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アンディ・ウィアー『The Egg(卵)』

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読み終えまして、人の感想を読みてえ~~っとネットを漁っていたところ、同作者がネットで公開しているショートショートがあると知りました。

『The Egg(邦題:卵)』

公式サイトに掲載されている邦訳です。
5分もかからず読み終わる長さです。

こちらのネタバレ感想を下記に残します。









↓この先、ネタバレ







誤解しないでほしいことを最初に書きますが、この話と似たようなこと、昔考えていました。


これは何も、俺のアイディアがパクられた! って主張ではないです。そういう誤解をしないでほしいって話なんですけどね。


私自身は昔から死について考えることがあって。死を恐怖と捉えていて
そこから生まれ変わりが存在すればいいなあ、という願望もあって。

でもじゃあ生まれ変わりってどういうものなんだろう、と考えたりもしていて。
そこから、世の中の人全員が、「自分が生まれ変わった先」だったら面白いなあ、と思ったりしたんです。
この世の全ての生き物は一つの魂が循環している説。

自分にとっての理解者も、好きな人も嫌いな人も、全員が自分。ワオ。気持ち悪いね。
気持ち悪いけどそうだとしたら、人口分の人生を体感できて面白そうだなあ、と。途方もない長い旅路です。

ただ、人間の魂は循環しているけど、他の生き物がどうなのかは触れられていないのですよね。
人間の人生と他の生き物の人生、合計したらどちらのほうが長いんだろうなぁ。


まぁ同じ事を考えていたと言っても、アンディ氏の小説みたいに、
いつか神様になるとまでは考えませんでしたし、
こんなに面白く小説に仕立てることもできませんし、
誰かに話したことさえありませんでしたけど……(笑)

だけど、「この世のすべての人が自分だったら」と妄想した身として、同じようなことを考えた人がいるその事実に、なんだか嬉しくなりました。
私の場合は生まれ変わりへの妄想で、アンディ氏は「小説のネタ」として考えたのか、「生まれ変わりってこういうものかな」という思考から小説に転化させたのか、それはわかりませんけど。


ネット上の感想を見たときに「同じような感想を抱いた人」がいると嬉しくなるんですが、この作品の感想で「同じようなこと考えてた!」と話している人をあまり見かけなかったんですよね。

世界中の人が自分なら、他人に優しくするのは自分に優しくするのとおなじことなので、世界中が少しずつ優しくなりそうでいいこと……って感想をよく見かけた感じです。

あとこれは翻訳へのツッコミですけど。
リンカーンとブースの部分、あの関係になぞらえるなら"織田信長"と"豊臣秀吉"ではなく、"明智光秀"の方が適当な例では……ってツッコミはある。
個人的には翻訳なら無理に日本の武将になぞらえなくても良かった感じがする。雰囲気は翻訳小説のそれなのに突然日本的になって不自然だったし。

いっそ有名どころとして、カエサルとブルータスぐらい古風にしてもよかったのでは。……古すぎるか、さすがに。




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