見出し画像

IR活動においての「講演型」と「対話型」を考える。


前回のnoteで私は内輪受けになってしまっては魅力が薄れるのでないか。と書きましたが、

こちらです↓

よくよく考えたら、側から見れば私もその一人ではないかと思いました。趣味ながら IRセミナーを運営していますと、IR担当者と連絡する事が多々ありますし、その過程でIR担当者が魅力的なのもとてもよく知っているつもりです。(先に言いますが、やましいことは一切ないのですが、自分が登壇予定企業は一切投資しないようにしています。) 実際、人間関係ができると批判はしにくくなるものですよね。。。そこを目を瞑ってIR担当者が書きにくい事を書きます。

今回の事を公開することがいいかどうかは迷う所ではあるのですが、IRマガジンがより良い発展のためにこの事象を共有してみようと思いました。厳しい事を書いてるところもありますが間違っても何かを責めたいと言う意志は一切ございません。

それは何かといいますと、(少し遅くなりましたが)アピリッツの永山CFOのノートを読んだときに違和感を感じたのです。

https://note.com/torunagayama/n/n566812b143b8

このnoteには株価との関係でこう書かれています、以下引用。

決算発表後の株価推移を見て……
今回は発表前日は1,244円でしたが、発表翌日には1,059円と一気に下落。下げ止まらず一時期1,000円を割る結果になっています。
ここ何回かの決算発表では発表前に株価が期待によって上昇し、発表後に悪い材料がなくても期待値を超えずに下がるを繰り返していましたが、今回も同様でした。
もちろん、さまざまな要因はあれど、これが市場の評価ですし、真摯に受け止めるしかないです。
増収増益はしていますが、そもそも業績予想どおりですからサプライズなし。業績予想も、四季報予想(ちなみに、ご取材頂いて書かれた予想ではありません……。四季報さま、ご連絡お待ちしております!)に対して売上は上回りましたが、利益ベースでは下回っているので、来期ガイダンスも弱いと受け取られた結果だと思っています。
2021年2月の上場以来、増収増益を達成してきましたが、やはり未来の成長性がないと思われているのだと痛感しています。悔しいですが『悪くない』では市場は当然評価されないです。
今後は、オーガニック成長+成長戦略の一環であるM&Aを行ってトラックレコードを残し、事業規模を更にもう一段上げることを繰り返していこうと思います。

【アピリッツ】2023年1月期通期決算と2024年1月期業績予想に関する「質疑応答集」出しました(あと株価に関する感想も少し)より

これを読みます、と、悪いことはないのにもかかわらず、株価が大きく下がったような印象を受けます、確かに、アピリッツの株価は期待で上がり決算発表で下がってしまう事象、というのが、多々発生いたします。ただ今回は少し違うのではないかと思っているのです、なぜなら同じ日に特別損失が発生しているからです。

特別損失の計上に関するお知らせ(388KB)

今回のnoteには特別損失の文字はありませんでした。。。

確かに、特損で減損するだけでお金が減るわけではなく、来期ののれんの負担が無くなるのもプラスです。ただし、「予想以上に売上を上げられていない」のは事実であり、それが説明にないのは何かおかしいのではないかと思います。今回の金額が影響が少ないとしても、他の買取したゲームも稼げない可能性が出てくることを考えると、ゲーム事業が本当に将来うまく軌道に乗るのかどうかという心配があるのです。

私は、noteを読んでいて、もったいないなと感じました。同じ内容であっても、最初に減損の部分を明確に示し、その理由や今後の展開をしっかり説明することで、投資家として納得できるところが出てくると思います。しかし、説明がないとマイナスはマイナスのままです。

今回の株価下落には、間違いなく減損の影響があると考えています。アピリッツは個人投資家の売買が多いため、それが投資家の判断に大きく影響していると思っています。IRマガジンに参加している企業のnoteでは、「投資家に発信したい」という話をよく聞きます。伝え方には「講演型」「会話型」の二種類があると考えています。会話を通じて個人投資家が知りたいことに答えることが大切だと思います。もちろん、講演で思いを訴えることが必要ですが、悪いトピックこそ会話型が重要だと思います。

蛇足ですが、私がIR セミナー(Kabu Berry Lab)で大切にしていきたいのは、講演ではなく対話です。なので質疑応答時間をかなり長くとっています。

補足になりますが、株価がどうなるかはさっぱりわかりませんが、アピリッツの評価が低いと考える気持ちも察することができます。Webソリューションズ事業の売上は28億円、セグメント利益は8.3億円(売上30%成長)であり、もちろん調整額が気になりますが、現在の時価総額40億円はもしWebソリューションズ事業だけで上場していたら場合、異なる評価になるのではないかと考えています。

とはいえ、投資家の関心ごとに真正面から向き合うことで、双方にとって誤解が生じず、より良いIR活動になるのではないかと思います。

さいごに

このnoteの公開を承諾していただきましたアピリッツの永山さんに、心より感謝いたします。