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167A リョーサン菱洋ホールディングスの銘柄分析 2024年12月20日

【銘柄分析】
コード: 167A
銘柄名: リョーサン菱洋ホールディングス
市場: プライム

■業種・特徴
リョーサン菱洋ホールディングス(コード: 167A)は、2024年4月に菱洋エレクトロとリョーサンが経営統合して設立された半導体商社大手である。主な事業として、半導体デバイスの製造・販売やICTテスターの製造を手掛けており、日本全国で事業を展開している。
また菱洋エレクトロは、エヌビディアの正規代理店として長年活動しており、特にGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)関連製品の国内市場での販売を担ってきた。エヌビディアの製品は、AI、ゲーム、データセンター、車載システムなど幅広い分野で需要が高まっており、リョーサン菱洋ホールディングスにとって重要な供給元と考えられる。

■総合個人評価
【B】 ※良い順にSABCDEで評価。

■終値
2243円(2024年12月20日)

■財務
時価総額: 約1211億円【大型株】
自己資本比率: 51.4%
キャッシュ: 457億円
その他流動性資産: 97億円(投資有価証券)
有利子負債: 653億円(短期借入金484億円、長期借入金168億円)
ネットキャッシュ: -99億円
営業キャッシュフロー: -15.7億円
営業キャッシュフロー対有利子負債比率(年): 約-年

【財務健全性評価】
自己資本比率は51.4%と健全性が確保されているが、有利子負債が多く、営業キャッシュフローがマイナスである点がやや懸念材料である。

■割安性
PER: 11.3倍
PBR: 0.69倍
ROE: 6.14%

【割安性評価】
PERとPBRから市場平均より割安感が見られるが、ROEが6.14%と平均的な水準であり、現在の水準は妥当かやや割安。

■需給
発行株式数: 5977万株
特定株の割合: 59.7%
特定株以外の株式数(流通株式数): 2407万株
信用貸借区分: 貸借銘柄
貸借倍率: 9.18倍
買い残: 47.64万株(流通株式数の1.98%)
直近の平均出来高: 45万株(流通株式数の3.7%)
直近の平均売買代金: 10億円

■機関投資家の保有
あり
■機関投資家の空売り
なし

【需給についての評価】
貸借倍率が高く、需給面での偏りが懸念されるが、平均売買代金が多い人気のため、現状は需給面の偏りは気にしなくてもよいレベル。

■業績(経常利益)
決算月: 3月
2025年3月期 実績(第2四半期時点): 売上高1800億円、経常利益33億円(前年同期比なし)
2025年3月期 予想: 売上高3700億円、経常利益70億円、営業利益率: 2.2%

【業績評価】
業績は2025年3月期予想で堅調な推移が見込まれるが、売上高の伸びに対して営業利益率が低い点が課題である。

■配当
配当方針: 安定配当を目指す
今期予想: 70円×2回(140円)
予想利回り: 6.20%
配当性向 70%
※予想EPS 199円

【配当評価】
予想配当利回りが6.20%と高く、安定した配当方針は評価に値する。ただし、配当性向が高いため、今後もその水準を維持できるかは不透明であり、懸念材料である。

■テクニカル
【テクニカル評価】
短期的に安定した価格帯で推移しており、上昇トレンドの兆しは限定的である。今後、業績の上向きが確認できることが鍵となるであろう。

■総合評価コメント
リョーサン菱洋ホールディングスは、2024年4月の経営統合により設立された半導体商社大手である。安定的な配当政策が魅力であり、割安性指標も良好であることから投資対象としての魅力がある。しかしながら、直近で業績予想の下方修正が行われた点は、将来の成長性に対する懸念材料となる。特に営業利益率の低さや需給バランスの偏りが引き続き課題として残る。業績見通しが再度安定を取り戻すまでは、慎重な投資判断が求められるといえる。

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