極細カラーペンがなかったからカタカナができた?

こんにちは。
大晦日で余裕があるので、どんどん過去の文章を投稿。



 山口仲美『日本語の歴史』という岩波新書が、私にはとても興味深いので、ときどき読み返す。今回は、自分が字を習い始めたから、文字の歴史、日本人が漢字と出会い、どのように使って行ったのかに特に注目して読んだ。

 あらためて面白いのがカタカナの発生。

 日本人は奈良時代から漢文を訓読して理解してたらしい。平安時代に入って漢文の余白に返り点や助詞や送り仮名などを小さく書くようになった。わざわざ新しい紙に訳文を書かなくても、行間にちょこちょこ書き込んで翻訳完了。

中学時代に初めて漢文を習ったとき、返り点やって突然パズルっぽいの出てきたぞ!と思ったけど、あの訓読の方式は最近の人が考えたシステムではなく、平安時代の日本人が考えたシステムなんだそうだ。そのことに驚いた。

 ところで、その漢文の余白に助詞や送り仮名を書くのに、万葉仮名で書いてたら、狭いし、時間かかるし、書いた文字も判別しにくい。万葉仮名って要するに漢字だしね。というわけで、万葉仮名の字形の一部分を書いて、すませることにした。「阿」の一部分で「ア」というように。部分を取った不完全な文字なので「片」仮名という。

 もし、漢文訓読している平安人に、極細のカラーペンを渡しちゃったら、これで狭い空間にも万葉仮名が書き込めるし、本文とも区別つくね!ってことで、カタカナは発生しなかったのかもしれない、と妄想してみる。

この、漢文の周りに小さくカタカナを書く方式が、やがて「この方法で日本語の文が書ける!」ということになり、漢字カタカナ混じり文を生み出した。

 もう一方で、万葉仮名を崩して、草仮名、平仮名も生まれる。それまで万葉仮名では歌くらいの短い文しか書けなかったが、これにより、日本語で長い文が書けるようになった。

これで、まだ言いたいことにはつながらないので、近々続きを書きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?