[書き起こし・要約]ブロードエンタープライズ(4415) IRセミナー・質疑応答 2024.3.28開催
2024.3.28に開催しましたブロードエンタープライズ(4415)のIRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
登壇者名 常務取締役 経営企画室長 畑江一生 氏
登壇者名 取締役 経理部長渡邊 宗義 氏
IRセミナー
株式会社ブロードエンタープライズの畑江です。本日は遅い時間にもかかわらず、当社の説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。初め
て当社のことを知っていただく方もいらっしゃると思いますので、できる限り分かりやすく丁寧に説明させていただきます。
1.会社概要
当社は2000年12月に設立し、今年で24期目を迎えております。2021年12月に東証グロース市場に上場しました。当社のミッションはマンションオーナー様のキャッシュフロー最大化に貢献することです。賃貸マンションの既築物件における空室問題の解決を図るため、物件やお部屋のバリューアップに貢献する様々なサービスを取り揃えております。
主なサービスとしては、B-CUBICという無料インターネットサービス、BRO-LOCKというIoTインターフォンを導入してオートロック化するサービス、BRO-ROOMというお部屋のリノベーションサービスがあります。
当社は2003年にNTT西日本のフレッツ光の販売代理店として事業を開始しました。2005年には、20世帯以下物件への光ファイバー導入のハードルが高いという課題があったため、オーナー様が回線料金を負担し、入居者様に無料でインターネットを提供するB-CUBICサービスを開始しました。
2019年には、物件の差別化に重要なオートロック化を実現するBRO-LOCKサービスを開始。2023年には、お風呂とトイレが一緒の物件など決まりにくい物件のリノベーションを行うBRO-ROOMサービスを開始し、オーナー様の空室対策に貢献しております。
株式会社ブロードエンタープライズは、賃貸マンションの既築市場をメインターゲットとして事業を展開しております。もちろん、新築物件や分譲物件にも対応しておりますが、当社の主軸は賃貸の既築市場となります。
賃貸の既築市場では、空室問題が大きな課題として浮上しております。新築物件については、大手ハウスメーカーを含めて着工が進んでいる一方で、日本の人口は減少傾向にあるため、供給と需要のギャップが生じているのです。既築市場では、空室率が約20%にまで増加しており、マンションオーナー様の家賃収入が減少し、キャッシュフローが悪化していることがわかります。この悪循環により、リフォームなどの空室対策を講じたくても、現金が不足していたり、余剰資金がなくなっていたりという状況が発生しているのです。
空室対策を効果的に進めるためには、入居者様が求めるお部屋づくりが重要だと考えられます。入居者様が求める設備ランキングを見てみると、インターネットやオートロックなどの設備が上位に挙げられています。反対に、3点ユニット(お風呂とトイレが一緒になったタイプの部屋)や洗濯機置き場が外にあるなどの物件は敬遠される傾向にあります。このような物件については、リノベーションを行うことで、入居率や家賃を上げていくことが求められるでしょう。
当社の強みは、何と言っても初期導入費用0円プランにあります。インターネット、インターフォン、リノベーションなどの設備を導入する際、初期費用がかかってしまうケースが多くあります。オーナー様としては、自己資金やローン、リースで対応する必要がありますが、手元資金が不足していたり、銀行からの借入が難しかったりと、なかなか踏み切れないという状況があるのです。
そこで当社は、債権流動化という仕組みを用いることで、オーナー様には毎月のお支払いで済むようにしています。具体的には、当社が導入費用相当の売上債権を金融機関に売却し、金融機関はその売上債権を投資商品として販売するのです。この仕組みを活用することで、当社はキャッシュを生み出すことができるというわけです。
B-CUBICサービスは、面倒な手続きを一切必要とせず、入居者様が入居初日からインターネットを使えるようにするサービスです。昨年度からは、B-CUBIC Nextというプランを新たに発表しました。
B-CUBIC Nextの特徴は、オーナー様との契約期間の縛りをなくし、サービス提供期間を設けていないという点です。オーナー様からいただく費用は変わらないものの、当社の売上形態がストック型からフロー型に変更されます。これにより、当社としては毎月のフロー売上で成長を図ることができるようになり、オーナー様にとっては縛りがないため心理的ハードルが下がるというメリットがあるのです。
BRO-LOCKサービスは、マンションのエントランスをオートロック化するためのインターフォンシステムです。当社のシステムは、インターネットに接続することで配線が不要となっているため、大手メーカーとの差別化が図れるようになっています。スマートフォンで応答ができるため、外出先でもインターフォンに対応することが可能です。
BRO-ROOMサービスは、IoTデバイスを活用したリノベーションサービスです。通常のリノベーションに加えて、赤外線リモコンやスマートホームアプリで動作するデバイスを導入することで、入居者様の利便性を高めることを目的としています。このサービスの大きなポイントは、リノベーション費用も初期導入費用0円で行っているという点です。業界でも珍しいサービスとなっており、オーナー様からも好評をいただいております。
この画期的なサービスは、市場でも珍しい取り組みとなっています。管理会社がオーナー様の家賃送金を3、4ヶ月止めて、リノベーション費用に充てるといった事例はありますが、リノベーションできる費用に限りがあるという課題があります。当社は債権流動化を活用することで、この課題を解決し、オーナー様からも好評をいただいているサービスとなっております。
BRO-ROOMは、2022年第4四半期にテストマーケティングを開始し、72室の申し込みをいただきました。その後、PDCAサイクルを回しながら改善を重ね、2023年第3四半期から本格的にサービス提供を開始しております。
当社はこれからも、オーナー様と入居者様双方のニーズに真摯に向き合い、賃貸の既築市場における空室問題の解決に尽力してまいります。高品質なサービスの提供を通じて、オーナー様の収益最大化と入居者様の満足度向上を実現し、業界の発展に貢献できるよう、より一層の努力を重ねる所存です。
当社の収益モデルは、BRO-LOCKやBRO-ROOM、B-CUBIC Nextの工事部分などのフロー型と、B-CUBICやB-CUBIC Nextの月額費用などのストック型の両軸で構成されています。
当社の営業体制は、直販部隊と代理店様で構成されています。
特に管理会社様は、オーナー様へのサービス提案において重要なパートナーとなっており、現在全国で876社と提携しております。
また、販売代理店様についても、昨年度は34社増えて累計59社となっており、今年度は20社以上の新規開拓を目標に活動しております。
2.2023年12月期通期決算概要
2023年12月期の決算では、売上高が過去最高を更新し、8期連続の増収となりました。各段階利益も全て達成しましたが、BRO-ROOMの工期のずれにより、売上高は予想を1.9%下回る結果となりました。
当社の売上高CAGRは、2020年から2023年で35.5%と高い成長率を維持しております。
3.成長戦略・中期経営計画
当社は先日、新たな成長戦略を発表いたしました。既存事業の成長、新規事業の創出、新規領域への挑戦を行うことで、時価総額を現在の8倍となる280億円を目指してまいります。2024年から2026年までの売上高成長率は25%、経常利益成長率は40%以上を目標に掲げております。
この目標達成に向けて、経営陣へのストックオプション付与によるコミットメントを表明しております。2027年までに2期合計で経常利益25億円を達成することが行使条件であり、未達成の場合はストックオプションが無効になります。
目標達成のための施策としては、AIシステムの活用と販売代理店の増加による受注の加速と売上高の拡大を図ってまいります。
AIシステムは、物件データを分析し、設備投資の効果を予測することで、当社サービスの提案力を高めることを目的としています。
将来的には、このAIシステムを活用したオーナー様向けのプラットフォーム構築も視野に入れております。
また、M&A戦略についても積極的に推進してまいります。同業他社との提携による売上の加速や、不動産テック企業との連携による利便性の向上などを目指しております。
財務面では、2026年に自己資本比率25%以上を目標としております。
株主還元については、税引後当期純利益5億円達成後に配当性向20%での配当実施を計画しております。
代表の中西からは、「投資家の皆様は利益を得るために投資をする。利益の成長に主眼を置き、投資して良かったと思っていただけるよう、業績向上が何よりのIRだと考えている。」とのメッセージをいただいております。当社は4年後のプライム市場上場を目指しておりますので、中長期での支援をお願い申し上げます。
また、当社はIR活動にも力を入れており、LINE公式アカウントやYouTubeチャンネルなどを通じて、積極的な情報発信を行ってまいります。
本日は少し早口になってしまったかもしれませんが、以上で当社の説明を終了させていただきます。
質疑応答
Q. 前年の決算資料によると、販管費は採用人数や外注費を抑えたことにより上昇を抑制したとのことですが、採用人数や外注費を抑えることで、今後のサービス提供に影響が出るのではないでしょうか。
A. 採用人数を抑えることで固定費を抑制しておりますが、その分、販売代理店の獲得に力を入れております。自社だけでなく、販売代理店の皆様にも販売していただく仕組みを構築しておりますので、成長が鈍化することはないと考えております。
Q. 販売代理店を管理する職員の数は、今のところ問題ないとお考えでしょうか。
A. 問題ありません。
Q. AIシステムとは具体的にどのようなサービスなのでしょうか。AIシステムを導入することで、現在のシステムとどのような違いが生まれるのでしょうか。
A. 例えば、ある駅の周辺には何十棟、何百棟ものマンションがあります。マンションオーナー様は自分の物件に入居者を確保し、収益を上げることを目指しますが、ライバルは周辺の物件になります。
同じような間取り、築年数、家賃相場の物件でも、オートロックの有無によって家賃が約5,000円程度変わってくるという当社の統計があります。しかし、オートロック化によって家賃をどの程度上げられるかを判断するのは難しいのが現状です。
今回開発するAIシステムでは、周辺の類似物件のデータを大量に収集し、(オートロック設備を例にすれば)対象物件をオートロック化した場合の家賃上昇幅をシミュレーションします。これにより、オーナー様が当社のサービスを選択しやすくなります。
また、このAIシステムを不動産会社経由だけでなく、ウェブサイト上で直接オーナー様にアプローチするなど、マーケティングにも活用していく予定です。
Q. 有利子負債の依存度が高いことがリスク要因の一つとして挙げられていますが、今後、財務健全性の維持・向上のために、どのような取り組みを行っていく予定ですか。
A. 現在も財務健全性の維持・向上に取り組んでおりますが、債権流動化の実行が最大の解決策だと考えております。流動化を確実に行うために、流動化先を増やし、安定的に実施することが重要です。また、適正な水準に持っていくことを目指しております。そのために、現在も複数の金融機関と検討を進めているところです。
Q. 現在、BRO-ROOMは月にどれくらいの件数まで工事可能なのでしょうか。
A. リノベーションの内容や物件のタイプ(シングルタイプかファミリータイプか)によって工期が変わってくるため、一概に件数をお伝えすることは難しいです。全てシングルタイプであれば件数は増えますが、ファミリータイプで間取りを全て変更するようなケースでは、工期が伸びるため一気に詰め込むことは難しくなります。ただ、販売やリフォームの協力会社が増えれば、当社の対応可能件数も増えていきます。BRO-ROOMはまだリリースして間もないため、限界がどこまでなのかは現時点では図り切れておりません。昨年度、工事の期間が長くなったことが課題の一つでした。工事件数というよりも、1ヶ月で予定した工期が少し伸びるリスクがあると考えています。
Q. 受注状況はいかがでしょうか。計画通り、計画を上回る、もしくは下回るなど、まだ公表できないところもあると思いますが、ざっくりとした感触をご教示ください。
A. 3月末が第1四半期の締めになっており、なかなかお伝えすることがが難しい状況です。全員一丸となって頑張っているというところしかお伝えできません。
Q. BRO-ROOMの受注高を開示することは可能になりそうでしょうか。可能になる場合、いつ頃から開示を始めるのでしょうか。
A. 受注高の開示に関しては、説明会等でご要望をいただいております。どのタイミングでどのように開示するのか、そもそも開示ができるのかというのを現在検討中です。もし開示が可能な状況になれば、その際にはお知らせいたします。
Q. BRO-ROOMの1部屋にかけるコストの上限・下限は決められているのでしょうか。オーナー様側に、最小限の小さなリフォームのみというケースはあるのでしょうか。
A. 下限に関しては決められております。例えば、原状回復と呼ばれる範囲の工事に関しては、当社のBRO-ROOMサービスは利用できません。上限に関しては、募集家賃を超えるようなコストをかけることは本来あるべきではないため、上限を設けています。
Q. IR活動でどのようなことを心がけて行動されていらっしゃるのか、参考までに何点か教えてください。
A. 代表の考えにもあるように、業績向上が何よりのIR活動だと考えています。それに加え、当社の認知度を高めるための活動も重要だと考えており、今後も力を入れていきたいと思います。また、いただいた質問への回答は、できる限り100%お答えするよう心がけております。対話を大切にし、分かりやすい説明を心がけながら、認知度向上とご理解を深めていただくようなIR活動を行っていきたいと考えております。
Q. 現在、売掛債権のどの程度の割合を流動化可能なのでしょうか。
A. 現在、売掛債権の約9割が流動化可能となっています。これまでBRO-LOCKやBRO-ROOMなど、10年ものの債権に関しては流動化ができず、売掛金として溜まってきておりました。しかし、明日(2024/3/29)にはBRO-ROOMの流動化が可能となる予定です。残りの1割程度は、昔に契約を行った債権等で、流動化の対象外となっております。
Q. 株主優待としてクオカードを提供されていらっしゃいますが、クオカードは使いづらいです。PayPayやAmazonPayなどにはなりませんか。それが無理でしたら、少額でも配当にしていただいたほうがいいのでしょうか。
A. 配当に関しては、当期純利益5億円達成後に配当性向20%での実施を計画しております。PayPayやAmazonPayへの変更が実務的に可能であれば、一度検討させていただきたいと思います。様々なご意見があることは認識しておりますので、いただいたご意見として受け止めさせていただきます。
Q. 取引管理会社数を急速に上げることは、業績を急拡大させるための重要なポイントかと思いますが、何か急速に伸ばすための方法論はありますでしょうか。
A. 取引管理会社数を増やすことも重要なポイントではありますが、既存の管理会社様との取引をしっかりと伸ばしていくことも、業績拡大には欠かせません。876社いらっしゃる管理会社様の管理物件を、当社ですべて対応できているわけではないので、そこを深掘りしていくことが重要だと考えています。
Q. 建設業界では2024年問題があり、工事がしたくてもスケジューリングがうまくいかない、人手が足りないといった話があります。大工さんが足りずにBRO-ROOMを受注できても、工事完了までに予定の時間がかかってしまうリスクは、これからも生まれてしまうのでしょうか。
A. 現状ではそのようなリスクはありませんが、ゼロとは言い切れません。施工会社様の開拓は引き続き行っていく必要があります。昨年度、工期がずれ込んだ理由の一つとして、現地調査時には把握できなかった古い配管などが実際の工事で発見され、想定外の工事が必要になったことがあります。そういった工期のずれ込みや、大工さんの人手不足問題に加え、部材の納品遅れなども懸念材料として注視していきたいと思います。
Q. AIシステムは、それができるAIベンチャーをM&Aする形で進めるのでしょうか。そういった動きは何か捉えていますか。
A. 外注先とのリレーションや、M&Aという観点からも様々な角度で順次動いております。打ち合わせ等も踏まえ、いろいろな動きをさせていただいている状態です。
Q. 債権流動化は金利の影響を受けると思われますが、仮に日銀の金融政策の変更によって金利上昇が早まった時の対応は考えているのでしょうか。10年先を織り込んで運用する難しさを感じています。
A. ご質問の通り、債権流動化は金利の影響を受けます。急激な金利上昇があった場合には、速やかに販売価格に反映させることを考えております。
オーナー様が弊社のサービスを利用する際の支払い方法としては、借り入れ、リース、弊社のイニシャルゼロプランの3つの選択肢があります。借り入れやリースの場合、金利相場の影響をすぐに受けるため、弊社のイニシャルゼロプランの価格にも金利上昇分を速やかに反映できると考えております。
債権を売却した後は金利上昇の影響を受けないため、弊社のリスクとしては、売却から流動化までの最長1年程度の期間における金利上昇になると考えています。
Q. URと無印良品が現在コラボしていますが、御社はBRO-ROOMと大手とのコラボを検討されているのでしょうか。
A. もちろん、いろいろな提携は検討しております。具体的な形が決まりましたら、改めてリリースさせていただきます。
Q. 御社は株主還元についても株主目線で対応するとおっしゃっていましたが、株主と対面できる唯一の機会である株主総会が平日に開催されているのはどうなのでしょうか。参加したくてもできない株主の方もいらっしゃると思います。
A. 株主の皆様に来ていただきたくないという意図はありません。土日開催につきましては、来年度以降の検討材料とさせていただきたいと思います。いただいたご意見は真摯に受け止めます。
Q. 前回の説明会で中期経営計画の説明不足により株価が下落したにもかかわらず、お詫びがなかったのではないでしょうか。御社は丁寧なIR活動を目指すのか、予算達成だけを重んじるのか。もう少し良いIRの仕方があるのではないかと思います。
A. 中期経営計画の説明不足につきまして、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。説明会以降にいただいたご質問を踏まえ、中期経営計画の補足資料とQ&A形式の解説動画を当社IRチャンネルにて公開しております。
IRに関する考え方は先ほどご説明した通りですが、当社にはまだ未熟な部分があり、誤解を与えてしまったことについて反省しております。今後は、修正や補足の開示を速やかに行い、少しでもご理解いただけるよう努めてまいります。また、情報の非対称性をできる限りなくし、可能な限りの情報開示を行っていきたいと考えております。引き続きご判断いただければ幸いです。
Q. 債権流動化とはどのようなものなのでしょうか。仕組みやメリット、リスクなど、基礎的な部分を教えてください。
A. 債権流動化は別名ファクタリングとも呼ばれます。弊社のサービス工事代金として、例えば120万円かかる場合、本来はオーナー様から一括でいただくべきですが、弊社の初期ゼロプランでは、120回の月1万円ずつの返済でお支払いいただけるようにしています。
ただ、そうすると弊社の資金繰りが厳しくなるため、この毎月1万円を10年間回収する権利を金融機関に売却し、120万円を金融機関から入金していただきます。実際には少し割引されて、例えば110万円で入金されます。
このように債権流動化を行うことで、弊社は資金繰りを賄っています。メリットとしては、10年間の回収リスクがなくなることですが、デメリットとしては、流動化のコストがかかることです。
Q. BRO-ROOMについて、テストマーケティングが成功して事業化したとありますが、成功の定義は何でしょうか。収益性、需要やニーズ、その他のKPIなど、可能な範囲で参考にしていただきたいです。
A. 記載いただいている収益性とお客様からの需要・ニーズは、非常に重要な点です。また、販売しやすさも販売代理店の成果につながりますので、マーケティングと販売方法がポイントになると考えております。
Q. BRO-ROOMの件数は今後伸びていくと思いますが、件数を伸ばす上で重要なポイントはどのようなことでしょうか。建物の構造的な問題、顧客の予算、認知度の低さなど、いろいろあると思います。
A. 件数を伸ばす上で現時点で重要なことは、販売代理店を増やし、BRO-ROOMという商品を知っていただくことです。対象となるお客様ですが、そもそも現金に余裕があり、銀行借り入れも気にしない方というのは対象ではありません。、収入はあるが現金は抑えて使いたい方や、投資物件を買い続けたいがリフォーム資金に銀行借り入れを使うと次の物件が買えなくなる方など、ファイナンスに悩んでいる方をいかに多く見つけられるかが重要だと感じています。
Q. BRO-ROOMの同業他社はどれくらいいるのでしょうか。それとも比較対象があまりいなくて、ブロードさんにお願いしたいという方が多いのでしょうか。
A. 債権流動化を使った初期ゼロのリノベーションを行う企業はほとんどいません。管理会社が独自にゼロリフォームプランを提供している例はありますが、それは管理会社自身の預金や、オーナー様の家賃を3〜4ヶ月止めて資金を用意するパターンです。ただ、それでは管理物件全てに対応できません。
当社の債権流動化を活用したBRO-ROOMプランは、今の中では他に類を見ないプランであり、ニーズが非常に高まっています。
Q. 時価総額8倍を達成するため、発明家中西社長のアイデアで、今後発表する予定は何件くらいありそうですか。
A. 事業化するかどうかは置いておいて、アイデアとしては数多くあるとしか言えないですね。
Q. 前回の説明会後の株価下落を受けて、IR担当から株主様にヒアリングをされていたと思います。素晴らしいと思います。今後のIR戦略や株式市場への発信などを変更される予定はありますか。例えば、今日の説明会の説明内容を変更されたりしたのでしょうか。
A. 一つは、今回、中期経営計画の補足資料を追加で開示させていただきました。もう一つ、これまで中西のYouTubeチャンネルでは、当社の雰囲気や社員の様子などを伝えるために、幅広い方向けの内容を発信していました。しかし、当社としてIRに特化したYouTubeチャンネルを新たに作成し、資料だけでは伝えきれなかった点などを補足していきたいと考えております。これは、IR活動の一環として開始したものです。
Q. AIの発達は著しいと思いますが、AIにも限界があるのではないでしょうか。例えば、10年後の家賃を推測することは無理だと思います。熊本の半導体工場ができたことで住宅需要が生まれていますが、10年前にTSMCが熊本に進出することを予測できた人はいないでしょう。AIでどの程度の精度で予測できるのでしょうか。
A. もちろん、大手企業の倒産や半導体工場の進出など、今から予測できないことは数多くあると思います。ただ、このAIシステムによるシミュレーションでは、人口分布などのデータから導き出していくことを考えています。
現時点では精度をどの程度まで高められるかは明言できませんが、あくまで現状家賃が継続した場合にどのような状況になるかを予測するシミュレーションを目指しています。
Q. 熊本の工場進出のような非連続的な出来事はごくわずかで、大半は10年前と連続した形で推移すると考えていいのでしょうか。それとも、思った以上に非連続的な現実が世の中で起きていると考えるべきでしょうか。
A. 難しい問題ですね。例えば名古屋では、トヨタの影響が非常に大きいので、そういった影響が出るだろうと考えられます。ただ、そのような出来事がどの程度の頻度で起こるのかというと、そこまで頻繁ではないでしょう。結局のところ、土地によって状況は変わってくるのだと思います。
Q. 債権の格付けについて質問です。電話債権と御社の債権では、どちらの評価・格付けが高いのでしょうか。評価の違いは年数によるものなのでしょうか。
A. 弊社の債権はシングルAという格付けを取得しています。電話債権の格付けがどの程度なのかは把握していませんが、仮に電話債権がAAAやAの数が多ければ、そちらの格付けが高いということになります。
格付けのポイントは2点あると考えています。1点目は貸し倒れ実績率が低いかどうか、2点目はリスクが分散されているかどうかです。債権の年数が長いほど貸し倒れリスクは高まるため、評価に影響します。
また、弊社では1つの債権だけでなく、1,000件〜2,000件の債権をまとめて売却しているため、一部の貸し倒れが全体に与える影響は小さくなります。このように、貸し倒れリスクと分散の2点が格付けの重要なポイントになると考えております。
Q. BRO-ROOM事業について、思ったほど案件が取れていないように思いますが、これは何が原因なのでしょうか。質問者の肌感覚では、もっと急激な成長を期待していたのだと思います。
A. ご期待いただいている件数に近づけるよう、頑張っていきたいと思います。
Q. ブロードエンタープライズ様には、B-CUBIC、BRO-LOCK、BRO-ROOMなどのサービスがありますが、営業の際には、まとめて営業するのでしょうか。それとも、特定のサービスに重点を置いて販売していくのでしょうか。
A. お客様は管理会社様もオーナー様も一人ですので、そのお客様の物件に合わせて、B-CUBICを提案すべきなのか、BRO-LOCKを提案すべきなのか、BRO-ROOMを提案すべきなのかを判断します。お客様のニーズや物件の状況に合わせて、最適なご提案をするというイメージですね。
Q. 複数の商品が一気に決まるようなケースはあまりないのでしょうか。
A. そういったケースもあります。
Q. 現在、テストマーケティングしている製品はございますか。
A. 市場からのいろいろなニーズをいただいていますので、それに対する検証や準備は、様々な形で進めております。
Q. 株主総会を毎年バーチャル、平日、土日でローテーションすることは、制度上可能なのでしょうか。参加者の多様化も図れるかもしれないと思い、質問しました。
A. 今回の株主総会でバーチャルオンリーの総会を開くことが可能になるよう、定款変更しました。今後はバーチャルだけの総会を開催することも選択肢として増えております。ご質問の件ですが、バーチャル、平日、土日、すべて制度上可能となっております。ご提案の通り、多様化は面白いと思いますので、検討した上で最適な形で総会を開催したいと考えております。
Q. 空室対策に苦戦している地方自治体に対して、BRO-ROOMの営業などは考えていらっしゃいますか。
A. 自治体さんだけでなく、住宅供給公社などとも様々なお話をさせていただいています。例えば横浜や広島などの地方公社とのお話もありますので、随時ご縁を作っていけたらと思っています。
Q. そういったご縁は、ブロードエンタープライズ様から声をかけていくものなのでしょうか。
A. 公社や自治体は管理会社などでつながりがあることも多いので、そこからご紹介いただくこともあります。あとはウェブからの問い合わせもありましたね。様々な経路で問い合わせをいただくことがあります。
Q. 直近の債権流動化は3月と11月ですが、債権流動化の時期は決められているのでしょうか。
A. 債権流動化の時期は11月、12月頃と考えております。決算に乗ってくる売掛金と借入金をできる限り小さくするためには、期末時点で行った方が効果的だと考えているためです。
Q. 今回行った債権流動化において、受託者が書かれていないのはどのような理由でしょうか。
A. 債権流動化は弊社にとって非常にコアな部分であり、あえて書かないようにしております。開示できることとできないことがありますね。
Q. BRO-ROOMの導入数は、やはり第4四半期の方が多いのでしょうか。B-CUBICなどと同様に、第4四半期が一番多くなる想定なのでしょうか。それとも、これからコンスタントに右肩上がりで導入数が増えていくと想定しているのでしょうか。
A. BRO-ROOMに関しては、第4四半期に偏るというイメージは現時点ではありません。第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期と徐々に上がっていく想定はしております。
最後に、投資家の皆様にメッセージをお願いします。
A. 当社の説明会にご参加いただき、様々なご意見をいただきまして、誠にありがとうございます。当社はまだまだ未熟な部分もありますが、IR活動をしっかりと行い、株主の皆様や投資家の皆様により当社を知っていただき、ご理解を深めていただけるよう努めてまいります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。