
あたしは底に沈み溺れていこう
溺れそうなのかもしれません
息が詰まっているような
いや しかし
ゆったりと沈んでいくような
どこまでも底に向かってしずんでいくような
いや しかし
あたしという個がいっこうに消える気配もなく
ただの思い過ごしなのだと思うのだけれど
個体としてのあたしはそのままに
目に見えない部分のあたしという定義が
どんどん拡がっていく
それに反比例して世界という定義が
どんどん曖昧になり
それはあたしが世界なのか
世界があたしなのか
分からなくなる
そうか
そのつなぎ目に
あたしは息苦しく
溺れそうになっているのかもしれない
そのつなぎ目を乗り越えたらな
どんな意識が待っているのだろう
どんな宇宙が待っているのだろう
少し楽しみに
あたしは底に沈み溺れていこう