司法書士に聞いた借金完済後の過払い金請求のメリット・デメリット
今、話題の過払い金請求。ひとくちに過払い金請求といってもひとそれぞれ状況によって様々なメリット・デメリットがあります。お金が返ってくる?ブラックリストにのる?情報があふれて何が正しいかわからなくなっていませんか?ここでは完済後の過払い金請求のメリット・デメリットについて司法書士にお話を伺いました。
先生!過払い金請求がTVやCMで話題になってますけど、デメリットってないんでしょうか?
いい質問だね。基本的には過払い金請求にはデメリットはないとされているね。でも個人の状況によってデメリットがあるんだ。例えば借金を完済した人と返済中の人でメリット・デメリットも変わってくるよ。
何だか細かく違いがあって難しそうですね…
それでは今回は完済後の過払い金請求のメリット・デメリットについて詳しく説明していこう。
そもそも過払い金請求とは?
過払い金請求とは2008年より以前に消費者金融や信販会社が、利息制限法の上限金利に違反して高い貸し付けをおこなっていたことに対して、過去に払い過ぎた利息分を取り戻す権利のことです。
借金を完済した人が過払い金請求をするメリット
借金を完済している場合に過払い金請求をするのメリットはお金がかえってくること、正確には、払い過ぎた利息が返ってくる事となります。後述にもありますが、完済している場合、信用情報機関に事故情報が登録される(一般的に言われているブラックリストにのる)ことはありません。
借金を完済した人が過払い金請求をするデメリット
完済した人が過払い金請求をする大きなデメリットはありません。 あえてあげるとすれば、過払い金請求をおこなった金融業者及び信販会社から再度借り入れを行うことやクレジットカードをつくることが難しくなります。これは信用情報機関に事故情報が登録される(一般的に言われているブラックリストにのる)というわけではなく、金融機関は自社で事故情報を持ち続ける傾向にあるためです。
デメリットではありませんが、過払い金請求をする貸金業者でショッピングの残債がある場合、返還された過払い金をショピングの返済にあてることになりますのでち注意が必要です。
しかし、他社のクレジットカード作成や金融業者からの借り入れはおこなうことができます。高速道路で使用するETCカードも同様で他社のものであれば作成することはできます。
完済済みの方に関しては特に大きなデメリットがないので、過払い金請求をおこなうことをおすすめします。 過払い金請求には最終取引日から10年で時効が成立することが法律で定められています。過去に借金をしていたかたはぜひ一度、司法書士及び弁護士などの専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。
過払い金請求で信用情報機関に事故情報が登録されてしまったら?
2010年以前は過払い金請求をして残債がなくなったとしても、契約見直しや遅延といった情報が信用情報機関に事故情報として登録されることが多くありました。 しかし、金融庁は2010年1月14日、信用情報機関に対し、信用情報から借主が過払い金返還請求手続きをしたとの履歴を削除させる方針を明らかにしています。 もし、登録されるはずのない自分の過払い金請求の履歴が信用情報機関に登録されていた場合、登録を消してもらうことができます。主な信用情報機関を下記に掲載しますので、不安な人は一度確認してみるといいでしょう。
※主な信用情報機関
【全国銀行個人信用情報センター】主に銀行等の団体が加盟
【株式会社シー・アイ・シー(CIC)】主に消費者金融、信販会社、クレジットカード等の団体が加盟
【株式会社日本信用情報機構(JICC)】主に消費者金融、信販会社、クレジットカード等の団体が加盟
過払い金が発生している可能性が高い人
2010年以前に消費者金融・信販会社などからお金を借りていた方は可能性があります。しかし、大手の消費者金融・信販会社に関しては2006年にグレーゾーン金利撤廃を政府が発表した後、すぐに金利を改定している場合が多く大手からの借り入れの場合は2006年以前の借金が対象になる場合が多いです。 また、吸収合併や倒産してしまった消費者金融・信販会社もあるので注意が必要です。
家族にはバレない?
過払い金請求を家族に知られたくない場合、自分で過払い金請求をおこなうのはやめておきましょう。家族と同居をしている場合、手続きの最中は取引明細などの全ての郵便物が自宅に郵送されたり、もし裁判となった場合には裁判所から自宅に連絡がはいりますのでバレる可能性は高いでしょう。同居していない家族にはバレる可能性は低くなりますが、司法書士や弁護士などの専門家に依頼すれば手続きに関して全て専門家を通す形になるので通常消費者金融や信販会社から直接自宅に郵便物や電話がくることはありません。
消費者金融・信販会社から嫌がらせされない?
嫌がらせをおこなっても消費者金融・信販会社に特にメリットはないので嫌がらせをうけることはありません。逆に営業停止処分を受ける可能性があり、デメリットの部分が大きいためこれまでに嫌がらせをうけたという話はないようです。
完済後の過払い金請求のデメリットはほぼありません。過払い金請求をすることでお金が返ってくるのでメリットのほうが大きいといえます。また完済の場合は信用情報機関に事故情報が登録されることもありません。デメリットとしては過払い金請求をおこなった消費者金融・消費者金融から再び借り入れやクレジットカードは難しくなります。2010年以前、一部の大手の消費者金融・信販会社から借金をしていた方は過払い金が発生している可能性が高いので最終取引日からの10年の時効が来る前におこないましょう。 過払い金請求は個人でおこなうには膨大な時間・専門的な知識が必要になるので手続きを検討している人は一度、お近くの司法書士や弁護士などの専門家に相談してみてはいかがでしょう。
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