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【楽曲感想】King & Prince「愛し生きること/MAGIC WORD」カップリング曲感想〜後編
タイトルのシングル収録の、カップリング曲の感想記事です。
表題曲の感想は先に以下の記事に書きました。
カップリングは計4曲ですが記事が長くなってしまったため記事を分けました。この記事では「1999」「僕らのバカンス」の感想を書いております。
「1999」は先に書いた以下の記事から内容や文章を流用している箇所があります。
前編「plan d」「One Sided Love」の感想はこちらです。
また、Twitterなどですでに書いている内容を含む場合があります。
あの歌い方が良いとかここの楽器が好きとか自由に書いていますが、音楽聴くのが好きなだけの素人ですのでゆるく読んでいただけますと幸いです。
◆1999
穏やかで綺麗な曲で、私は聴くたびに海の波の音を思い出します。
横に揺れたくなるような8分の6拍子のリズム感、柔らかい曲調とトラック、素直に歌われる2人の歌。聴こえる音全てが優しくて、歌詞中に出てくる「きみ」が「きみ」らしくいられますように、そして「僕」はいつでも「きみ」を心にかけているということが伝わりますように、とただ純粋に願う曲だと思いました。
曲全体には「きみ」がいないことに対しての「僕」の少しの痛みや寂しさがほのかに滲んでいますが、ただその痛みを遠ざけたいというのではなく、痛みそれ自体をも「きみ」との思い出のひとつとして慈しんでいるように感じられます。
私は特に1番サビ「朝が暗くても」2番サビ「夜が痛いなら」という歌詞表現の仕方が綺麗で好きです。
ここは単純に場面としての朝夜ということだけでなく、「きみ」がいなくなった後の日々が過ぎていく様子を表しているとも解釈できて印象的な部分でした。この「朝」「夜」は「きみ」が行ってしまってからいったい何度目のものなのか、その解釈次第でも全体の感じ方が変わるところかなと思います。
そして何よりこの曲は「グループの歴史や背景が曲自体の魅力を形作っている曲」と言えるかと思います。
作詞は髙橋海人くん、タイトルにもなっている「1999」年は彼と永瀬廉くんの生まれ年。
そして「お互いに新しい道を選んだ結果『きみ』と分かれることになったが、離れていてもその幸せを願っている」という歌詞の大筋。
公式に明言はされていませんが、歌詞中の「僕」は髙橋くん(そして永瀬くん)、「きみ」は脱退したメンバーたちと解釈させるような歌詞になっています。
私はどうしても「僕」「きみ」をそれぞれに重ねてしまい、先に書いたどのくらいの日にちが経ったか?という解釈も現実の日数と同じだけ経過していくように感じて、時間が経てば経つほどにサビの「どんな日」が増えていくように思えます。
経過した時間と共に染み込んでくるような、聴くたびに深みが増す曲だなと思います。
この曲をはじめて聴いた時に気になったのが歌割りでした。
例えば1番は
Aメロをまるまる永瀬くん
↓
Bメロ~サビの途中「~この歌がきみに残るように」までが髙橋くん
↓
サビの残り「Baby,I got your back~」をまた永瀬くん
というパートになっていますが、ここまで1人が続けて歌う時間が長い曲は珍しいなと感じました。2番も永瀬くんと髙橋くんを入れ替えただけで、この歌割自体は変わりません。
また落ちサビ「意味も嘘もない」に至るまでの全てのパートでユニゾンどころかハモリすらないのも特徴的だと思います。統計を取ったわけではないため完全に私の体感ですが、キンプリの曲は盛り上がりやボリュームを作るためにサビにユニゾンもしくはハモリなどで2人同時に歌うことが多く、その点1人でサビを歌うこの歌割はかなり珍しいと言えるのではないかと思いました。
この曲の「変則的」とも言える歌割に気づいたのはサビの途中で交代しているところで、「えっ、そこで変わるんだ?」と引っかかったのがきっかけです。
切り替わる箇所ではメロディが大きく変わったわけでもテンポが変わったわけでも転調したわけでもなく、ただ歌う人が変わっています。
・1番サビ
(髙橋くん)
どんな日も きっと思い出すの
過去になって色褪せても
この歌がきみに残るように
(永瀬くん)
Baby, I got your back
朝が暗くても
その名前 そのままで
Oh, if I could be your color
・2番サビ
(永瀬くん)
どんな日も 歩いてくの
夢中になって歌い出して
それでも泣きたいくらい
(髙橋くん)
Baby, don’t worry about me
夜が痛いなら
この名前 ふと呼んで
Oh, if I could be your one part
歌詞と合わせて交代したところを見てみると、サビの途中で交代する部分は代わる前が「僕」の願い、代わった後が「きみ」に呼びかける内容の詞になっているのに気づきました。
つまり代わる部分は「語の途中など日本語として不自然でない箇所」というだけではなく、「詞の内容のまとまり」によって交代する箇所を決めたのではないか、と思いました。
同様に2番終わりのCメロも、
(髙橋くん)
春の昨日 雨の匂い 夜の音
窓の向こう 涙の跡
(永瀬くん)
僕がいて 君がいた
(ユニゾン)
意味も嘘もない
と、内容に連動して代わっていきます。
例えば
(髙橋くん)
春の昨日 雨の匂い 夜の音
(永瀬くん)
窓の向こう 涙の跡
(髙橋くん)
僕がいて
(永瀬くん)
君がいた
これでも単語の意味がそのまま通るかと思いますし、実際に他の曲ではこのくらいのスパンで交代をしていたりします。「君がいて 僕がいた」の部分などは交代しないのが不思議だなと感じるくらいです。
それでもなおこの歌割にした理由、私は「どうしても歌詞を途中で切りたくなかったから」ではないかと思いました。
披露することを前提とした場合、ひとりが長く歌うほど負担がかかることが予想できますし、何よりその間もうひとりが映らない・歌わない時間が長くなります。
そういった披露する時のデメリットを飲み込んででも、歌詞の意味のまとまりや表されている場面を途切れさせないことを優先した。
交代するとどうしても声が変わったな交代したなということは感じるわけですが、できることならそれすらもリスナーに感じさせず、歌詞に集中してほしかったのではないかと思いました。
この曲で聴かせたいのはきっと、歌詞そのものと、そして2人の声だと思います。
それぞれが長めに歌うこの歌割は、書いたように「歌詞をまとまりの途中で切りたくない」ということもあるのかなと思いますが、「永瀬くん髙橋くんの歌声を長めに聴かせたい」という意図もあるのではないでしょうか。
2人の歌声をじっくり聴くうちに、私にはどこかリスナーをいたわり気遣うかのように感じられました。
歌詞の中には「僕」と「きみ」しか登場しないのに、です。
歌詞の、たぶん隠された意図だろうとされているところの、脱退したメンバーへの髙橋くんの想いというのはその話題に触れることそれ自体がリスナー=ファンにとっては切ない思い出をはらむ部分もあるかと思います。
そんな、「ファンを気遣う気持ち」を歌に込めたので、感じ取ってもらえるように長めに設定されている。
というのは少々私のこじ付けがすぎるかもしれません。
ですが、グループの変化を見守っていたファンに対して2人がどんな想いでいるかというのを想像してみると、全くもって的外れではないのではないかな、と思いました。
◆僕らのバカンス
以前、楽曲落ちキンプリ担新規による、12/18サブスク解禁曲おすすめ10選という記事を書いたのですが、この曲をいれて11選にするか迷った、魅力的な曲です。
結局時間の都合でこの時は諦めました。
なんせこの曲は圧倒的に可愛らしい。
チャーミングというか、茶目っ気のあるような可愛らしさかなと思います。
例えば
夢の魔法でいっそ君のことを奪って 空飛ぶ車で世界中を巡ろう
さあ夢の国でずっと踊り明かして 鮮やかな君と時間を溶かそう
ここ、どう聴いたって「あーあ魔法が使えたらいいなあ君とずっと遊んで暮らすのになあ」です。
あとは
あぁ、僕らの1000度の恋は 1000年先も冷めやしないさ
「1000」って数字がもう小学生男子の単位なのよ。
嵐が「One Love」で制定してよりこのかた、こういう時の相場は100年と決まっています(別に決まってません)が、その10倍ですからね。
ねえ、君たち可愛いな??
また、トラックにも少しお遊び感があります。
例えば、1番2番のサビ前
ラブロマンスのようには きっと、いきやしないけどさ
おとぎ話のようには なぜか、いきやしないけどさ
この箇所のそれぞれの後ろの部分。
おとぎ話のほうはドラムのシンバルのような音、ラブロマンスの方はグロッケンのような音が入りますが、この音がそれぞれ話のオチに言われる「ちゃんちゃん」のような感じに聴こえて可愛いなと思いました。
サビの裏に入ってくるシンセサイザーの音なども絶妙にみょーんとした感じで、いい意味で力が抜けていいなと思います。
こんな感じで曲自体は色々な要素でちょこちょこ”外しに来ている”箇所がありますが、その辺りのバランスをうまく保って「抜け感」とでも言えるような雰囲気に仕立てているのは2人の歌による部分もあるのかなと思います。
髙橋くんの甘さを含んだふわふわの声はこの曲の夢見がちな歌詞やメロディに乗るとまるで綿菓子のようでとても合っていて良いなと思うのですが、2番が終わった後に来るそれぞれのソロパートの箇所では髙橋くんのパートの歌詞は「おとぎ話のようにはきっと、行きやしないけどさ」なんですよね。夢のように甘い歌声とは裏腹に、まあありえないことなんだけど、と笑っているようなイメージが浮かびます。
逆に小学生男子の単位でいかにも空想めいた「あぁ、僕らの1000度の恋は1000年先も冷めやしないさ」という歌詞は永瀬くんのパートですが、彼のスモーキーで大人っぽい声で歌われると、歌詞そのものには表れていない、「なんてね」と冗談めかすようなニュアンスが乗ってくるように感じられます。
2人の表現もさることながら、永瀬くん髙橋くんそれぞれの声の個性として感じられる響きや感じ方とは反対の意味の歌詞になっているところでうまくバランスが取れ、空想すぎず現実すぎずどちらにも行き過ぎないようになっていて、それがこの曲特有の魅力となっているところなのではないかなと思います。
先に書いた通り、この曲はFC盤の収録です。
「One Sided Love」では颯爽と現れ、「1999」ではファンを泣かせにきて、「plan d」ではあんなにかっこよかったのに、この曲では急にいたずらっ子というか、永瀬くん髙橋くんの茶目っ気やチャーミングなところが思い起こされるような曲になっています。
この曲はもしかしたら、キンプリの2人が自分たちのファンにだけ見せてくれる特別な表情だと自惚れてもいいのかもしれません。
終わりに
以上です。
ひとつのシングルタイトルを書くのに時間がかかってしまいましたがなんとか書き切ることができました。
書くために改めて聴いていて思いましたが、やっぱキンプリっていい曲多い〜〜
大好き〜〜〜
私が好きになったのはキンプリの2人だけではなく、2人を含めたチームキンプリが出してくれる作品も含めてだったんだなと、この記事を書きながら気付かされました。
いや、もちろん2人のことは大好きですよ!!
この数ヶ月で何度彼らがファン想いだと感じたか。パフォーマンスもいつも楽しみです。
そもそもの前提条件として2人のことが好きでなければ曲をこんなにちゃんと聴いていないですからね!!
とりあえずHEARTのDearTiara盤の特典内容が神すぎました。
しかもブルーレイ選べるとかほんと社長たちありがとうございます。
HEARTももちろんですが、個人的はRe:ERAで一番好きな曲であるところのHarajukuが入ってくるのが本当にすごく嬉しいです。
楽しみです!!