竹田の子守唄の記憶
おばあちゃんは幼いわたしや妹を寝かせる時、いつも子守唄を歌ってくれた。幾つかの曲の中、心に残りずっと大切にしてきたのは「竹田の子守唄」だった。わたし自身が3人のこども達を育てる時にもずっとこの歌を歌ってきた。
竹田の子守唄 守りもいやがる盆から先にゃ 雪も散らつくし子も泣くし
盆が来たとて なに嬉しかろ 帷子は無し 帯は無し
早よも行きたやこの在所越えて むこうにみえるはおやのうち 向こうに見えるは親の家
2018年の冬のある夜、この子守唄から響いてくる優しくも哀しい魂の記憶のようなものを、再び想い出す出来事にわたしは出逢った。