クリスマスも近付いて
クリスマスと聞いて、あなたはどの曲を思い浮かべるだろうか。王道なものから、自分の体験によって、クリスマスの曲ではないけれど思い出す曲などもあるかもしれない。
そんな中、私はクリスマスが近づくと、3つの曲を思い出す。
まず一つはキリンジの「千年紀末に降る雪は」だ。この曲は、プレゼントを配るサンタクロースの目線から、この冷え切った世の中を映し出している、まさに冬の空のような曲である。私は北の方の出身であるが、頬が痛くなるような寒さを感じながら歩いていく私に、この曲は寄り添うでも、離れるでもない絶妙な距離感で接してくれる。
もう一つの曲は、ROSSOの「シャロン」である。この曲は、当時スリーピースバンドとして活動していた、ミッシェルガンエレファントで有名なチバユウスケをフロントマンとするROSSOによって生み出された。チバユウスケは、そのサウンドや声からは想像もつかぬほど、繊細で美しい世界観を持つ男だった。このROSSOというバンド自体が冬や秋のようなオーラを持つ楽曲の多いバンドであるよう私には感じられるが、その中でもシャロンは、その極致にあるだろう。サンタクロースが死んだ朝にという、強烈な一言目から始まり、力強くも寂しさを感じさせるギターの音、それらを確実に支えるドラムとベースのバランスは、ものの見事に冬の切なさを作り上げている。
もちろん他にも様々な曲がこの時期の私の頭の中で再生される。ROSSOの「発光」は、シャロンと最後まで迷ったほどである。
皆さんは、どんな曲を頭に思い浮かべながら、クリスマスを待つのだろうか。