世界の最強企業 vs 日本の最強企業 Reliance Industries(India) vs ENEOS
比較企業
Reliance IndustriesとENEOSを比較します。両社とも業界としては石油精製とされます。ざっくり言うと石油からガソリンとかを作ったりしてます。以下は2024年1月28日時点での情報です。決算関連の情報は2023年3月期のものです。
時価総額
Reliance Industriesの時価総額は約33兆円、ENEOSの時価総額は約1.8兆円です。世界の石油精製会社における時価総額ランキングにおいて、Reliance Industriesは世界第2位、ENEOSは世界第30位となっています。
PER
Reliance IndustriesのPERは約26倍、ENEOSのPERは7.4倍です。このことからReliance Industriesの方がより買われていることがわかります。
従業員数
Reliance Industriesの従業員数は約38万9千人です。ENEOSの従業員数は約4万5千人です。Reliance IndustriesはENEOSの9倍近い従業員数がいるので規模はかなり大きいです。
資産
Reliance Industriesの総資産は約28兆円、ENEOSの総資産は約10兆円です。Reliance IndustriesはENEOSの3倍近い資産を持っていることがわかります。しかし、これだけでは負債がどれほどなのかわからないので次は純資産を比較します。
Reliance Industriesの総資産は約15兆円、ENEOSの総資産は約3.3兆円です。自己資本比率はReliance Industriesが約52%、ENEOSが約33%と、Reliance Industriesの方が自己資本比率が高く、財務が健全と言えます。
業績
収益
Reliance Industriesは小売り事業など多岐にわたる事業を展開しているため、単純に比較はできませんが、全セグメントにおける収益を比較したグラフを以下に示します。収益を見るとReliance Industriesは約17兆円、ENEOSが約15兆円と拮抗しているように見えます。両社に共通している石油関連のセグメントについては後のグラフで比較します。
純利益
次に純利益について比較します。Reliance Industriesは純利益が約1.2兆円、ENEOSは約1440億円です。純利益で比較するとReliance Industriesが圧倒的であることがわかります。収益が両社ともあまり差がないことから、Reliance Industriesの利益率がとても高いことがわかります。Reliance Industriesの当期純利益率は約7.6%、ENEOSは約0.96%であり、8倍近い差があります。
石油関連の収益比較
Reliance Industriesは小売りにおける収益も大きいので、石油関連の事業について比較したいと思います。Reliance Industriesは石油精製や石油化学だけでなく、石油・天然ガスの開発も自ら行っています。ENEOSも同じように石油精製だけでなく開発も行っているので、これらの事業をまとめて石油関連事業として売上を比較したいと思います。
Reliance Industriesのエネルギー関連における売り上げは約10兆円、ENEOSは約13兆円です。意外なことに、ENEOSの方が石油関連の事業で売上が上回っています。次は石油関連におけるEBITDAを比較してみます。EBITDAとはグローバルな会社の収益性を表すもので、営業利益に減価償却費を足したものです。ここでは営業利益と同じものという解釈で全く問題ありません。
Reliance Industriesの石油関連におけるEBITDAは1兆3470億、ENEOSは5170億円です。やはり石油関連に限定しても営業利益はReliance IndustriesがENEOSを圧倒しています。売上はENEOSの方が大きいので、Reliance Industriesはそれだけ収益性がよいビジネスをしているということですね。
まとめ
ここまでインドで時価総額最大のReliance Industriesと日本における石油元売り最大手のENEOSを比較してきました。ENEOSと言えば日本人で知らない人はいないと思いますが、そんなENEOSよりもはるかに大きな利益を上げている企業が世界にはあることがわかりました。今回の比較では、石油関連事業の売上に関してはENEOSの方が大きかったですが、営業利益ではReliance Industriesが圧倒的でした。ENEOSの利益率の低さが気になるところです。また、Reliance Industriesは自己資本比率も高く、かなり安定している企業だと思いました。
昨今のエネルギー業界は、環境の観点から変革を求められる時代となって来ています。両社が今後どのように事業と環境保全を両立していくのか注目していきたいですね。