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TradingViewの使い方:その6(株価が上昇するタイミングを探そう)
※ 2024/3/16 改良版を作成しました。「その7」の記事を読んでください!
こんにちは😊
前回、TradingViewを使ったPERとEPSの分析について記事にしました。実は今回の記事に大きく関係しています😉。
おさらい
PERというのは、株価がEPS(1株当たり純利益)の何倍の価値になっているか、EPSというのは1株当たりの企業の利益(当期利益)がどれくらいかを示していましたね。
これから分かるとおり、『EPSが高くなってきているのにまだPERが低い銘柄』は、収益が上がっているのにまだ株価が低いということになりますから、これから株価が上がっていく可能性が高いわけです😊。
PERやEPSというのは証券会社のサイトで数値は調べることができるのですが、一目で推移を把握するのは難しいですよね。そこでTradingViewのデータベースから配信されているデータを使って、グラフにして分かりやすくしようというのが前回の記事で紹介したインジケータでしたね🥸。
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トレードの考え方
おじさんは、PERとEPSの変化を銘柄選定や購入タイミングの参考としています。繰り返しになりますが『EPSが高くなってきているのにまだPERが低い銘柄』を見つければよいわけですが、どのような指標を参考にすればよいか、いくつかの指標を実際のトレードで試してきました。その中で、株式益利回り(EY:Earnings Yield 後で説明します)の大きな変化点を判断材料にして購入すると、購入当初は株価が変動しなくても少し遅れて株価が上昇していくケースがよくあることに気がつきました(※)。例として、下図のような野村マイクロ・サイエンス(コード6254 4カ月で3倍の株価になりました)や伊勢化学工業(コード4107)のような銘柄で大きな利益を上げることができています。黄色囲み部がEYの大きな変化点です。
※ これだけを判断材料にすることは絶対にしてはいけません。これまで説明してきた知識がベースにあって、さらに確度を高めるための指標です。
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![](https://assets.st-note.com/img/1710046481869-qnpcDTAd0Z.png?width=1200)
株式益利回り(EY:Earnings Yield)というのは1株あたりの利益(EPS)を株価で割ったもので、PER(株価/EPS)の逆数に相当します(ですので、実はPERが大きく減少したときを監視するのと同じことなのですが直感的に分かりやすいEYを指標にしています)。1株当たりの年利率のようなものと考えると分かりやすいです😉。この数値が大きく跳ね上がるということは、『EPSが高くなってきているのにPERが上がっていない』状態に他なりません。
ところが😣なのですが、このEYだけで判断すると、「ダマし:EYが大きく上がったのにその後株価が下がる」ようなケースも出てくることが判りました。というのも、企業によってはEPSが四半期ごとに大きく変動することがあって、「ある四半期だけ利益が出ても年間トータルでは業績がよくない」というケースもあるからです。また、PERがもともと高くてPERが高くなりづらいというケースもあります。
そこで、EYが上がったことだけをチェックするのではなく、EYが将来上がりそうかどうかの予想値も同時にチェックして、『EPSが高くなってきているのにまだPERが上がってなくて、でも将来PERが上がりそうな銘柄/タイミング』(ややこしくてすみません😅)を探せばよいという結論に至りました。
注意してほしいことは、対象は中期(数週間~数カ月)のトレードですので、タイミングを見つけても株価の上昇に数週間以上かかることも普通にあります(ここ、間違えないでください)🥸。EPSやPERの数値は四半期ごとの決算発表から得られる数値ですので、デイトレや短期スイングのような短期取引には当てはまりません。
作成したインジケータ
この試行錯誤をふまえて、上で説明した内容を数値化したインジケータを作成しました。インジケータの内容を説明していきます。使い方を誤ると誤った判断情報になりますので、内容をしっかり理解していただくことが利用の前提です。
まず、TradingViewのEPSデータのうち
①EPS FQ - 会計四半期
のデータを使います。それから、予想PER(PERの予想データです)として
②PER FQ - 会計四半期
のデータを使います。
次に①の数値から株式益利回り(EY:Earnings Yield)を求めます。①の四半期ごとのEPSを年間相当のEPSに換算して、株価で割ればその時点のEYが出てきますね。
③EY(会計四半期のEYを年間相当に換算したもの)=(EPS FQ)/株価
続いて、②の予想PERの逆数から「予想EY」を求めます。
④予想EY = 1/(PER FQ)
目標の『EPSが高くなってきているのにまだPERが上がってなくて、でも将来PERが上がりそうなタイミング(買いなはれポイント)』は、③と④が同時に上昇する点を探すとダマしの少ないポイントになります。
このポイントをBCP(Big Chance Point:オリジナルです)と名付けました🥸。インジケータではBCPが「1」になると「買いなはれポイント」を示しています。
③と④の数値が上昇したかどうかは、直前の一定期間の平均値を使います(設定パネルの中で「比較期間」として平均期間の長さが設定できます)。それから、③と④が大きく変化するタイミングのみを検知して微小な数値変化を検知してしまうことを避けるために、銘柄によって異なる感度調整も設定できるようにしています(設定パネルの中で「感度」として設定できます。平均値に対してどれくらいの変化を検出するかを設定します)。デフォルト値はそれぞれ「5」としていますが、銘柄によってある程度の調整が必要です。BCPが1になるポイントがチャート上にたくさん表示される、もしくは全く表示されないというケースでは、過去データの変化点に最も適した数値に調整するとうまくいきます。
BCPはシグナルが出たからすぐに買うべき、というものではありませんので、特に下落が続いている局面ではBCPのシグナルが出ても下落が止まるタイミングまで待つことをおすすめします。
Xにポストした三菱重工業(コード7011)の例が下の図です。下のグラフの赤線が上昇しているところが「買いなはれポイント」です。
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残念ながら、②④の予想PERがデータとして提供されていない銘柄(野村マイクロや伊勢化学はこれに該当します)もあることがわかったので、このような銘柄に対応するために③だけを示すMBCP(Moshikasuruto Big Chance Point)という指標も作りました。でも、BCPに比べてどうしても「ダマし」が多くなってしまうので、皆さんから今回のBCPの評価を聞いてもう少し改良したいと思います。(下図では緑線がMBCPです。)
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それからBPP(Big Pinch Point)「売りなはれポイント」についても作成を試みていますが、株価が急上昇するとEYが急下降するので、BCPと同じ考え方ではかなりずれてしまって「もっと早く売っときなはれポイント」になってしまう傾向があるのでまだまだ時間がかかりそうです😂。
お願い
使用にあたってのお願いです。
使用は自己責任でお願いします。おじさんは関連する損失や不具合の責任を負いかねます。特に、BCPだけで売買の判断をすることは絶対に避けてください。これまでのnote記事(基礎編、実践編、TV使用方法)を読んでいただいていることが使用の前提です。
BCPは基本的に日足チャートで使ってください(時間足、週足では未検証です)。対象は中期(数週間~数カ月)のトレードですので、BCPが反応しても株価の上昇に数週間以上かかることも普通にあります。
上に説明しているとおり、比較期間と感度は銘柄によって調整が必要なので数値を変化させてください。デフォルトはどちらも「5」です。
特に下落が続いている局面ではBCPのシグナルが出ても下落が止まるタイミングまで待つことをおすすめします。
おそらく最初は使いづらいと思うので、不明な点はどうぞ遠慮なく質問してください。(XのDM、noteのコメント欄 など)
設定値や色表示はお好みで変えてください。
コードの変更はもちろん自由ですが、無断流用や有償化はやめてください。
できれば使用した感想や改良ポイントを教えてくださいね😊。
ではまた!😊
コードの配布
過去の記事のコードを無断で配布している(初心者が騙されている)人がいるとの連絡があって困っています😣。今までのコードは単なる指標表示のコードでしたが、今回のものは従来と少し異なるものなので有料で販売されたりして悲しい思いをする人が出ないか心配しています。そういった事情もあって、配布はベータ版かつ期間限定にしますのでご理解いただければ幸いです😊。交流のある方の中で、気に入っていただけて感想を教えてくれる方がいれば、補足機能とMBCPを含めた完成版のダウンロードができるURLをお送りしますね😉。
ダウンロード可能期間:2024.3.8~3.12
[コードの再配布]
このページのコード無料配布期間は終了しました。
おじさんのページで公開したTradingView向けのすべてのファイル/コードを有料ページで配布しています😊
配布ページ:TradingViewオリジナルインジケータの配布※ 公開を終了しました(↓は画像)。興味ある方はXのDMで連絡くださいね😊
![](https://assets.st-note.com/img/1710251862917-pBSMqwa10X.png?width=1200)