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仕事は消極的に取り組むものと学んだ

私は最大手の旅行会社に入社後、同期の中で一番最初に好きな部署に異動させてもらったのにも関わらず、家族の都合でタイに移住することになり3年半で退社して、最先端テック・AIのライター(一時期はフルタイムで色々と)をやってきた。この短い間で紆余曲折あった中で、学んだことは、

「仕事は積極的には頑張らない。むしろ消極的に取り組む」ということである。


1.頑張りすぎると、人間は意外とすぐ壊れる

私はストレス耐性が人よりも弱い。コロナの時期に会社の健康診断でメンタルヘルスチェックがあった時に、同期の中、いや、部署で一人だけ、産業医との面談をした。忙しい時期に一人だけよくわからないMTGを入れているものだから目立ってしまったのである。

「鬱ではないけど、君はすぐにでもなる可能性あるからね〜、上手くリフレッシュするんだよ〜」と言われ、30分ほど長々と産業医の方とおしゃべりした。

自分の中では、イケてるはずなのだが、すぐに不調は体に現れる。激しい頭痛や、腹痛、そして発熱。
一人でも人数が欠けると回らなくなるので休めず、常備薬という常備薬を全てカバンに詰めて通勤する。
最初はカスタマーサポートの部署におり、政府がいかがわしいGOTOキャンペーンなるものを始めてしまったばかりに、ひっきりなしに電話がかかってくる。しかも政府が話を詰めないままに公表してしまうものだから、旅行会社も知らない情報ばかり。デマが飛び交い、イカレポんちや重度の認知症の方(身内で認知症がいるので電話で話すだけでわかる)からも電話がかかってくる。

そういうストレスもあったのだろうか、常に倦怠感があった。
私の中で「自分が壊れない程度にどれだけ仕事をできるか」がメインテーマとなった。

一方私は目の前の人にあれこれ指南するよりもマーケティングのようなよりマスに届ける仕事の方がやりたいし向いているという話をしていたら、SNS担当者となり、そして次は会社全体を動かす営業戦略を担う部門に異動となったのである。
そのあたりから頭痛は常にあれど、思いっきり体調をこじらせることも無くなった。

その後タイに来た後ライターをしているだけなら大丈夫だったが、フルタイムで関わり始めた途端また体が壊れた。突発性難聴になってしまったのだ。人からは見えない仕事が山となり、遅くまで仕事をしないと納期に間に合わない。これはやばいと、またライターに戻った。前職で心に誓ったのに、学んでいなかった。

2.暇そうな人には仕事が舞い込んでくる

本当にありがたいことに毎日暇がないほど、仕事や、やるべきことがある。
でも外から見たら、タイで悠々自適に過ごしている駐夫みたいな感じなので、色んなお仕事や活動に呼んでもらえることがある。これも友人たちと会食に行くたびに暇人のような振る舞いをしているおかげだろう。でもそれも偽りではなく、自然な振る舞いである。

なぜなら、時間に縛られる働き方ではないため(週に3回は固定の時間の仕事はあれど)、いつでも「働きながら遊んでいる」または「遊びながら働いている」感覚なのである。キッパリと働いている時間と遊ぶ時間を分けたい人もいると思うが、私はこれで全然良い。もちろんある程度やるべき順序はあれど、自分の気分で動く方が好きなので、これが心地よい。

3.真面目な人ほど損をする(仕事が遅くなる)

テック企業で働いて良かったことは、「どんどん楽をしよう」という発想が身についたことだ。エンジニア的思考で、処理を自動化できないかと常に考え調べることで、自分が手を動かすべきことを少なくするという考え方だ。もちろん楽をすればするほど、手が空けばそこに何かが舞い込むことがほとんどなのだが。

ちなみにその考え方は私が後からオプショナルでつけたものなので、元々の土台には、「仕事なんてしたくない、ずっと本読んでいたい」というのがある。

4.仕事をしなくても世界はいくらでも広げられる

仕事が大好きな人々の中には、
「仕事をしていないと世界が狭くなる」という人がいるが私はそうであるとは全く思わない。
本を読んでいればそれだけで世界は1mmでも広くなるし、実は私は今、大学院生としても文芸の研究を進めており、「自分の領域を広げる」という意味での世界は限りなく広がっている。まあ突き詰めるとこれもいずれは仕事になってしまうのかもしれないが、自分の好きなことで仕事になればそれは本望である。

5.息抜きの合間に仕事をする

タイに来てから感じたことは、生活と仕事が一体化している人が多いということだ。みんな楽しそうに仕事をしているのは、それが大前提だからだろう。
もちろん日本と同じく、フルタイムの時間帯はあり、システムには大きな違いはない。でも働きながら間食をするのも友達と電話したり、音楽を聴いたり、動画や映画を観ながら仕事をしている。それがよくみる風景だ。

その地点から考えるとなぜこんなにも日本的な働き方は息苦しい働き方なんだろう。タイのような働き方であっても、サービスを受ける側は何も変わらない。むしろピリついていないので、接していて気持ちいい。

この様子を見て、フリーランスになってからは、私は好きなことをやる合間に仕事をやる感じで1日を過ごしている。その方が良いコンテンツ内容になることもわかった。ただ、「好きなことをやる」時間にも無意識にかつ、ついでのような形で、仕事の返信をしたり、調べ物をしたりしている。結局1日あたり7時間は働いている感じな気もする。ただ、気持ち面ではだいぶ異なっている。

まとめ:仕事はあればやる程度にしておく

体は丈夫そうで意外と脆い。仕事は鼻くそほじりながらでもできるような、心の余裕の範囲でやるのが一番良い。そして自らは増やそうとしすぎない。(全くのゼロでも何かしらしているとイチになる可能性もある。これが今の信条だ。


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かぼちゃ太郎@タイ・チェンマイ ライター/エッセイスト
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