なぜスタバはプラスチックカップの「映え」を手放せるのか?
スターバックスコーヒー(以下、スタバで失礼します)の「紙製カップ」での冷たいドリンク提供拡充が話題になっていました。
私も頻繁に利用しますが、紙製カップの耐久性はそれほど気になりません。ちなみに紙製コップを含めてペーパータオル、紙コップ、ナプキンなど紙関係は環境に配慮した再生紙もしくはFSC森林認証紙を使用しているはずです。(SDGsの観点からも注目されており、弊社でも推進しています。)
そもそも一般的に紙カップではなく、なぜプラスチックカップをアイス系の飲み物で多用するかを改めて考えみたのですが、①容器としての耐久性②中身が見えることでの涼しさ・美しさ・シズル感の演出=「映え」の面が大きいかなと思いました。
スタバもフラペチーノなど氷系の一部製品は今後もプラスチックコップを残すかもしれませんが、若干でも耐久性と映えを手放すというのは思い切った良い判断ですよね。
それでもさらに舵を切ったのは「丈夫で中身が見えた方がお客様に喜ばれる(選ばれる=売れる)」よりも「仮に若干耐久性が落ちても環境に配慮した方がお客様に喜ばれる(選ばれる=売れる)」と判断したのかもしれません。
特に社会を引っ張るリーダー、イノベーターとしての背中を見せようとするなら、早く取り組んだほうが良いということでしょうか。
スタバがプラスチックコップの「映え」を手放せる(逆に言うと手放さざるを得ない)のは、上記のような「在り方」に関わる課題であること、その一貫性から生まれる顧客としての体験(多少不便でも環境に配慮した会社を応援したい気持ち)が歓迎される部分もあるからでしょうね。
それは「映え」という「点」だけでなく、企業としての在り方、味、店舗空間、接客など「面」で最良の顧客体験を提供する自負があるから出来るのかもしれません。
海中でも分解する生分解性プラスチックの研究も進んでいるようですが、コストの他にも、耐久性とどのような条件下で分解させるかのバランス調整が難しそうな気がします。海洋生物・資源への影響を考えると、しばらくは紙製を推進する流れは続きそうです。
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