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推しが旅立っても、人生は続く

最近、アイドル界では「貢献者」とも言えるメンバーの卒業が相次いでいます。

高山一実さん(乃木坂46):11月21日@東京ドーム
横山由依さん(AKB48):11月27日@パシフィコ横浜大ホール
金澤朋子さん(Juice=Juice):11月24日@横浜アリーナ

もうみんな、おしもおされもせぬリーダー格のアイドル達です。

残念ながら僕は金澤さんについてはあまり知りません。しかし、高山さんと横山さんは僕がAKB・乃木坂オタクだった頃の中心メンバーでした。

彼女たちの卒業は、一時代の終わりを感じさせます。



その同時期、僕の推しは彼女達のキャパ何十分の一という会場で旅立ちました。


※長くなりますが、どうかご了承ください。


はじめに

2021年11月28日、BenjaminJasmine(ベンジャス)の喜多見思叶(きたみ・ことか)さんの卒業公演に参加しました。

9月に卒業が発表されてからじつに2ヶ月、超ロングランでの卒業となりました。おかげで、気持ちの整理をだいぶつけて、ライブまでやって来ました。

「推しの卒業当日なのに、こんな平穏な心でいいんだろうか?」とまで思いつつ、もはやコレットプロモーションのホームと言っても過言ではないセレネスタジオに向かいました。




この子を推してて、本当に幸せだった。


決して100%のパフォーマンスとは言えなかったかもしれませんが、今できる最大限をやろうとしていることが伝わりました。


また、全メンバー通して、曲振りや煽りが秀逸でした。

ライブ中盤に、「同じ空に」という曲があったのですが、リーダーの高梨螢(ほたる)さんのこんな曲振りから始まりました。

みなさん、ことかに初めてあった時のことを覚えていますか?


この曲の2番のサビは、こんな歌詞です。

嬉しいことがあると最初に
思い浮かぶのは君なんだ



僕は、推しメンと一緒にガン泣きしていました。



喜多見さんの卒業にあたってのスピーチでは、いままであまり話されなかったことについても触れていました。

ベンジャスが4人になってからどうやって活動してきたのかは、卒業する彼女にしか言葉にできない、大きな意味があると思います。


彼女には、まだ人生において乗り越えなくてはいけない壁が沢山あるはず。将来を考えると、絶対不安だって沢山あるはずです。

それなのに、最後の最後までオタクのことを思いやるアイドルでいてくれたこと、感謝の念が尽きません。



推しメンも、同じ空の下で頑張っているはず。

今度あった時に恥ずかしくないように、僕も一生懸命毎日を生きよう。

そんな決意を新たにした、卒業公演でした。


推しに対して思うこと


喜多見さんは、僕にとって初めてちゃんと卒業を見送るメンバーとなりました。

卒業理由は学業専念。残念だけど、仕方ない。むしろまともな理由で本当に安心しました。



正直、好不調のだいぶムラがあるアイドルでした。

ベンジャスの楽曲、ダンスはかなりレベルが高く、曲の内容も感情の起伏がかなりあります。

体力的・精神的に消耗が激しかったことでしょう。スキルが追いついていない中で無理をしてるのかな…と感じる場面もありました。


しかし、そもそもアイドルは旬の期間が短いもの。

限られた時間で必死に生命を燃やす姿に、僕は惹かれたのだと思います。

決して器用な人間ではないように見受けられましたが、だからこそ僕は、そんな姿に自分に重ね合わせてしまったのかもしれません。


たぶん彼女がいなければ、僕はベンジャスの現場に通うことはなかったかもしれません。実は緊急事態宣言を明けて、真っ先に再開した有観客ライブはベンジャスでした。

僕を孤独や寂しさから救ってくれた存在、それがベンジャスであり、彼女でした。


喜多見さんはまだ18歳。まだまだ思いを叶えられる時間は沢山あるはずです。

アイドルが実はセカンドキャリアに役立つということは、元SDN48の大木亜希子さんが「アイドル、やめました。」という自著で語っています。



アイドルになったからといってずっとアイドルをやっている必要はない。

「私は、アイドルだった」という宝物を胸に、次のステップへと進む。


これもひとつのアイドルのありうる姿だと思います。


※以上で感想は終わったのですが、せっかくなのでもうちょっと語らせてください。


卒業発表は、末期ガン宣告と同じ


最後の特典会に並んでいる時、


「もうやり残した事ないわ。」


というオタクの言葉を耳にしました。

これは、喜多見思叶というアイドルの成功を意味すると思います。



僕の好きな映画に「最高の人生の見つけ方」という作品があります。

末期ガンを宣告された老人2人が、「死ぬ前にやることリスト(英名はバケツリスト)」を順番に実行してゆくという作品です。リストを消費するごとに2人の絆は深まってゆき、最期は同じ墓に入ってゆきます。

死期を宣告された人間は、誰しもがショックを受けます。

なんで自分が...
残された家族がいるのに...

しかし、人間はそのまま終わるわけではありません。多くの人間は、そこから必ず前向きになって、残された人生を輝かせるのです。


終わりを知ったら、人は強くなれる。


推しが卒業発表した後のオタクも、これに近いのではないでしょうか?

9月末に彼女の卒業が発表された直後は、色んな感情が渦巻きました。

なんでもっと会いに行ってあげなかったんだろう...
コロナがなければ、もっと思い出が沢山作れたのに...

しかし徐々にそういった気持ちに整理をつけ、「最後まで悔いを残さず終わろう。」という思いで、2か月を過ごすことができました。


彼女の最後の大規模フェスとなったTIF2021。スマイルガーデンでのベンジャスのパフォーマンスは忘れられないものになりました。



アイドルとしての成功は、決して多くの人を幸せにすることではないと思います。


「もう思い残したことはない」と言って他界していく、

そんなオタクが一人でもいればいい。


これこそ、アイドルの本望なのかも知れません。


おわりに

まとめます。


僕は、他界できなさそうです。


以上です。

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