【銘柄分析】株式会社Rebase /テンバガー狙いで成長株投資は妥当か!?/最高の決算を出した2Qを徹底分析。3Qの注目ポイントまとめ。



会社概要

主要事業:インスタベース
インスタベースは、スペースを使いたい人とスペースを貸したい人をマッチングするレンタルスペースの予約・集客プラットフォーム。手数料は35%
利用用途別比率はビジネスが34%、趣味・遊び・パーティーが20%、レッスン・講座が13%、勉強・読書11%、スポーツ・フィットネス10%と幅広い利用用途で予約数を最大化している。全体平均リピート率69%。

業績

株式会社Rebase 業績

最新Q2の驚異的な成長理由

  • 効率的広告宣伝戦略によりサイトへの流入増加

  • コロナ後に増加したビジネス利用がコロナ収束後も堅調

  • 従業員生産性向上

主要ファンダメンタルズ

株式会社Rebase 業績

今期売上会社予想は18億、営業利益は3.8億、純利益は1.41億円である。

  • 自己資本比率:69.2%

  • ネットキャッシュ:12.1億 - 4.9億 = 7.2億

  • ネットキャッシュ比率:0.11(時価61億で計算)

  • PBR:5.5倍

  • PER:19.1

  • ROE:32.98%

  • 配当:なし

  • オーナー企業:社長 17.6%保有

  • 備考:3Qが最も業績が良くなる季節性あり。

2025年3月期 第2四半期 決算説明資料 引用

主要KPI

  1. 最重要:利用総額
    利用総額 = 利用数 ✕ 平均単価

  2. 利用数、平均単価、掲載スペース


2025年3月期 第2四半期 決算説明資料 引用

財務分析

PL

  • 利益と売上ともに継続的に毎年+20〜40%を続けている

  • 営業利益率26%と競合他社を圧倒

    • 競合スペースマーケットに比べると非常に高い(5%付近)

  • 原価率:3.9%と非常に低い水準。

  • 販管率:73.6%で内訳は人件費、広告宣伝費、業務委託費が占める。

BS 安全性分析◎

  • 自己資本比率:69.2%:安定

  • 流動資産12億に対して、流動負債が4.9億円と安全水準。

  • M&Aにより固定資産が去年より微増加している。

競合優位性:スペースマーケットとの比較

競合と比べて効率的経営

rebaseを分析するにあたって欠かせない分析が【4487】スペースマーケット。同社はほとんど同じ時期にサービスをリリースしており、売上も非常に近い。しかしながら、rebaseとスペースマーケットは売上はほとんど同じだが利益が異なる。rebaseは下記の通り営業利益率22.5%と高い利益率を誇るが、スペースマーケットは6.5%と利益確保が進んでいない。なお、2022年12月期からは赤字が続いている。

【4487】スペースマーケット・業績


スペースマーケットの赤字要因は人件費である。1人あたりの従業員の生産性という面でrebaseとスペースマーケットは全く違うのだ。私はこの点を非常に重視する。
rebaseの約1.5倍の人数を採用して売上は同じ。かつ利益は赤字という差のつきよう….。rebaseが効率良い経営をしているもしくはスペースマーケットの採用過多であろう。

  • スペースマーケット従業員数:連結59名

  • rebase従業員数:38名
    →利益÷従業員数が高い →スペマ:170万円/人、Rebase:930万円/人

ユーザーエクスペリエンスの違い

  • 掲載スペース数はほとんど同じで3.9万程。

  • スペースマーケットの特徴として、パーティー利用が強いとのこと。しかし、パーティーはリピート率が低いため、インスタベースは幅広い分野で戦略を練っている。(2025年3月期2Q 決算説明会 引用)

  • ユーザーエクスペリエンスはどちらが勝っているのか? (どっちが良いサービスなのか)

    1. 手数料の違い:スペースマーケットは30%なのに対して、インスタベースは35%。この手数料でも一番利益を出していて、掲載スペース数も一番増加しているということからユーザーエクスペリエンスが高いのではないかと推測。

    2. 実際に使ってみたがUIの違いはあまり感じなかった。

    3. 客の破損などに対しての保証がスペマよりインスタベースのほうが遥かに良い。1000万に対して1億円。

競合優位性

  • ROE32.98%の高いROE値

  • 特定の利用用途に偏らず幅広くターゲティングしたことで、コロナ禍においても予約数を増加させ、データ活用によりリピート率の高い用途で予約数を増加させた点。

  • 宿泊施設の時間貸しとしても数多く掲載。

  • テレワークなどの環境変化に迅速に対応している。

同社は、特定の利用用途に偏らず幅広い利用用途としてポートフォリオを広げたことで、コロナ禍においても予約数を増加させ、データドリブンな集客でリピート率の高い用途での予約数を大きく増加させている。また、2022年3月には旅行業に登録し、大手チェーンホテルをはじめとした宿泊施設の客室を時間貸しとしても多く掲載し、テレワーク定着等の環境変化に迅速に対応している。


企業文化及び社長

私は経営者がこの会社を成長させる意思が本当に強いかどうかを非常に重視する。その点においてRebaseは文句なし。と言えるだろう。佐藤海社長は、人と人の『和をひろげる』ことで、様々な『ことのはじまり』を生み出すことを本気で目指している。会社名をインスタベースにしなかったのもこのビジョンを達成するための一つのピースに過ぎないからだとか。

“私は自分のライフミッションとして、「個性を尊重し、生かし合う社会にする」ことを掲げていたので、RebaseであればそのMissionの達成に近づけると思いました。”

社長インタビュー 引用

また、IRにも力を入れており、決算説明会動画や質疑応答など投資家との交流の場をたくさん設けているようだ。

POINT

  • 佐藤海 社長(17.6%)※2024年12/16時点

  • 役員8名、従業員38名

  • 佐藤海さんの父の経歴
     異色でヤフーの経営戦略部長。父の影響で「会社を作るなら1期目から黒字を出せ」という意識が根付いているとのこと。これが高営業利益率の秘訣なのかもしれない。Rebaseが高効率経営を行っている理由だろう。


マーケットの成長

  • 賃貸契約形態の変化と需要拡大
     従来のテナント契約では、たとえばダンススクール開講時に多額の初期資金(約1000万円規模)が必要だったが、レンタルスペースを活用することで事業者は初期コストを大幅に低減し、新規開業リスクを軽減できる。

  • 空き家増加の影響
     老朽化や質的問題により、内装や設備への投資が必要な場合が多く、活用可能な物件は限定的。

  • テクノロジーの進歩とサービス品質向上
     AI活用などの進化により、ユーザビリティが向上し、利用者ニーズに応えるサービスへ成長可能性。

  • プラットフォーム化とアライアンス戦略
     solotime、ゴールドジム、キャンプ場運営者との連携で多様化する顧客要求に対応。


掲載スペース数の継続的成長性

一般の人がスペースをレンタルする、いわゆるレンタルスペースビジネスのようなものは既に飽和しているのではないかという仮説を立てる。下記の表にある通り、2021~2023年での増加率から24年以降はやや減少傾向にある。企業アライアンス増加でなんとか下支えしているのではないかと予想する。

正直に言うと掲載スペース数が今後どのくらい増加するのか予想するのは難しい。なぜなら大手アライアンスと一般利用(パーティーなど)でどれくらいの比率を占めてるのかがわからないからだ。しかしながら3Qや4Qの決算において掲載スペース数の増加が鈍化した場合、掲載スペース数増加率の鈍化がいよいよ本格化したと言ってもよいだろう。逆に増加した場合、見ものである。


株価上昇ストーリー仮説

内部要因

  • 企業アライアンスが引き続き増加しそう。これがカタリストになる可能性大。

  • 従来存在する所謂「レンタルスペース」であるパーティールームや撮影スタジオなどの利用用途から、様々な用途での“予約サイト”に変遷するのではないか。これにより未だ認知の低いこのサービスが一気に拡大する可能性あり。

    • 例)サッカー場、ピアノルーム、フェス会場、ライブハウス、コワーキングスペースなど。

  • 上方修正入る可能性高い。織り込み済みの可能性ありのためQ3相当期待されてる可能性あり

  • インバウンドによる費用高騰で旅行者が減ったためレンタルスペースの利用が増加

外部要因

  • スペースマーケットはPER19倍、rebaseのPER19倍でほとんど同じ。しかしroeや営業利益率や成長率を考慮すると圧倒的に割安。しかしスペースマーケットのPERが低迷したらrebaseの水準訂正が起きる可能性もある。


シナリオ別分析

パターン1:不動産市況悪化の場合
不動産市況が悪化すると一般的に景気も交代するため消費が落ち込むという負の面がある一方、空きテナントや空き部屋が増えることが起こり得る。不動産オーナーからすると、空き物件は収益がゼロ。そこで、少しでも収入を得ようと、「今まで普通にテナント募集をしていたが、なかなか借り手がつかない。ならば時間貸しでスペースを活用してみよう」と考えるケースが増える可能性がある。利用者側から見ると選べる場所が増え、価格競争で手頃なスペースも見つけやすくなる。これによって「レンタルスペースを借りたい」利用者にとっては使いやすい環境が整い、ある種、レンタルスペース市場が活性化する要因にもなり得る。

パターン2:景気後退局面の場合
景気後退下でパーティーやレジャー関連の需要は縮小しやすく、消費者が娯楽的支出を抑制することで関連分野の利用数は減少傾向をたどる可能性が高い。しかし、この分野はもともとリピート率が低く、同社の業績を強力に下支えしてきたわけではないため、負の影響は限定的と考えられる。


いつ買うか?株価分析

  • PER:22.80倍 (25年3月期)

現状のPERは22.80倍で、正直やや割高感がある。個人的には、PERが15~18倍くらいまで落ち着いたらエントリーしたいところだ。

ただし、AI関連や大手企業とのアライアンスなどの強力なカタリストが出れば、水準訂正が期待できる。その場合、タイミングを先回りして買うのも一つの戦略だと思う。逆に、今の段階で買ってみても、大手アライアンスの話が出ない、いわゆる「材料難」の状態が続くなら、売却も視野に入れるべきだろう。

どのような戦略を選ぶにしても、損切りラインをしっかり決めておくことが重要だ。気になるのは、2024年11月13日の窓を埋める動きがあるかどうか。この窓を埋めてからエントリーするというのも有効な作戦だと考える。

タイミングとシナリオをしっかり想定した上で行動したい。



いいなと思ったら応援しよう!