【エッセイ】ネタバレの境界
境界と書いて《ボーダーライン》と読ませたい
……これはオタクの戯言です。
それはそうとネタバレのラインが難しい。
作品を紹介するときに、どこまでがネタバレかネタバレじゃないか、配慮し過ぎると何も言えなくなる。
『カメラを止めるな!』は社会現象と言えるレベルで流行した。(たいへん面白かった)
しかしあの作品を「ネタバレせず面白さを伝えなさい」と言われたら非常に難易度が高い。国語の問題なら満点の解答が見てみたいものだ。
観た人ならこの難しさがわかるだろうし、そんな作品だからこそ「面白いからとにかく観て!! ネタバレ踏む前に!!」と、勧められるまま観る人が多かったのだろう。意図的ではなくとも、説明の難しさが宣伝に一役買っているのは面白い。
そして『大怪獣のあとしまつ』がすさまじく不評だ。
私は観ていないので内容については何も言えない。予告編の時点では「気になるリスト」にいたのだ。公開日に良くないトレンド入りをして、ああ、この作品は観ないまま公開が終わるな、と予感がした。評判次第で観るか決めようと思っていたのだが、もう行く気になれない。
あの悪評っぷりで「初耳タイトルだけど絶対観ないリスト」に入れた人も多いんじゃあないか。
ネタバレというほどでもない、面白い・つまらないの話だけでも十二分に作品への意欲が変動してしまう。インターネットに傾倒する以前からクチコミに左右されていたが、ネットによって自分と似た感性をした人、言い換えれば似た作品を好む人の感想を目にする機会が増えたのも大きい。
ニュートラルに作品を見ることはきっともう不可能に近くて、少し人の感想を聞いただけでも必ずバイアスがかかってしまう。ネタバレとも違って、これは避けようがない。それも含めて面白さだが、あんまり極端な宣伝をされると冷めてしまう。
とくに「絶対に泣ける」と言われると「絶対泣かねえ〜」とケツイを抱いてしまうので、この手の宣伝だけは控えてほしいものである。
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