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地下アイドルオタク、初めてお手紙を書いた

「社会人になってから、文字書かなくなって~」という言い訳、世界で一番わけわからん。

そもそもこの言い訳自体、最近あまり聞かなくなった気がする。地下アイドルオタクのかべのおくです。


恥ずかしながら地下アイドルオタクになって、初めてお手紙というものを書きました。

その過程で「そういえば手紙ってどうやってかけばいいんだ?」となりつつもなんとか書き上げた経緯があったので、だいぶ気持ちが整理できたここらへんでまとめておきたいと思います。


誰に書いたのか

ネコプラpixx.青担当だった世良あかりさんです。

本人X投稿より

世良さんは2021年にネコプラmom.に加入。そこから約3年半という、FreeK所属アイドルとしては異例の活動期間を誇っていました。

しかし、2024年6月23日の卒業公演でのグループを卒業、同時に芸能界引退を発表しました。

世良さんにアイドル復帰を打診した盟友の高宮さくらさんも、ほぼ同時に卒業。

なんというか、非常に納得のいく円満な卒業でした。

手紙書こうと思った理由

大きく2つの理由があります。


まず、シンプルに残された時間が短すぎたためです。

世良さんが卒業を発表してから、卒業公演までの期間は約1ヶ月弱。これを長いと捉えるか、短いと捉えるかは人次第でしょう。少なくとも僕は「そんなんすぐやん」という気持ちでした。普段は月2~3回ネコプラに行けば満足していた自分にとって、そこからリソースをネコプラに全集中させることはだいぶ厳しいものがあったためです。

もしネコプラを知って半年以内で、世良さんが初めての推しメンならそうしたかもしれません。しかしすでに4年ほどネコプラを見てきて、色々なことを知りすぎている僕には困難でした。「ネコプラを優先することで失うものが多すぎるな」ということが、目に見えてしまっていたのです。



もう一つに、世良さんに対する思いが、あまりにも個人的過ぎたため、というのがあります。

もともと、僕には永瀬かのんさんという推しメンがいました。しかし世良さんはそれを知りつつも、話しに行った時には温かく迎えてくれたのです。シンプルに顔が僕のタイプだったというのもありますが、その人柄の良さに惹かれてしまっていました。

また、身体的にベストでない中、古くからの仲間だった高宮さんの求めに応じてアイドルに復帰した義理堅さにも惚れました。持ち前の面倒見のいい性格は、ネコプラというチームが結束を高め、武道館ライブを成功させる上で重要な役割を果たしていたことは明らかでした。

いったいどこから話せばいいのか皆目分からない。それらをすべて特典会で伝える選択肢もあったでしょうが、それは明らかに時間とお金の無駄です。それに僕は最後まで、アイドルの「世良あかり」との会話を楽しみたい気持ちが強くありました。


まとめると、話したいことが多すぎるうえに、時間もない。それなら手紙に託してしまおうとなったわけです。

お手紙の内容

簡単に手紙の構成を考えてから書き始めました。テーマは、世良さんがアイドルじゃなくなってからも、心の支えの一部になること。そのうえで、彼女のどこが好きで、彼女に出会えてどう変われたのかをできるだけ一人称でつづりました。

〇書き出し・・・なんでこの手紙を書くのか
〇いつ知ったか・・・前グループで初めて世良さんを見つけた時のこと
〇ネコプラと自分・・・世良さんが加入するまでの自分のこと
〇何で好きになったのか・・・世良さんを好きになったきっかけ。生誕祭や特典会、動画配信のこと
〇懺悔・・・他にも推しメンがいたことの複雑な思い
〇感謝・・・約2年間の感謝

さすがに一発で手書きするのは怖かったので、PCに下書きしてから紙に清書しました。所要時間は、下書きに1時間、便せん調達に1時間、清書に2時間で、トータル4時間程度です。


卒業ライブの感想

手紙も無事に書きあげ、万全の状態で池袋Mixaでの卒業ライブを迎えました。

ライブレポが本noteの主旨ではないので手短に示しますが、もうネコプラに思い残すことはないだろうなと思える、万感のライブでした。

パラレル時代を思い出すRun and Run。高宮さんが「寂しげな月あかり」を大切に歌うプロミスサマー。個人的にネコプラオタクの原点とも言うべきにゃんらふるらいふ。そしてオタクと肩組んで歌ったfootsteps。

カバー曲の「サヨナラの意味」は、まるで世良さん自身とオタクの明るい未来を願うかのように歌い上げられました。

最後の特典会、世良さんからは「幸せになってね」と言われ、会場を後にしました。


手紙を書いてみて

今までアイドルの卒業公演には何度も参加してきましたが、一番気持ちを整理したうえで臨めた気がします。手紙を渡したからといって返事がくるわけではありませんし、そんなことは期待してもいません。しかし、自分がどれだけその人のことが好きだったのかを改めて思い返す意味で、非常に重要な意味を持っていました。


何より手紙の特徴は、書き手と読み手の二者にしか読まれない、閉鎖性の高いメディアであることです。noteやブログでは、不特定多数の人に読まれることを意識してしまいます。しかしあくまでも本人だけに届ければいい、ということから、色々な感情をさらけ出せたように思います。


また、実際に相手に送るとなると便せんや封筒を選ぶにも気を使いますし、スマホにメモをしても実際に自分の字で綴らなくてはいけません。そんな時間も、その子のためだけに人生を使っている感じがして特別に感じました。


今後も送るか送らないかは別にして、大事な機会には手紙を書いてみようかなと思います。


おわりに

まとめます。

そろそろ、成仏しないと。

以上です。


番外編:推しが1日だけ復帰した

いい感じに忘れかけてきたな~と思っていた8月のお盆休み、1日だけ里帰りするチャンスが訪れました。なんと、メンバーの琴音あいさんの生誕祭で、世良さん・高宮さんが1日限定でステージ復帰することに。

もう2度と来ることはない、と思っていたネコプラ現場に訪れました。

久しぶりに見た世良さんはすっかり髪も伸びて、アイドルというよりも「綺麗な女の子」になっていました。

ライブでは琴音さん、高宮さん、世良さんの3人で「ハート型ウイルス」、MC明けにサプライズで旧メン6人で「冒険少女」を披露。

高宮さんの力強い煽りとしなやかな世良さんのダンス、泣きじゃくる瀬川さやさん。かつてのネコプラとほとんど変わらない景色でした。


終演後には写メや動画撮影の時間もありました。

「久しぶり、元気?あかりはちゃんと働いてるよ」
「髪切ったの?似合ってるね~」

アイドル時代と変わらない、「世良あかり」がまだそこにいました。

こんな風に、時には忘れつつも、時には思い出して引き戻されながら、記憶というものは昇華していくんじゃないかなと思います。

ともあれ、僕はまだ成仏できないみたいです。

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