コロナショックから4年 - 各セクターの騰落率(日経225とJPX400)
こんにちは😊
コロナショックから早いものでもう4年。日経平均は過去最高の4万円を突破しましたが、その間、コロナショックの底値から各セクターの日本企業がどのような回復の動きをしてきたかを振り返ります。
日経平均225とJPX400の選定銘柄 約500社を対象としました(大企業中心です)。コロナショックの2020年3月の株価を100としたとき、株価がどのように変化してきたか全銘柄のグラフを作っています。
さらに、この1年のセクター別株価動向でトレンドを見ていただけるようにしました。
・コロナ前を回復しているか
・日経平均の伸びに対してセクターの傾向はどうか
・直近ではどのような銘柄が伸びているか
といった視点でチャートを俯瞰してみてください。
4年チャートでは黄色太線が基準となる日経平均を示しており、銘柄コードの並びはセクター紹介と同じ順です。(下図が多いセクターははみ出していますがご容赦ください🥸)
1年チャートでは日経平均が少し見づらいですが、NI225と書かれたグラフですので探してみてください。
銘柄とコードの参照が面倒なので、一覧表を一番最後に付けておきますね😊。
医薬品セクター
4年間で日経平均を上回ったのは第一三共とロートのみでした。他は伸び悩んでいる傾向があり、全体的に下落傾向があります。
電機セクター
4年間で日経平均を上回ったのは半分くらいですが、半導体関連の銘柄が突出していて、伸び悩みグループとの差がかなり大きくなっている特徴的なセクターです。下位グループは下落はしていないものの伸び悩んでいます。
この1年では日経平均を上回っておらず横ばい傾向が強い銘柄が多数です。SCREENの突出ぶりが際立っています。
輸送機器セクター
ヤマハ発動機、豊田自動織機、トヨタ、マツダ、カヤバ、いすず、ホンダ以外は4年間では日経平均以下となりました。不正事件のあった日野自動車を除いて、全体的には上向いていおり出遅れ銘柄の回復が期待できるものの、ここ1年では株価が低迷している銘柄が見られます。
精密機器セクター
東京精密、シチズン時計、HOYA以外の銘柄は4年間では日経平均以下となっていますが、下落傾向はなく出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
ここ1年間では東京精密とテルモ以外は日経平均のパフォーマンスを上回れず、停滞気味のセクターといえます。
情報通信セクター
KADOKAWA、カプコン、インタネットイニシアチブ、SHIFT、USEN、東映アニメ、ラクス、コナミ、電通総研、DTS、SBG、NTTデータ、NECネッツエスアイ以外は4年間では日経平均以下となっています。ここ1年間では日経平均以下となっている銘柄がほとんどで停滞気味のセクターですが、今後の株価回復が期待できます。
金融セクター
三菱HC、東京センチュリー、全国保障、セブン銀、あおぞら銀、イオンF、アコム、オリエントが日経平均以下となっていますが、この4年間を通じてほとんどの銘柄が日経平均以上で、市場を牽引していることがわかります。直近1年間でも多くの銘柄が日経平均を超えており、超えていない銘柄も上昇傾向にあります。金融政策の変更で利上げになれば、一層の利益拡大が期待されます。
証券・保険セクター
金融セクター似ていますが、絶好調です。ジャフコのみが日経平均以下となって低迷しています。この4年間ではマネックスグループが突出しています。
食品セクター
この4年間、サッポロ、味の素、キッコーマン、ニッスイ、東洋水産以外は日経平均以下となっており、全体的には停滞気味です。直近1年間でも全体的に停滞しています。値上げによる収益改善が目立つセクターですので、賃金アップと個人消費拡大に伴って出遅れ銘柄の回復が期待できます。
小売りセクター
ネクステージ、三越伊勢丹、ゼンショー、ZOZO、ファスリテ、しまむら、高島屋、コーナン、日本瓦斯以外、4年間では大半の銘柄が日経平均以下となっています。コロナ前の状況への回復途上と考えられます。賃上げによる個人消費の回復で出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
サービスセクター
ベイカレント・コンサル、パソナ、任天堂、ジャパンエレ、UT以外はこの4年間で日経平均以下となっています。こちらも小売業界と同じく、株価が低迷する銘柄がかなり多いセクターですが、賃上げの効果で出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
鉱業・繊維・紙パルプセクター
4年間では鉱業グループのINPEXと三井松島以外は、日経平均以下となっています。この1年間でも株価の伸びはありません。出遅れ銘柄は多数あり、値上げによる業績回復が期待されます。
化学セクター
多くの企業がありますが、デクセリアルズ、東京応化、住友ベーク、信越化学、日東電工、日本酸素、ADEKA、富士フイルム以外は4年間では日経平均以下となっており、全体的に不調です。この1年間では業績不調となった企業が多く、株価は低迷しています。出遅れ銘柄が多数あるともいえますね。
石油・ゴム・窯業セクター
コスモ、MARUWA、フジミインコーポ、日本特殊陶業、横浜ゴム、日本電気硝子、出光、ニチアスのみが4年間で日経平均を上回っており、全体的に不調でした。この1年間では窯業セクターの不調が目立ちますが、出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
金属セクター
フジクラ、神鋼、日鉄、日本冶金、JFE、三和、東京製鐵、大紀アルミ、三井金属のみ4年間では日経平均を上回っています。この1年では鉄鋼関連は好調ですが非鉄銘柄の伸びがありません。このセクターも近年は上昇の傾向があり、出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
商社セクター
アルフレッサ、伊藤忠エネクス、シップヘルス、PALTAC、ミスミ、メディバル以外は日経平均以上の伸びを示しており、全体的に好調なセクターで株高を牽引してきたセクターです。ここで注意が必要なのは、7大商社と呼ばれる商社は卸売業ではなく投資会社としての性格を帯びてきており、卸売業が好調というわけではないという点です。出遅れ銘柄も含めてさらなる伸長が期待されます。
建設セクター
タマホーム、ウエスト、住友林業、鹿島、九電工以外は4年間では日経平均以下となっています。オリンピックのような特需時期にコロナが重なったことで伸び悩みましたが、万博特需や洋上風力のような国策に加えて半導体工場建設のような動きもあって出遅れ銘柄の回復が期待できます。労働力不足が大きな問題となっている業界ですよね。この1年では全体的に上昇傾向がありますが、出遅れ株が多数あるのは注目です。
機械セクター
4年間では約半数が日経平均を上回る伸びとなっており、半導体装置メーカを中心に大きな伸びを示しています。この1年間では機械の業界別に明暗がはっきりしている傾向にありますが、全体的に上昇傾向があるので出遅れ銘柄の上昇が期待できます。
その他製造セクター
この4年ではTOPPANのみ日経平均以上となっていますが、この1年ではすべての銘柄が日経平均を下回っていて全体的に下降傾向にあるセクターです。
不動産セクター
4年間ではケイアイスター、三井不、オープンハウスのみ日経平均以上となりました。この1年も全体的に低迷していて、都市部を除いた不動産業界の業績は厳しいので、今後の金融政策による影響にも注意が必要なセクターです。
運輸・物流セクター
海運4社が突出した伸びを示し、さらに倉庫2社も日経平均以上の伸びを示していますが、運輸・物流各社はコロナ前の業績にようやく回復していきている状況です。鉄道や空運は確実に上昇傾向にあって、今後は出遅れ銘柄の回復が期待できますが、物流業界は人手不足や法改正の影響で今後の見通しが不透明です。
電力・ガスセクター
東電、大ガスを除いて4年間では日経平均以下となりました。円安による原料高の影響が大きく、今後の金融市場が円高傾向となった際の大きな伸びが期待できるため、出遅れ銘柄の回復が期待できます。新エネルギー関連はブームが去って低調になっています。
まとめ
コロナショック時を基準にして日経平均と各セクターの株価の動きを比較してみました。
日経平均が大きく伸びているのは一部の銘柄・セクターが牽引しているだけで、全体としてはまだまだ日経平均の伸びに追いついていないことがわかります。逆にいえば出遅れ株は今後の伸びに期待できるともいえるわけで、銘柄選びの参考にしてもらえれば幸いです😉。
(おじさん個人のメモを兼ねているので少しわかりづらかったかもしれません。すみません!)
ではまた!😊
(追記)
下の図はこの1年の日経平均のセクター別の株価動向です。
セクター別に見るとかなりバラついていて、この1年で平均以上に伸びたのは全33業種のうち金融・商社を中心とした10種だけなのです。
今後、日銀の利上げや企業の賃上げで、円高(エネルギーは安く買えます)や消費増(個人消費が増えます)が起きれば、伸びるセクターが変化しますよね。狙うべき業種はこうやって考えてみてください。
参考
日経平均225とJPX400の選定銘柄の企業名とコードの参照表です。