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【病院のリアル】マイナ保険証と利用率
こんばんは、kaboxです!
宮崎では、久しぶりに雨が降りました。
午前中には雨も止み、帰る頃には何と17℃!
日中は20℃を超えた地域もあったようです。
日本から春と秋がなくなる日も
近いのでしょうか…
さて、本日は新たなシリーズ😁
題して、【病院のリアル】👏
先に言っておきますが、これは医療現場の暴露的な内容ではありませんのでご注意。
ニュースでは語られない、医療業界のリアルをお話しすることで、医療業界のことを知ってもらうきっかけになればと思っています。
第1回目は、マイナ保険証
因みに、この記事で初めましての方のために、
ちょっとだけ自己紹介。
私は、急性期の病院に務める事務職員です。
大学を卒業してから20年間医療事務をやってきました。管理職をしている40代女性です。
ついでに言っておくと、今年仕事を退職します。つい2日前に退職宣言したてのホヤホヤでございます。
では、本題に。。
皆さんはマイナ保険証を医療機関で使ったことはありますか!?
昨年12月に紙の保険証の発行が終了したことは、ニュースでご存知のことと思います。
ですが、手元にある保険証は期限が切れるまで使うことができます。
国民健康保険証の有効期限は、原則1年です。
自治体により違いはあるかもしれませんが、宮崎県内の国保であれば、8月更新。つまり、国保の皆さんは、今年の7月末で紙の保険証は期限が切れるということです。
社会保険は、保険者により多少の違いはありますが、ほとんどは無期限です。つまり、退職するまでは期限が切れないということです。
私は、社保なので今年退職したら、国保になるか旦那さんの扶養に入ることになると思いますので、いずれにしても退職時点で紙の保険証を失うことになります。
余談ですが、
保険証を病院で提示できない場合、保険請求ができませんので、10割負担になります。
私たちは保険証があるおかげで、
病院の窓口で払う金額が、
1割や3割などの負担で済むのです。
例えば、医療費全額で10,000円かかかる場合、保険証を提示することで、3割負担なら3,000円の支払いで済むと言うことです。
マイナ保険証がなくても、資格(保険証の情報)を確認する手段はいくつかありますので、紙の保険証がなくなって、マイナンバーカードに保険証の紐付けをしていなくても今のところ心配はありません。
ただ、マイナ保険証を使う利点はあります。
1番の利点は、高額療養費の認定証が不要になるということです。
高額療養費をご存知ない方は、インターネットで調べてみてくださいね。
これまで、入院など高額の医療費がかかることが予定されている場合は、事前に役所の窓口で高額療養費の手続きをして、紙の認定証を発行してもらう必要がありました。
認定証には、本人の所得により定められた区分が記載されていて、その区分に応じて1ヶ月の負担金の上限額が決まるという仕組みです。
この認定証がない場合は、一旦高額の医療費を払ったあとに役所で払い戻しの手続きをする必要があります。
例えば、医療費の全額が100万円だった場合、3割負担では30万円の自己負担額が発生しますが、加えて高額療養費の区分で月額の上限が57,600円だった場合は、窓口で支払う金額は57,600で済むと言うことです。
100万円が、57,600円ですよ。
日本の医療保険制度は凄い!
マイナ保険証を病院の窓口で提示すると、認定証の区分まで確認することができますので、役所での手続きも不要になりますし、急な入院の場合でも、マイナ保険証の提示だけで資格確認ができてしまうというのは、最大の利点ではないでしょか。
ただし、携帯していなければ意味はありません。保険証や免許証を持ち歩くように、マイナンバーカードを当たり前に持ち歩く世の中にならないことには意味がないですね。
私たち病院の事務としても、急な入院で保険証の確認ができなかったり、認定証の手続きが終わるまで請求を保留にするなどの対応が発生しないので、マイナ保険証を提示していただくと非常に助かります。患者側と医療側にとってwin-winというわけです。
普段から病院にかからない方にとっては、他人事のように聞こえるかもしれませんが、人はいつ病気になるか、いつ怪我をするか、いつ事故に遭うか分かりませんので、備えておくことは重要かと思います。
そんなマイナ保険証ですが、意外と医療従事者でも使ったことないって人が多いんです。
かく言う私もその1人です。
そこで、今日職場の数名で自分のマイナ保険証を使ってみようと言う話になり、居合わせた5人の職員でやってみました。
マイナタッチは、数種類ありますが、うちの病院ではアルメックス製のカードリーダーを使っています。
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いざやってみようと意気込んだはいいものの、
①電子証明書の期限切れ1名
②保険証の紐付けしていない2名
因みに本人は紐付けしたと思っている
③そもそも不携帯1名
持ってきているはずが、家に置いてきている
とまあ散々な結果でして、
マイナ保険証で資格確認ができたのは、
5人中たった1人でした😅
実際に病院で働いている職員でさえ、そんな状況ですので、世の中の使用率も上がらないわけです。
マイナ保険証に関連する診療報酬
皆さんがマイナ保険証を使うことで、病院で診療報酬が算定されていることを知っていますか?
その名も、医療DX推進体制整備加算です。
去年の診療報酬改定で新設された点数で、マイナ保険証の利用率に応じて病院が算定できる点数が決まります。
分かりやすく言うと、利用率は1ヶ月に外来を受診した患者様のうちマイナ保険証を使った患者様の割合で計算されます。
利用率については、
毎月お上からデータが届きます。
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因みに、当院の1月の使用率は17%でしたので、加算3を算定することになります。
これが使用率30%を超える医療機関であれば加算1が取れますので、病院としては少しでも高い点数が取れるように、マイナ保険証の利用を促進したいのが実情。
ただし、この医療DX推進体制整備加算を算定するためには、他にも満たすべき要件がありますので、すべての医療機関で算定されている訳ではありません。
しかもこれは、自分がマイナ保険証を使った云々ではなく、病院全体の使用率に応じた点数ですので、ご自身ではマイナ保険証を使っていなくても請求されてしまいます。
気になる方は、会計窓口で領収書と一緒にもらう診療明細書をよくご覧になって下さい。
普段通院している病院が、加算を取っているのか、取っているとしたら、1〜3のどの区分なのかチェックしてみるといいかも知れません。
ご自身が支払う医療費の内訳は、診療明細書で確認することができます。
何にどれだけのお金がかかっているのか、是非確認してみることをお勧めします。