【ライブレポ】JamsCollection 7thワンマンLIVE at 日本武道館『We are JamsCollection!!!!!!!!!』
喜怒哀楽の重奏を、未来に。
地下アイドルオタクのかべのおくです。
2024年11月12日、日本武道館で行われた「JamsCollection 7thワンマンLIVE at 日本武道館『We are JamsCollection!!!!!!!!!』」に、行ってきました。
感動した、本当に。
平坦ではなかったここまでの道。決して楽ではない地道な活動の果てに、「武道館アイドル」にJamsCollectionが名を連ねることになったこと、非常に感慨深いものとなりました。
本noteを執筆中、ジャムズが置かれた境遇は、刻一刻と変化していました。しかしなるべくそういった情報はなるべく排して、当日の感動だけを伝えるように努めます。
公演概要
JamsCollectionの7度目となる大規模ワンマンライブ。「結成3年目で日本武道館を目指す」という目標を掲げていたグループの悲願となる舞台だった。
発表〜当日まで
ジャムズの日本武道館は、2023年10月22日の幕張メッセワンマンライブが終わった瞬間から始まっていた。
とにかく、ただならぬ発表であることを予感させていた。
年末にはメンバー個人のティザームービーも公開され、待つ側の楽しみな気持ちは加速させた。
結局、発表は能登半島地震の影響で1週間延期。発表は1月7日、公式YouTubeチャンネルにて行われた。
待たされたファンからしてみると、まさに悲願ともいえる発表だった。
その後、日本武道館に向けたドキュメンタリーを順次更新。
春からのツアーは、意外にも8人体制になってから初めてのツアーを開催。
TIF2024ではHOT STAGEに立っただけでなく、HEAT GARAGEにて3日間の大トリを任され、その勢いを遺憾無く見せつけた。
そして、公演前日にして前売り券はソールドアウト。
ロングランでの準備を経て、ついに最高の舞台への準備が整った。
物販~開演まで
当日は11時から物販が行われた。
去年と同様、2種類のくじに加えて記念グッズと、豪華なラインナップ。当然の如く、くじは全て完売した。
著者も記念の意味を兼ねて、プレミアムくじと、スペシャルくじを購入。当たったグッズをあたふたしながら交換し、また並んでは交換し、それが済んだらやっと記念グッズ購入。ライブが始まる前から、果てしない疲労感を覚えていた。
ライブ開始は18時30分だったが、開場はその1時間前の17時30分。
残念ながら会場内は撮影不可だったものの、お城のイラストが映し出された巨大なビジョンをバックにした、巨大なメインステージと、フロア中央に座する花道とセンターステージ。これから目にするものが、ただの「ワンマンライブ」でないことを予感させた。
ライブ振り返り
セトリを見ながらライブを振り返ってゆく。画像は、セトリ投稿担当だった神楽胡音さんが、11月15日に投稿したものである。
オープニング映像、分かる人からすると刺さる言葉選びをしててセンスが神がかっていた。水瀬さんの「憧れのあの人に近づけていますか」は誰なのかはすぐに分かったし、神楽さんの「大好きな歌を歌えていますか」も、彼女の出自を踏まえた言葉だと分かり、個人的にすごく響いた。
「疾走ドリーマー」の特別イントロは、ツアー振り返り動画でもピックアップされていたもの。ツアーの思い出と同時に蘇ってきてエモくなった人が多かったのでは。動画とステージをうまく融合させられるのは、動画素材をちゃんと残していてそれを生かせるジャムズらしい戦略だと思う。
この「疾走ドリーマー」と、終盤の2曲(「涙、ふわり。」と「誰かのヒーローになりたくて」)はオーケストラ付きであった。もともとストリングスが曲に入ってはいるものの、広い日本武道館でより豪華に聞かせるという意味では、視覚的にも聴覚的にもとても効果的であったと思う。
「独占オンステージ」は数少ない7人時代の楽曲。小此木さんが「今日はジャムズが武道館を独占しちゃうよ~!」と言っていたが、落ちサビでまさに彼女が日本武道館を「独占」しててすごくよかった。
ジャムズのデビュー楽曲である「smile×smile」、この歌詞が日本武道館で歌われるのあまりにも感慨深い。
果たして作曲者は、「長い道の先にある景色」に、何を想像していたのだろうか。今と現在、立っている場所は全く違っているはずなのに、未来を予期するかのような楽曲には感服せざるを得ない。
「爱你」から「夏ときめいちゃいマッスル!」までの流れは屈指の沸き曲ゾーン。もちろんライブハウスでバチバチに歌って踊る彼女達も好きなのだが、センターステージや花道、サポートのダンサーを生かして会場全体が沸いている光景は圧巻で、脳内快楽物質が分泌されているのを感じた。あと、「Let me down」のサビで推しメン(保科さん)が花道の目の前まで来てくれて、「あ、ここにいたのね!」みたいな顔つきしてくれたのは個人的ハイライト。
ことあるごとに、メンバーがMVを作ってほしいと言っていた「青いペディキュア」。日本武道館で曲を題材にしたミニドラマまで作られて、満を持して披露される未来を誰が予期していただろうか。イントロが聞こえた瞬間、あまりの完璧な流れに震えた。で、そろそろMV作りませんか…?
新曲「シンデレラマインド」は、過去の楽曲との関連性を見たうえで、日本武道館で披露された意味を考えたい。前述した「疾走ドリーマー」の歌い出しは以下の通り。
ジャムズが叶えた「神田明神ホールでデビューした地下アイドルが、人気を獲得して3年で日本武道館に立つ」という夢は、まさにシンデレラストーリー。そんな夢の舞台で披露されたのが「シンデレラマインド」なのである。
しかもジャムズのワンマン特製衣装は、まさにシンデレラを意識したかのような豪華で広がりのあるものだった。とはいえ楽曲自体はカッコよくて、それをメンバーがしゃかりきに踊るギャップも良かった。
終盤、「ドキドキシャッターチャンス」は撮影可能。その後の「最先端フォーミュラー」から「冬空ラプソディー」までの流れは、ジャムズとオタクが育ててきた楽曲達であり、圧巻の一言。「Ready→NOW!」で花道にいた推しメンから、変態的な角度でレスもらったのは個人的ハイライトその2。
「誰かのヒーローになれたなら」の落ちサビアカペラは、1年半前のZepp DiverCity、坂東遥さん卒業記念ライブを想起させた。
あの時、坂東さんは1人でこのフレーズを歌いきったのは、全オタクの心に刻まれる名シーンであった。日本武道館で同じ箇所を8人が息を揃えて歌い切ったのは、客席に見に来ているであろう彼女に向けた最大限の恩返しだったのではなかろうか。
アンコール開けで激エモな新曲を持ってくる流れは信じられないくらいのベタベタ展開だけど、「日本武道館初単独公演」というこの機会でしか許されない気もするので、立ち会えてよかった。個人的には、FRUITS ZIPPERが初めての日本武道館単独ライブのアンコールで披露した「虹」と比較しながら見ていた。「剥がれたペンキ」の歌詞は、僕と君のストーリーで(だったはず?)、これは他のグループにはないジャムズらしさである。
前述の「smile×smile」にも「2人なんだから」という表現が見られるが、ジャムズの楽曲はファンをファン全体として捉えず、ファン個人とメンバーの関係性を意識した楽曲が多い。これはグループ名の由来である「大好きな曲、大好きな人、可愛い、カッコいい、みんなの大好きなものが詰まってる」に沿っているのではないかと考えられる。そんなファン一人ひとりと寄り添ったジャムズが日本武道館で披露した新曲が「剥がれたペンキ」であることは、非常に感慨深い。
メンバーからのコメント、手短ではあったがとても「らしさ」を感じた。これについては後述する。とくに普段感情を見せない神楽さんが、人目をはばからず涙を流して感謝を伝えていたのが印象的だった。美人の涙は美しい。
グループの発起人である津代さんからの「これからも着いてきてくれると嬉しいです」という前向きな宣言に、初期メンバーの保科さんが珍しく涙している光景は、本当に素敵な関係性だと思う。
一宮さんのコメントで、「これからも色々あると思うけど…」と言った時、会場全体に少しばかりの緊張が走った気がする。ジャムズの(特に初期から応援してきた)オタクからすれば、それは身に染みるほど分かっているし、きっとこれからもそうなんだろうとみんなが覚悟しているんだと思う。その直後、「Believe in Belirver」のこの歌詞はフラグ回収した感がすごかった。
きっとこの後何が起こっても、ジャムズはファンと一緒に前を向いて進んで行くんだろうと感じた。そしてそれは、この後に起こってしまったこと踏まえた今となっても変わらない。
総括
これまでのジャムズの集大成と言える、グループの良さを遺憾無く発揮した作り込まれたライブだったと思います。単に演出に力を入れるだけでなく、ファンにこれまでの歩みを思い出させるようなパフォーマンスや、映像コンテンツも絡めた巧みな構成になっていたように感じられました。
この日本武道館ワンマン、メンバーが一貫してコメント伝えていたのは「感謝」でした。それは、ファン、関係者、マネジメント陣、家族など、様々な人に向けられていたように思います。
ジャムズの歩みは決して順風満帆ではありませんでした。デビュー時にはアイドル初心者だったり、地方出身者だったりで、ほぼ無名のメンバーもいました。2022年にはグループ解散の危機すらありました。そんな中でも叩き上げで人気を獲得して日本武道館に立ったことは、ファンもプロデューサーも、そしてメンバーすらも予測し得なかった結末だと思います。
このライブの前、僕は朝井リョウの「武道館」という小説を読みました。感想noteはこちら↓
作中で、主人公の愛子は同じグループのメンバーである碧に、「武道館とはどういう場所か?」と聞かれて、このように答えました。
「人が、人の幸せを見たいと思わせてくれる場所」。ジャムズが日本武道館で作り上げた空間は、まさにそういう場所だったなとつくづく思います。
僕はアイドルが生み出すコンテンツの中でもライブが一番好きなオタクです。だから、アイドルは受け取った応援はステージで返すべきだと考えています。そうしてオタクの応援は更に加熱し、アイドルはより大きなステージに立てるようになるのが理想のサイクルではないでしょうか。そう考えると、日本武道館は「ライブアイドル」が辿り着ける最終到達地点なのでしょう。きっと、これ以上でもこれ以下でもなく、日本武道館じゃないとダメなんだと思います。
僕はこの部分を書いているのは、8人のジャムズがもう二度と見られなくなってしまったことが分かった後です。しかしだからこそ、二度と戻れない瞬間、あの2024年11月12日に目に焼き付けた景色を、思い出すたびに愛おしく感じるのです。
推しメンとのこれまでと今後
メンバーがオタク一人ひとりと向き合い、日本武道館へと上り詰めたアイドル、JamsCollection。というわけで僕も、推しメンである保科凜さんとの関係性について語りたいと思います。
JamsCollectionというグループを初めてライブで見たのは2021年5月、O-EASTの対バンだったと記録に残ってます。
当時は津代さんと坂東さんしか知っているメンバーがおらず、残り7人のビジュアルレベルも高くて選びきれなかったと投稿していました。
初めて保科さんと話したのは、2021年6月11日、ジャムズと、同事務所のMyDearDarlin’の合同ツアーの東京公演でした。
前回のライブから3週間程度、多分何かしらは予習をしたうえで臨んだはずですが、結局のところ保科さんを選んだのは「なんか顔が好き」という程度のものだったと記憶しています。
その頃、彼女は毎日SHOWROOM配信を行っていました。しかも、余裕がある時は朝と夜の2回。それもあってか、ライブの間隔が空いてもモチベが継続したのが大きかったように思います。
その後、8月30日のライブに参加したところでちゃんと「このグループを、この子を推そう」と決心した記憶があります。その時の感想noteはこちら。
その後は、ほぼ全てのワンマンライブで、歩みを見てきました。時が流れて、昨年の幕張メッセの時に書いたレポがこちら。
幕張メッセワンマン後に保科さんに起こった変化といえば、大学を卒業して「専業アイドル」になったことです。正直、今まで学業とアイドルを両立することでモチベを保っていた彼女が、果たしてどうなってしまうのか…?半分親みたいな気持ちで見守っていました。しかしその心配は杞憂だったようで、むしろ自分はアイドルとして何が強みになるのか、それを深掘る時間になったようです。
日本武道館公演のMCやFCブログでは、保科さんは他のメンバー以上にファンの大切さを伝えているのが印象的でした。歌やダンスが他メンバーと比べて秀でていない彼女にとって、アイドルとしての武器はトーク力だと考えたのだと思います。@JAM EXPOのトークコーナーでも、「特典会でファンの人と上手く話せると嬉しい」と話していたことも、それを物語っています。
確かに僕が保科さんの魅力を考えたとしても、特典会の楽しさが第一に挙がってくるように思います。ちゃんとオタク一人ひとりのことを覚えていて、それを瞬時に提示してくれるので話題に全く困りません。ライブでも徐々に煽りやMCを任されるようになり、パフォーマンスの苦手をある程度カバー出来るようになって来たのではないかとも思います。
どのみち、初期から応援していた推しメンが日本武道館に立ったというのは、なかなか体験し得ない幸せな経験でした。別に自分が育てたと言うつもりは微塵もありませんが、保科さんには、ここまで続けてくれたこと、応援させてくれたことに感謝しかありません。
そして今後はグループを支える、屋台骨を任される存在となってゆくのではないかと思います。辛い時には、今までと同じようにオタクに頼ってください。きっと僕だけでは支えきれないけれど、100人いれば支えきれるとしたら、その1人くらいにはなれると思うので。
まだまだ書きたいことはありますが、彼女とグループの未来に希望を託して、そろそろ筆を置くことにします。
おわりに
まとめます。
リスタート地点は目の前に。
以上です。