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【ライブレポ】ぼくなりの白キャン5周年ワンマン
水道橋までは、三田線を使ったほうが楽だった。
地下アイドルオタクのかべのおくです。
2022年11月18日、TOKYO DOME CITY(TDC)ホールで行われた真っ白なキャンバス 5周年ワンマンライブ 『希望、挫折、驚嘆、絶望、感謝 それが、私。』に参加してきました。
真っ白なキャンバス 5周年ワンマンライブ 『希望、挫折、驚嘆、絶望、感謝 それが、私。』
— 真っ白なキャンバス (@info_shirokyan) November 18, 2022
ありがとうございました!
5年前の今日、こんな景色を観れるとは夢にも思ってませんでした。皆とここまで来ました。
これからも真っ白なキャンバスをよろしくお願いします!#白キャンTDC#白キャン5周年 pic.twitter.com/GLYeVHjZOB
白キャンのことが、大好きになりました。
TDCホールは、真っ白なキャンバス(白キャン)がこれまでコンサートをやって来た中では最大となる動員数約3,000のキャパシティとなります(※ Zepp Divercityはスタンディングで約2,500)。5周年を迎える白キャンにとっては大きな挑戦でありながらも、これからを占う上で失敗は許されない、とても大事なライブでした。
僕はというと、はじめて白キャンのワンマンライブに参加するにあたって10,000字の作文をnoteで公開しました。
今回はこの答え合わせです。ライブの内容を振り返りつつ、そこから考えたことについて話します。
公演振り返り
開演前
開場時間に間に合うように会場に向かい、チケットを引き換え。ただ手売りチケットも席指定だったので、そんなに急ぐことはなかったと気づきました。
会場に入ると、メインステージには白の薄い幕が。「これはパフォーマンスに使われるのかも」なんて考えつつ1時間をやり過ごします。
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席は2階バルコニー。花道が作られていてアリーナ中央にセンターステージがあるので、そこまでメンバーが来てくれればギリギリ目視でも表情が確認できるくらいの距離でした。
入場時にはメンバーのメッセージ入りのフライヤーが配られました。裏にはグループのコンセプトが刻まれていました。
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公演中
いつものSEが鳴り始めると、先述の幕にこの日のために作ったであろうメンバー紹介VTRが映し出されました。「メンバーはどこから出てくるんだろう?」と思っていると、なんといきなりセンターステージに。これにはアリーナだけでなくバルコニー席の温度も上がります。
セトリは以下の通り。
1 アイデンティティ
2 闘う門には幸来たる
3 メンションガール(新曲)
4 ポイポイパッ
5 共に描く
(映像1)
6 ルーザーガール
7 パーサヴィア
8 ダンスインザライン
9 SHOUT
(映像2)
10 レイ
11 Whatever, happens, happens.
12 オーバーセンシティブ
13 わたしとばけもの
14 世界犯(新曲)
(MC)
15 キャンディタフト
16 全身全霊
17 HAPPY HAPPY TOMORROW
18 PART-TIME-DREAMER
EN1 いま踏み出せ夏
EN2 桜色カメラロール
(MC・各メンバー挨拶)
EN3 自由帳
長時間のライブとなると気になるのは、やはりMCや衣装替えのためのつなぎでしょう。演出の都合以外にも、メンバーの息を整えたり、観衆の集中力を保つためにも大切です。
今回の白キャンは、メンバーが演じる寸劇映像を流すという方法で対応してきました。その後の楽曲では映像の伏線回収、そして大きな流れは新曲「世界犯」へとつながっていたように感じられます。グループや楽曲の世界観を崩さない、素晴らしい演出でした。
中盤のMC以降は「これまでの5年間の感謝を伝えます」という橋本さんのコメントにふさわしく、これまで大事に歌い続けられてきた楽曲が続きました。「全身全霊」では過去映像を重ね合わせながら、メンバーが過去の自分達と共演するという泣ける演出。
長い公演ということもあり、アンコール明けのあいさつは手短でした。しかし、合宿の面談や作文の発表を経た今では、それぞれの言葉に込められた思いが少しずつ理解できるようになってきました。とくに初期からグループを引っ張ってきた小野寺さんの「白キャンにならなければ味あわなくて良かった感情も沢山あったけど、それも含めて全部の気持ちが大事でした」には、胸が熱くならざるを得ませんでした。
アンコールのラストはワンマンライブの定番、「自由帳」で締めくくられ、感動のうちに幕を閉じました。
退場時には、再びメンバーのメッセージが載った、今日の公演のセトリがもらえました。
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終演後
今回のワンマンライブは、前物販と後物販の特典券が事前にオンライン販売されていました。会場で購入画面を提示すると、特典券と引き換えられるシステムです。引き換えタイミングは開場後ならいつでもOK。おかげで特典券購入列にオタクが殺到することはなく、地下アイドル現場とは思えないほど整然とした雰囲気で特典会が進行していました。
ちなみに特典券が売れ残っている場合はその場で買い足すことも出来ました。しかしどのメンバーも、最終部(23:00~23:30)以外はほとんど完売している印象でした。
僕はというと、橋本美桜ちゃんの後物販特典券を2枚買っていました。なのでライブ中も、ピンクのサイリウムを光らせながら彼女を中心にライブを見ることになりました。
「推しメンがいる白キャン」のライブは、見え方が全く違っていました。対バンで幾度となく聞いてきた曲でも、注目するメンバーがいることで歌割りやフォーメーションを気にするようになり、一気に解像度が高まった気がします。橋本さんはライブ中も、TDCホールのバルコニー上方まで目を配ってくれていたような気がしました(気がしただけ)。
特典会では、手売りチケットでもちゃんと楽しめたことの感謝を伝えたら、とても喜んでいてもっと好きになりました。「みおちなら、自信を持って推せるかもしれない」。この決心が揺らがないことを願うばかりです。
感想戦
みんなで集まって見れるということ
開演前のトイレで、オタクのこんな会話が耳に飛び込んできました。
「みんなで白(※白キャンのこと)のライブを見にTDC来れてるのなんて幸せなことだよね」
そう、こんなに大きな会場で応援しているグループのライブが見られることは、もはやそれだけで幸せ、来ているだけで勝利が確定しているのです。
もちろん、普段はグループを応援していないけど、ワンマンライブだからこそ来たオタクだって多いでしょうし、僕もそうでした。しかし興味本位でもあっても「来てみたい」と思わせて、TDCを埋められるだけのオタクを集められるのはグループの規模を証明しているとも言えるでしょう。
僕は2階バルコニーから1階席やアリーナの盛り上がりを眺めていました。どのオタクも喜びを色んな手段で表現していて、それぞれがTDCという場所を楽しんでいるように見えました。しかしその楽しさはきっと一面的なものではありません。
「白キャンも、自分も、やっとここまでこれた。」
「ただ、今はライブが楽しい!」
「うわ、これ曲が分かったらもっと楽しいんだろうな...」
きっと「楽しい」に紛れて、感動、熱狂、後悔などの色んな感情が同居していると思います。しかしそれこそが大きな会場でライブをやることの醍醐味なのでしょう。どんな感情であれ、多くの人の記憶に刻まれる体験が、「文化」を作ってゆくんだと思います。
白キャンが次のアイドル文化を描こうとしている。そんな現場に居合わせた僕は間違いなく幸せだったんだと思います。
「遅すぎる」なんてことはない
結成5周年を迎えたグループを今から応援し始めるのは、地下アイドルオタクとして遅い方だと思います。とくに白キャンのように着実に規模を拡大し続けているアイドルに今から参入するのは、投資的思考から言えばあまり褒められたものではありません。
しかし白キャンのすごいところは、僕が推そうか推さまいか二の足を踏んでいた時期でさえも、心のどこかに存在し続けていたことでした。主現場とは関係なく白キャン運営やそのオタクの動向は常に注目されていましたし、居合わせたステージでのパフォーマンスはいつも心に刻まれるものでした。
そして、今回のワンマンは僕に救いをもたらしてくれました。それは白キャンのセトリにのせてこれまでを振り返れたからです。
地下アイドルという世界に出会い、純粋に楽しかった2019年。
それまでの日常が送れなくなり、ただ苦しかった2020年。
ウイルスの脅威に怯えつつも、徐々に希望を見出し始めた2021年。
そして、耐え忍ぶ日々を乗り越えつつある2022年。
これらの日々はすべて無駄ではなく、むしろこの3年を過ごせたからこそ、僕は白キャンに出会え直せたのだと思います。長かったもののようやく準備が整ったという感覚です。
結局、地下アイドルオタクにとって推し始めるのに遅すぎるなんてことはないと思います。アイドルは投資ではありませんし、オタクはそんな合理的には動けません。すでに描かれたキャンバスを眺めているだけでもいいし、筆を取ってそこに何かを書き足したっていいと思います。
だから僕もこれからは真っ白なキャンバスが描く夢を見守りつつ、許されるならそこにときどき線を書き加えたり、色を付け足せるような関わり方ができたらと。
おわりに
まとめます。
「世界犯」のMV、100回は見る。
以上です。