
3Q: 5.3億円(前期比: 59%減)
4Q: 5.2億円(前期比: 37.8%減)
1Q: 56.7億円(前期比: 529%増)(通期進捗率:90.0%)
業績評価
直近5年間の収益は減少傾向にあったが、今年は増収が見込まれている。実際に1Qでは前期比で529%増、すでに通期の90%の業績を達成している。この結果、業績が急速に回復しており、一気にV字回復が見込まれる。
しかしながら、発行株式数が倍増しているため、EPS(1株当たり利益)も半分になり、単純には喜べない状況である。昨年と同じ水準を維持するためには、最低でも倍以上の経常利益が必要となる。現時点で業績が前期比529%と大きく上回っており、市場環境も良好であることから、上方修正はほぼ確実と見られる。
業績の内容を詳しく見ると、本業も好調であり、為替の影響も大きく営業外利益で約13億円を計上している。このような外部要因も考慮する必要がある。
また、中期経営計画によると、以下のような予想が立てられている。
2023年: 当期純利益23.5億円、EPS 38.5円(実績)
2024年: 当期純利益43.0億円、EPS 70.4円
2025年: 当期純利益105億円、EPS 172円
2026年: 当期純利益250億円、EPS 409円
これらの予想を基にすると、業績が急速に改善し、今後も成長が見込まれる。しかし、発行株式数の倍増という要因を考慮すると、EPSの成長を単純に受け入れるのは難しい。
以上を踏まえ、業績の改善が持続するかどうかに注視する必要がある。
配当
配当方針: 業績連動と安定配当のバランスを考慮
配当性向:
前々期実績: 21.9% (配当: 32円)
前期実績: 41.0% (配当: 32円)
今期予想: 22.5% (配当予想: 16円)
予想利回り: 1.13%
配当評価
現時点では利回りが1%台とかなり低いが、上方修正に伴い増配は濃厚である。中期経営計画では、2025年に配当倍増、2026年に配当性向20%以上となっている。
テクニカル
テクニカル評価
1Qの決算が良かったため、窓を開けてストップ高となり、そこからフラッグの形を形成している。現在、フラッグの中でもみ合っている状況だが、上抜けしそうな形となっており、上抜けすると強い上昇トレンドを形成しそうな形をしている。
総合評価コメント
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