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日本は静かな国です
「日本は静かな国です」
日本語ボランティアに参加して、学習者にある質問をしたとき、こんな言葉が返ってきました。この時の参加者は東南アジアや南アジアの国から来た5人。
「ここ(地元)は静かです。東京は静かですか」
私が尋ねると、東京へ行ったことがある数名が
「はい、東京も静かです」と。
そうか、そうかもしれない。
ここに比べれば東京はにぎやかだけど、彼らの国に比べたら圧倒的に静か。
以前、東京のとある場所に住んでいた時、家の前が大きな道路で、夜中まで車の走る音が聞こえていました。その後、住宅エリアに引っ越した時、夜がとても静かなことに気づきました。
長期で喧騒と排気ガスに包まれたにぎやかな国へ旅行して、東京のひとり暮らしの部屋に戻ると、「今日ご近所誰もいないのかな」と私でも思ってしまったぐらいだから、彼らが「静かな国です」「東京も静かです」と思うのも理解できます。
彼らはこの静けさが気に入っているようだったけれど、同時に、母国の活気や喧騒を懐かしく思っているのだと思います。
そして、いつか国へ帰った時、日本の静かさを思い出して少し懐かしく思ったりもするのかな。その時に思い出す、日本での思い出や記憶が、少しでも良いものになるといいなぁ。
そんなことを思いました。