高配当株とは?長期保有に適した優良銘柄の見つけ方を解説
株式投資を始めたばかりの方の中には、「高配当株」という言葉を目にすることもあるのではないでしょうか。
結論からいうと、高配当株とは年間の配当割合が高い株のことを指します。配当割合が高い株と聞くと、無条件に良さそうなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実は高配当株には注意が必要な点もあります。
本記事では、株式投資を始めたばかりの方に向けて、長期保有できる高配当の優良株の見分け方について、わかりやすく解説します。
高配当株とは
月20万円の配当金で生活できるのか?
高配当株とは、1株当たりの配当金が高い「配当利回りが高い株」のことです。
そもそも配当金とは、株式を発行している会社から出た利益の一部を株主に還元するお金のことで、年に1〜2回に分けて配当金として配られます。なお、配当回数は会社によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
配当利回りは「1株当たりの年間配当金÷現在の株価」で求められ、割合が高いほど、1株当たりに受け取れる配当金額は高いです。
高配当株は配当利回り何%以上と明確に区別されていないものの、一般的には、配当利回りが3〜4%を超えている株が高配当株と認識される傾向にあります。
これから配当金を目的に株式の長期保有を考えている方は、配当利回りを参考に高配当株を見つけてみましょう。
厳選しよう!高配当・優良株の4つの選び方
株の長期保有をする際は、配当利回りが高い株だけを選べば良いというわけではありません。
株を発行している会社の業績や財政状況、将来性を考慮したうえで見極めることが大切です。
【高配当・優良株の選び方】
配当金が安定している銘柄を選ぶ
財政状況が安定している企業を選ぶ
将来性を考えて選ぶ
配当性向や配当利回りで選ぶ
①配当金が安定している銘柄を選ぶ
毎年安定した配当金を出している銘柄は、事業利益が安定している、と考えられます。今後も大きなトラブルがない限りは、安定した配当金を受け取れる可能性が高いでしょう。
配当金が受け取れなくなるリスクを少しでも減らすためにも、高配当・優良株を選ぶ際は、過去の配当金が安定しているかを確認しておいてください。
②財政状況が安定している企業を選ぶ
高配当・優良株を見極める際は、企業の財政状況が安定しているかも確認しておく必要があります。財政状況とは資金の調達状態や運用方法のことで、貸借対照表などで確認が可能です。
貸借対照表には資産に対しての負債額や資本金額などが記載されており、どのように資金を調達したのか、資金をどのように運用しているのかを確認できます。
これから株式投資をするうえで、貸借対照表は会社の財務状況を判断する大切な材料となりますので、見方を覚えておきましょう。
③将来性を考えて選ぶ
株の長期保有を考えている場合は、その会社の将来性を考えて選ぶことも大切です。例えば、その会社がどのような事業で収益を上げているのか、世の中の流れについていけるのかなどを確認してみおきましょう。
2023年時点では、半導体不足やAI技術の発展などから、これらの事業を展開している会社の株式が人気を集めています。
また、海外への事業展開をしているかも、将来性があるかを確かめる要素の1つです。海外に事業を拡大することで顧客を増やせたり、事業リスクの分散につながったりします。
株の長期保有はその会社に長い間、資金を投資することですので、将来性のある会社を見極めることが大切なのです。
④配当性向や配当利回りで選ぶ
前述したとおり、配当利回りは1株に対する1年間の配当割合のことで、値が3〜4%以上で高配当株と判断される傾向にあります。
一方で、配当性向とは「1株当たりの配当÷1株当たりの当期純利益」で求められ、純利益に対して会社側がどの程度のお金を配当金として配っているかを示す割合のことです。そして、配当性向の割合が高いほど、配当金に回している純利益が多いと言えます。
そのため、配当性向が100%であれば、当期純利益のすべてを配当に回しているということです。
事業拡大をするうえで、会社の成長のために利益を事業投資に回す必要があります。そのため、配当性向が30〜50%ほどの企業を選ぶと、今後の成長にも期待できる株式だと言えるでしょう。
高配当株が「やめとけ」と言われる理由
インターネットなどで高配当株について探していると、中には「やめとけ」と言われている場合もあります。こちらでは、高配当株がおすすめされない理由について紹介します。
【高配当株が「やめとけ」と言われる理由】
減配される可能性があるから
株価上昇による利益が得られにくいから
安定した配当金を受け取るには高額な元手が必要だから
減配される可能性があるから
高配当株は減配される可能性があります。というのも、配当金は、企業の業績によって変動するからです。現在は高配当株だとしても、会社の業績が悪化することで減配されてしまう可能性はあります。
減配される可能性を少しでも減らすためにも、先ほど紹介した会社の財政状況や将来性をしっかりと確認しておくことが大切です。
株価上昇による利益が得られにくいから
高配当株は、株価の上昇による利益が得られにくい特徴があります。なぜなら、高配当株はすでに成熟しているケースがほとんどだからです。成熟企業の株価は、今後大きく上昇する可能性は低いと言えます。
長期保有の目的が配当金や株主優待などを目的としている場合は気にする必要はありません。しかし、キャピタルゲインも考えているなら、違う視点で投資先を厳選することも視野に入れましょう。
安定した配当金を受け取るには高額な元手が必要だから
株式の長期保有で配当金のみで生活するには、高額な元手が必要です。例えば、月に20万円の配当金を受け取りたいと考えた場合、数千万単位で株式を購入する必要があります。
そのため、少額の資産で株式の長期保有を考えているのであれば、高配当株よりも成長株を厳選することで、より大きな利益を狙える投資ができます。
初心者は高配当株の長期保有はやめとくべき?
長谷工コーポレーションの将来性を探る:目標株価は?
結論からいうと、初心者でも高配当株の長期保有は問題ありません。なぜなら、長期保有にすることで、配当金や株主優待などの恩恵を受けられることや、感情的な投資を防げるからです。
例えば、短期保有の場合、初心者のうちは負けたときに「取り返したい」という気持ちが出てしまい、投資ルールに反した感情的な投資をしてしまう可能性があります。
そのため、長期的な保有は初心者にありがちな投資リスクを減らせる投資方法だと言えるでしょう。ただし、長期保有でも自身で決めた投資ルールにしたがって、日々の株価の動きを気にしすぎないことが大切です。
高配当・優良株を長期保有する場合は注意点を理解しておこう
今回は、高配当・優良株の選び方や、ネットで高配当株が「やめとけ」と言われる理由などを詳しく解説しました。
結論としては、高配当・優良株の長期保有は、初心者でもできるおすすめの投資手段です。
株式を長期保有することで、日中は気にせず仕事ができたり、配当金や株主優待などの恩恵を受けられたりします。そのため、これから株式の長期保有を考えている方は、本記事で紹介した高配当・優良株の選び方を参考に、自分が投資してみたい銘柄を見つけてみてください。