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四季

夜散る桜の儚さを
冬をもってぼくは知る
君想う虚しさを
目覚めをもってぼくは知る

夢は真綿で幻想の
君とぼくとを締め付ける

四季の様

めぐりめぐりて
今もなお
今宵もぼくを苦しめる
温度の無い手が頬に触れ
現実(まこと)の頬に後残す
忘れがたき唇に
今宵もぼくは涙する

忘れた恋は変わり逝き
されど憾める恋でなく
想い焦がれて毒を吐き
卑屈がぼくを戒める

四季の様

春来て桜で耐え凌ぎ
夏の日差しに目を閉じて
秋に紅葉で紛らわし
冬は黙して目を閉じる

変わりなき世の儚さよ
どなたか殺して下さいと
握る拳も力なく
己の欺瞞に息を飲む

狂い咲く花
ハラハラと
嗚咽を堪えて
夢を飲む

振り払えない
切なさに
赤い血をもち
立ち向かう

例えばそれが
無意味でも
例えばそれが
虚構としても
血を流さずに
生きられぬ
我が心(み)を憾む行為でも

夜桜 今宵も咲き乱る
ぼくの心を知らずとも
人を癒せと咲き乱る

ただ月光に美しく
己が生を全うす

お前も生を貫けと

悲しい恋を貫けと

狂気に任せ貫けと

ぼくの心に舞い落ちる

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