幸せさがし
18歳の時に出会った本のタイトルだった。
「幸せさがし」
どうやら、幸福論というタイトルで既に世に出ていた本で、文庫版を出版するにあたり改題されたようだ。まえがきにそう記されていた。
「一九九六年 冬」とある。
わたしはその文庫版の本を出版から1年後に購入したことになる。
幸福論と書いてあるより、幸せさがしと書いてある方が18歳のわたしにはよかったのだと思う。(ちょうどそれを探していた頃だったから)
何十年かぶりにAmazonで探してみた。あった。
Kindleでそのページをめくってみた。
通っていた高校の国語の先生が少し変わっていて、ものすごく映画好きな事はわかったのだが、リュックベッソンの「レオン」を観るだけという授業があり、勉強の内容も自由な学校だった。(工業高校で授業が1.5Hだった、半分寝ていた)
きっと、そんな事も影響して洋画を観るようになっていたから、この新井満の本に書かれている映画の事もすんなり入ってきた。フランス映画が取り上げられていた。
以下、うまく書けないけど、書いてみます。
第三章に書かれていた事。それは結末だけ覚えていた。脱皮という言葉だった。
その第三章にも映画のストーリーの引用がもちろんあって、さらに新井満自身の夫婦の事が書かれていて。奥様が枕元で「ねぇあなた、相談があるの。」と話し始めるのだそうだ。主婦である奥様は毎日つまらないのだそうだ。それで、ご主人が色々提案して、ライセンスを取ったり何かに没頭するのだけど、なぜか4年ごとにあった寝る直前の相談ごと。新井満はその出来事を「脱皮」と呼んでいた。
話は変わるが、先日、どうでもいい話で時々盛り上がる友達からある事を告白されて困ってしまった。パートナーが二人いるらしい。「軽蔑するよね?」と。
家族がいて、彼氏がいる。それになんと答えようか迷ったが、まあ、通らなくてもいい道をわざわざ通っているわけで、彼女なりの言い分もあるのだろうから否定はしなかった。40歳を超えると色々ある。わたしも大人へと成長する中で抱えてしまったもの、彼女にもある事を知っていたし、言わなくていいことをあえて話してきたのは叱って欲しかったのかもしれないし…。
そんな中で途中になっていた曽我部さんの本を読んだ。
(好きなことをする事に抵抗を感じていたのかもしれないし、すぐに読み切らなかったのはただ春という時期が忙しかっただけかもしれない。)
そのままの曽我部さん。知らなかった事ばかり。わたしがこの20年で行ったライブの曽我部さんと重ねたりした。ライブ後の物販で笑顔を見せてくれる曽我部さんが印象強かったし、作品が好きだったから曽我部さんがどういう方であるかはあまり知らなかった。
2000年のソロ初作品「ギター」のお披露目ライブにもいきましたよー!場所は新宿だった。
新宿のシアター、今すぐに行きたくなった。
(素直な気持ちがたくさんで、同じ本を読みたいし、エッセイに登場する映画を5回観たいと思ったし、とにかく懐かしい気持ちになれた。サニーデイ・サービスが好きです、という気持ち。)
さて、話を叱ってほしいのかもしれない友達の話に戻るとだけど。
新井満の奥様の脱皮、これなんだと思うとわたしは思った。
パートナーに飽きたのではなくて、そんな自分に飽きている。飽きたから何かとんでもなく違うことをしてみたい。そういうことなのだろうと。
脱皮をした彼女が次の脱皮をするのを待とうと思う。余計な事は言わないでおこうと思う。
わたしは先日44歳になった。じつは50歳になるのが待ち遠しい。わくわく。毎日がつまらないと思う時がまったくないわけじゃないけど、わくわくしている時間の方が30代よりも多くなっている、とそう思う。
夫の誕生日プレゼントだって、とても素敵なものだった。
夫がどんな顔をしてそれを買ったのか、後ろから見たいんだけど、そういうのは見えないからいいのかもしれない。
娘が「だいすき」ってよく言っている。パパがだいすきである。その「だいすき」がケーキに書いてあった。ケーキ屋さんにどんな顔で言ったのだろう?
「恥ずかしくなかったの?」と聞いた。
「知らないおじさん(ケーキ屋のオーナー)だから別に恥ずかしくない。」
ふーん、そういうものなのかな!
今日は、いつもの奥卯辰山公園で遊んだ。娘たちのいとこ、姪っ子のAちゃんと遊ぶ日。
お義母さんのつくるお昼ご飯を皆んなで食べる日。なんでもない毎日の最高にしあわせなひととき。
凧揚げをして、引っかかった!
皆んなで大笑い。あー楽しかった。
素敵な誕生日を過ごしました!!
なんとも長い報告になりましたけども、今年もどうぞよろしくお願いします〜
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