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S&P500採用銘柄は本当に強い?「S&P採用前後」の株価パターン
こんにちは、株オタです!
今日は「S&P500に新しく採用された銘柄は、実際どんなパフォーマンスを見せるの?」というテーマでお話ししたいと思います。
過去5年間にS&P500に採用された銘柄の実績を参考に、「採用前後で株価がどう動いているのか」や「実践する際のポイント」などをまとめてみました。さらに、今後S&P500への採用が噂されている銘柄についてもご紹介していきます。
S&P500の採用基準
S&P500を運営するS&P Dow Jones Indicesは、定期的に構成銘柄を入れ替えます。よく取り上げられる数値要件や条件は以下のとおりですが、満たせば即採用されるわけではなく、最終的には選定委員会の裁量が入る点に注意しましょう。
本社所在地が米国内であること
時価総額が205億ドル以上(2025年現在)
直近の四半期および直近4四半期の合計が黒字(経常利益ベース)
浮動株が50%以上
ただ、数値基準をすべて満たしても、セクターバランスや将来的な見通しなどを総合的に判断して見送られるケースもあります。
たとえば情報技術セクターのウェイトが既に高い場合、他セクターの銘柄が優先されるといった調整が行われることも。
S&P500採用銘柄のパフォーマンスが注目される理由
インデックスファンド・ETFからの買い需要
S&P500に新たに採用される企業は、自動的にS&P500連動型ETFやファンドに組み入れられることになります。その結果、多くの投資家から一斉に買われやすく、短期的に株価が上昇するケースがあります。採用直後の急騰と調整
発表直後に株価が急騰したかと思えば、採用が実施されたタイミングで利益確定売りに押され、一時的に株価が下落する「出尽くし」パターンもよく見られます。“採用がゴール”とは限らない
採用後1年ほど経過すると、思惑買いがなくなった分だけ伸び悩むことも。採用されたからといって必ず好調を維持するわけではないため、長期視点での企業分析が重要です。
1年“前後”がポイント! 具体的なパフォーマンス傾向
採用前にすでに株価が上昇している例
テスラ(Tesla, Inc.)2020年12月採用
採用前から「電気自動車(EV)ブーム」や好調な業績を背景に、1年で株価が数倍に跳ね上がる爆発的な上昇を記録。
採用決定が報じられた2020年11月には、時間外取引で一気に株価が10%以上急騰したことも有名です。
このように、S&P500採用が正式に発表される前の数ヶ月~1年の間に、株価がすでに大きく上昇している銘柄が多いのが特徴。すでに「業績面で目覚ましい伸びを示している」「時価総額が急拡大している」などの条件を満たしているからこそ、採用候補としてマーケットの注目を集めているわけですね。
採用直後~数ヶ月以内の動き
テスラのケース
発表直後:株価は急騰し、短期トレーダーも殺到
採用当日(2020年12月21日):利益確定売りが出て、一時6%超の下落
同様に、かつてMeta(旧Facebook)がS&P500入りを発表された際も、最初は急上昇したものの翌月にある程度調整が入りました。つまり、採用直前・直後はボラティリティ(変動幅)が一時的に高まりやすいと言えます。
採用後1年間のパフォーマンス
Broadcom(2024年採用例)
採用前:発表3ヶ月前から株価が30%以上上昇(機関投資家が先回りして買いを入れた可能性あり)
採用後:短期的な買い需要が一服すると、全体相場に連動した動きに落ち着き始める
一般的に、採用後1年間は市場平均(S&P500全体)と比べるとパフォーマンスが伸び悩む、あるいはやや下回るとされる研究結果があります。もちろん銘柄ごとに違いはあるものの、長期投資家の目線では「採用された直後が一つのピークになりやすいかもしれない」という点は覚えておきたいですね。
今後S&P500への採用が噂されている銘柄
では、実際に現段階で「次にS&P500に入るのでは?」と噂されている企業には、どんなものがあるのでしょうか。もちろん最終的には採用委員会の裁量が大きいですが、時価総額や黒字決算の継続性などを考慮すると、以下の銘柄が候補としてよく挙げられます。
Coinbase
AppLovin
SoFi
こちらはあくまで“噂”や“期待”ベースなので、実際に採用されるかは不透明です。ただし、「採用可能性がある=業績面や時価総額で一定のレベルに達している」という目安にもなるため、今後の決算発表などをウォッチしてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
採用前1年ほどで株価がすでに大きく上昇しているケースが多い
採用直後には一時的に急騰→出尽くしで下がる動きになりやすい
長期では市場平均並みか下回るパフォーマンスになる銘柄が目立つ
今後はCoinbase、AppLovin、SoFiなどが候補として噂されることが多い
S&P500への採用は企業にとって大きな注目を集めるイベントですが、あくまで「投資判断の材料の一つ」に留めることが肝心です。ブームや思惑に乗って短期トレードを仕掛けるのも一つの方法ですが、若い世代の皆さんには特に、企業の本質的な成長力を見極める力を養うことを重視してほしいなと思います。
引き続き、学びながら大きなリターンを狙う事を目指して、ワクワクする資産形成を一緒にがんばりましょう!