『人はいつからでも生まれ変われる。』
ヒトとの出逢いはとても不思議なもの。あなたも経験したことがあるでしょう?それは他人との間に感じる時もあるけど、血縁関係にも感じる時があるのよね。むしろそちらの方が濃くて深くてある意味辛い。少なくともわたしはそうだった。なんでここに生まれちゃったかなぁ...なんてね。
色々な困難を抱えてカウンセリングルームにいらっしゃるクライエント様たちの中にも、血縁関係に苦しんでいる人が非常に多い。または生育段階の経験に起因する何らかの痛みに耐え続けた結果、痛みに慣れてしまったり...他人なら逃げられるけど、親子だと逃げられないから....と仰る方も少なくない。でもそれって、もしかしたら意識の中でつくられた枷なのかもしれないね。そして思い切り一歩踏み出してみると、杭も枷も簡単に抜けて、自由になれるのかもしれない。
心優しいぞうさんのお話。 小さな頃、サーカスに連れてこられたぞうさん。調教され、鎖で繋がれて長い時をサーカス小屋で過ごし、やがて大人の象に成長。すぐにでも鎖を千切り、杭など簡単に引き抜いて逃げられるような力強い身体になったのに、抵抗もせず小さく弱い鎖や杭に縛られ続けるのだそうです。なぜ逃げないのか。それは、長い時が育んだ悲しい習慣なのだそう。幼い頃から縛られ続けた経験の中で、逃げられないと思い込んでしまった。暴れれば叩かれ、無理にもがけばつけられた鎖が足に食い込む。やがて抵抗することを諦めて、従順な囚われの身に甘んじてしまう。
よく使われる例え話ではありますが、こんなことがこの世界の中ではたくさん存在する。
この悲しい物語を終わらせるきっかけは、自分自身の中に芽生える情熱の小さな炎なのかもしれません。『わたしはわたしでありたい❗️』そんな心の情動にいっぱい焚きつけて、生きる使命を燃えあがらせる。自分という太陽の輝きを信じて…。
『人はいつからでも生まれ変われる。』 私のカウンセリングルームでは、いつもこの言葉を伝えています。ご相談の内容を聞く前に、今日あなたは、何を得ようとしてここにこられましたか?とお聞きするようにしています。そして、このカウンセリングが終わった後、どんな変化を希望しますかと聞いています。え?と、返答に詰まる方が多いのだけれど、私はあえてお尋ねするようにしています。呼吸をするときに、わざわざ吸って吐いてを常に意識している人は少ないのではないのかな。同じように、今自分が何をしたくて、何をしようとしているのかに意識を向けて行動することも、案外少ないのかなと思います。せっかく大切な人生の時間を割いて足を運んでいただくのだから、帰る頃には笑顔で足取りも軽く扉を開けていってほしい。そんなふうに思うから、自分を見つめるという新しい人生のやり方を覚えていただくためにこんな質問を投げかけます。そして大抵皆さん、スッキリしたい、と仰います。
そろそろ終わりにしましょうか。自分を押し殺し見て見ぬ振りをする生き方を。一度氣がついて仕舞えば、この世は愛と輝きに満ちていて本当に美しい。感謝以外は出てこなくなる。それはとても幸せな、穏やかな世界です。生き直すだけが正解じゃないのも確か。満足されていらっしゃるのならもちろんそれでいいでしょう。ただ、やっぱりみんな何かを探しているのよね。得られなかった何かを.....。みつからないその何かは、あなたの内にあります。そしてそれを探しに行くあなたの背中をそっと押すのが聴き屋の役目です。